【ブログ新規追加171回】
雑誌/クロワッサン 2020年11月10日号 (マガジンハウス)
今日、休日の狭間での仕事先で、つい立ち読みしてしまった美しい雑誌。
女性なら誰でも、たいがいが食器=うつわ好き。
雑誌業界そのものは、苦しい売り上げ状態がもう、10年以上続いているが、安定の「うつわ」特集が組めるマガジンハウスなればこその格別な一冊。
うつわを取材し、編集する担当者のセンスひとつで、雑誌の持つ雰囲気が決まってしまう。
センスいい人の家で使われている食器。ほぼ100均食器などなさそうだ。ほれぼれする希代の銘品などを普段づかいするのが、長いあいだの夢だった。
で、自分をこんな風に分析している。
★
私はとても欲張り。
食器は大胆な花柄が好きだし、渋い和の器も、時を重ねた古いものも大好き。
歳をとると、無駄なものをそぎ落とし厳選するというけれど、私にとってはどの引き出しも同じくらい大切なものなのだ。
だったらこのままでいいじゃない。
そう割り切った時、ふっと楽になった。
大事なのは、引き出しにかけておいた鍵をさびつかせないこと。
それには、大事にしまっておいたモノたちをどんどん使うのが良い。
★ というわけで、今の我が家の3つの食器をフォトで紹介する。
砥部焼(とべやき)の小鉢。
砥部焼とは愛媛県砥部市砥部町を中心に作られている陶磁器である。一般には食器、花器が多い。
愛媛県指定無形文化財、別名「喧嘩うつわ」と呼ばれている。背後の山地から良質の陶石が産出去れていたことから、大州藩の庇後を受けて発展した。
やや厚手の白磁に呉須と呼ばれる薄い藍色の手書き図案が特徴。讃岐うどんブームで砥部焼の鉢が使われたため、器も一気に人気になった。
数年前、大森研一監督の「瀬戸内 海賊物語」でも重要なシーンでこの砥部焼が用いられていた。
主人の妹が住む松山市近郊で、どうしてもこの器に出会いたくて砥部町の窯元まで連れて行ってもらい、念願かなって手に入れたものだ。
すべて手書きの図案なので値段はお高め。家族3人分、3つ買って、今でも毎日大事に使っている。
萩焼(はぎやき)の茶器。
萩焼は山口県萩市の焼物。
茶器として登場したのがはじまり。江戸時代に周防・長門の二国を領有する毛利氏(もともとは安芸・広島が地盤)の御用窯として発展した。
「一楽・二萩・三唐津」と言われ、お茶の世界では欠かせない器である。
結婚が決まって広島の両親を尋ねたときに、まずは萩に行こう!と旅行をプレゼントしてもらった。
秋芳洞や松下村塾などを見て回り、萩焼の窯元で嫁入り道具として茶器を買った。
土が粗いため浸透性・保水性・保温性が高く、土と釉薬(うわぐすり)の収縮率の違いによりできる表面の細かなヒビ(=貫入)から水分が浸透し、器の中から 表面にまで至る。
この浸透により、使い込むほどに器の色合いがだんだんと変化し、なんとも言えない侘びた味わいを醸すのである。
この変化は「萩 の七化け」と呼ばれ、萩焼の特徴的な魅力となっている。独特の柔らかな風合いが温かみを感じさせるが、何しろ割れやすいので、これだけは5つ買い求めた。今でも大切に使っている。
ノリタケの輸出仕様ディナーセット。
言わずと知れた日本が誇る陶磁器メーカー。
主人のお母さんからオールドノリタケ(復刻版で骨とう品)ティーカップを1客頂いたのをきっかけに、すっかりその美しい白磁に魅了され、それから直営店や百貨店などを見て回るようになった。
シンガポールに行った時、ラッフルズホテルで使われていた業務用ノリタケ(プロユース)に出会い、その凛とした美しさにどうしても手に入れたくなり、アウトレット等を探しに探して日本国内でディナーセットの半分だけ手に入れた。
涼しげなペパーミントグリーンの葉とミルクティー色の薔薇模様が使い込んでも未だ古びてなく、さすが業務用だなと感心している。
もちろん値段も一般的なノリタケボーンチャイナよりは圧倒的に安い!これも惜しみなく使えている理由だと思う。
さすがに、今では、カップ&ソーサ―はまったく使わず。ミントグリーンのカップとお皿だけが毎日のわたしの標準食器なの。
すべて、毎日の食事に使うのだが、それなりによいうつわは壊れにくい。そして、焼き物が好きだというのも実感するこのごろだ。
もうひとつ、京都の清水焼の花器も載せておこう。
京都では、小さなお道具箱や花器、豆皿、お椀などを毎回の旅で購入している。
陶磁器はいつか割れて壊れてしまうもの。
毎日使うたびに愛着が湧いているので壊れたら本当に悲しいが、しかしまた、新たなうつわと出会える。
すてきな器もため込んでいないでどんどん使わなければ損!
最近めっきり食器を買わなくなった。
冒頭の雑誌をみて、新しいプレートなどを手に入れたくなった。
Arabia パラティッシ パープル オーバルプレート 25cm(Amazon価格/4899円)
これぞ!自分仕様の食器の代名詞。ああ~買っちゃおうかな。迷う(笑)
🍵「我が器 秋思こぼるる 憂いあり」 清流
毎日使う食器には愛着がわく。ちょうど愛用の筆記具のよう。捨てるときは後ろ髪を引かれる思いに駆られる。でも所詮消耗品、晩秋のような寂しさが残るが次ステップのためときっぱり諦めよう。
そうそう。消耗品の定。
だから、使わなきゃ損。