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『ひとたびはポプラに臥す』宮本 輝・著(集英社文庫)
簡単レビュー
いざ、6700キロのシルクロードの旅へ!
中国・西安から、遥かパキスタン・イスラマバードまで。文明と民族の十字路で、著者が見つけたものとは――。感動の長編紀行エッセイ。
著者が二十年来の夢を賭け、飛び込んだのは「生きるためにしたたかで烈しく勇気のある人々のいる、シルクロード六千七百キロの旅」だった。
殺伐とした日本を抜け出して、仲間と共にいざ、中国・西安からパキスタン・イスラマバードへ。
文明と民族の十字路で出会ったのは、壮大な景色とそこで生きる人々の汗と生活。そして、予想を超える困難の数々。
感動の紀行エッセイ新装版第一弾である。
★
GWに読もうとまとめ買いをした『ひとたびはポプラに臥す』だ。
20年以上前のシルクロード紀行文をまとめた旅エッセイ。
当時、NHKの特番「シルクロード」や日本画画家・平山郁夫氏の絵画が
世界的に話題になっていた記憶がある。
芥川賞作家の宮本 輝氏もシルクロードに魅せられてしまったひとりである。
インドの鳩摩羅什(344年~413年(一説に350年~409年)。サンスクリットのクマーラジーヴァの音写。中国・後秦の訳経僧。羅什三蔵とも呼ばれる)の足跡を辿った書籍があると知ったのは、つい最近のことだ。
しかもエッセイだと。読むしかないでしょ。
3巻完結で、一巻づつ丁寧にシルクロード紀行を楽しみたいと思い、手に入れたのだ。
宮本 輝氏と言えば、代表作に『青が散る』が記憶にある。
内容は「大学テニス部創部にかける青春」とだけ書いておこう(笑)
昔、TVドラマで観て今でも記憶がある作品だ。(記憶している場面は富豪と女子大生の濡れ場・笑)
作家・宮本輝氏は、庶民の暮らしを題材に時代を生き抜く「知恵と活力」を文章にして世の中に送り続けてきた作家だといわれている。
なぜ、今、宮本輝氏の作品に目が行ったのか?
それは、ただ1つ。作家の紡ぎ出す文章の持つ「品性」があまりに美しいと感じるから。
文章の中から、立ち昇るささやかな幸せのような「品性」を読み取るのがとても心地よく、今、自分が欲してる文章だと直感した。
宮本輝氏の小説からは、ほんの一言で場面をがらりと変える力があるが、そこには「作為的でなく」「企みが一切存在しない」文章が散りばめられている。
そんな、自分だけの読む楽しみを満喫できる著名作家の小説やエッセイをもっと、もっと、読みたい。
今回は、宮本輝氏を取り上げてみたが、ストーリー展開が美麗でアッという間に読み切ってしまう小説の紹介をしたくてウズウズしている。
というわけで、ちょっぴり仕事が早く終わって帰れた日は、読書三昧しよう!
それでは、また!
「余花辿る 如くに史実 振り返らむ」 清流子
余花の旅とでも言うか、謎を暴き覆す楽しみを胸に物語を歩いて見たい。シルクロードは昔、NHK特集で視聴、異国情緒に酔ったものだ。まさに西遊記そのもの、ガンダーラへの道だね。
余暇?( ´艸`)