『ゲリラガーデニング 境界なき庭づくりのためのハンドブック』リチャード・レイノルズ ・著/甘糟智子 ・翻訳(現代書館)【選書・文化/旧記事更新193】

【ブログ新規追加1287回】

ゲリラガーデニング 境界なき庭づくりのためのハンドブック』リチャード・レイノルズ ・著/甘糟智子 ・翻訳(現代書館)

簡単レビュー

世界にはいろんなことをしている人たちが存在している。
本書に登場する人たちが耕しているのは自分の庭ではないのだ。
見つからないようにこっそりと、空き地、手入れのされていない花壇、道路の中央分離帯、行政区分のあいまいな土地、いつの間にかゴミ捨て場と化しているスポット……、そんな土地を「庭へと変えてしまう」、これがゲリラガーデニングの真相だと。

その土地の成り立ちを調べ、見つからないように細心の注意を払い、無断で、創造的に、まるで魔法のように、ふさわしい植物で街を飾るアナーキーな庭づくり。
世界中の実例を紹介しながら、伐られていく世界の中で「植えていく」ことに突き進む。

読んだらやってみたくなる?!ことまちがいなしの一冊。

土を掘る、種をまく、水をやり植物を育てる。
こうし た 人間として の 当然の営みは、 土地を所有せずとも実現可能だ。


【もくじ】
はじめに
第1部*ムーブメント ゲリラガーデンという運動
1. ゲリラガーデンとは?
2. なぜ闘うのか
3.何と闘うのか
4. 歴史

第2部*マニュアル ゲリラガーデニングの手引き
5. 武器(アーセナル)
6. 戦場(フィールド)
7. 宣伝(プロパガンダ)
8. 勝利(ビクトリー)
特別寄稿:境界のゲリラガーデン(東京大学だめライフ愛好会)
境界を越えて耕すということ(くまたろう)

             ★★★

なに?この本!?

仕事先で偶然見つけて、しばし立ち読み~~~~~~~~( ´艸`)

仕事上、立ち読みは、やっちゃいけないのだけど、他ジャンルだからね!ちょっぴり読んでから、急いで帰って電子書籍でとりあえず読み流して、レビューを書いた。

今年、9月に出たばかりのアナーキーな新刊を紹介した。

土地といえば「所有」しているとか、「権利」があるとか。そういった規律が立ちはだかっているものだろう。

しかし、世界には放置された土地を見つけて、「しれっと!」(ここ大事・笑)自分の好きなように草花を植えるガーデナーがたくさんいるらしい。

「所有?」興味なしなんだね。

要するに勝手気ままにガーデンライフを送りたい!という自由発想の人たちのやっていることを一冊の本にまとめてみたそうだ。

しかも、やり方も記載されているし、東大の愛好会なども紹介されているんだよね。

すこし、文中引用する~

都市生活者は、植物を愛でる、作物を育てるという人間の根源的ともいえる行為を禁止されている。

これは街の中でスケートボードが禁止されていたり、街の壁にグラフィティを描くことが禁止されていることに少し似ている。

大きな者の権利が守られ、小さき者たちの自由は制限される。

 本書の著者がゲリラガーデニングのことを皮肉も込めて「闘い」と表現するのは、「土地の権利」や「土地を所有すること」の既成概念を揺さぶることで世界を少しでもマシなものに変えることを目的としているからだ~文中引用。

不思議なんだけど、本来「持っている人は勝ち組で自由を得ている」と思うが、これを読んだ限り、「持たない自由は無限に広がる」んだ。

勝ち負けなんかないよ。街で植物を育てたいだけなんだもの。

というわけで、ちょっとロックな書籍を紹介してみた。

それと、この本を読んで、世界的な落書きアーティスト「バンクシー」を思い出した。

バンクシー作・「風船と少女」

「風船と少女」は、世界3か所で書かれている。

ロンドン南部のサウスバンクス・テムズ川沿いの階段の壁

パレスチナとイスラエルを隔てる分離壁

渋谷の「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新193

『SunTAMA Style』2020年12月18日記事

『SunTAMA Style』2021年12月18日記事

『SunTAMA Style』2022年12月18日記事

『SunTAMA Stye』2023年12月18日記事

『一人飲みで生きていく』稲垣えみ子・著(朝日出版社)【選書・文化/旧記事更新/旧記事更新191】

【ブログ新規追加1282回】

『一人飲みで生きていく』稲垣えみ子・著(朝日出版社)

簡単レビュー

人生を切り開く、まさかの最終回答!

元アフロ記者の稲垣さんが、勇気を出して一人で酒場に突撃。


すると、失敗しながらも友達ができて、居場所ができて、老後の不安もなくなって・・・。(それはちょっとだけよ・笑)


ユーモアたっぷりでお届けする、ソロ飲み冒険記である。


社交的でなくても話がうまくなくても大丈夫。

むしろ、孤独を好むタイプの人、人付き合いが得意でない人にこそ一人飲みはぴったりだ。

だって誰かに気を遣いながら食事の約束を取り付けたり、時間を調整して待ち合わせしたりする必要もない。

気が向いた時に一人でふらりとどこかの店に入り、行きずりの人たちの中に紛れ込んで飲む。

周囲にそこはかとなく受け入れてもらい、自分も周囲の人を受け入れながらその場に馴染むテクニックを積む。

そして、ただの無名の人間として、リラックスしてその時間を楽しむだけである。

それだけで、お腹も心も十分満たされるはずだ。

自分は一人だけど一人きりじゃないんだと、腹の底から感じることができるはず。

というか、人付き合いなんて、人生なんて、案外それで十分なんじゃないだろうか。

インスタのフォロワーがゼロだろうが、フェイスブックの投稿に誰も「いいね」を押してくれなかろうが知ったことか。

隣の見知らぬ酔っ払いと一瞬会釈し、ひと時の暖かい食事の場を共にすることさえできれば、案外その後しばらく元気に生きていけたりする。

それがわかれば、人生は随分と楽チンである。
(本書より引用)

「一人飲みの極意12か条」(引用)

・一人客用の席に座るべし
・間が持たなくなってもスマホをいじってはいけない
・最初の酒は素早く注文すべし
・食べた(飲んだ)後は、店の人に感謝を込めてひとこと感想を伝えるべし
・まずは、カウンターの向こうにいる店の人と会話を始めるべし ほか・・・・

            ★★★

ああ~~~、またもや面白い本をみつけちゃった。

稲垣えみ子氏の書く、軽妙でしゃれた文章は、なんでこんなにも気持ちがいいのだろうか?

女がひとり酒場で一杯やる・・・。これがこの書籍のテーマよ。

これは超冒険だと思うのが普通の感覚だよね。

長年、営業マンを生業にしているわたしも、昼間にがっつりと仕事をし、夕焼け小焼けの頃にはカラスと一緒に一目散に帰ってきて(笑)少々高級な旨いアイスと、頂き物の旨いコーヒーを飲むのが最近のMyブーム。

そんなわけで、仕事がはけてから一杯飲んで帰ることは、もう、ずいぶんの間していない。

この本を読んだら、今年の仕事納めに「女ひとり一杯飲んで帰る」とかやってみたくなった。

さあ、どうなるか?

ちなみに、わたしの今年の仕事納めは12月25日(水)クリスマスよ。しかも上司との同行営業(ま、年末のご挨拶)となった。

外で一杯飲みやすい日だわ(笑)

それに、もうおばちゃんだから、「一人で一杯ひっかける程度」がいいかもしれない。

酔っ払いになりたわけでも、酔っ払いと飲みたいわけでもないし(笑)この1年無事故で恙なく(つつがなく)仕事ができたことへの感謝の一杯かしら。

とかなんとか、いろいろ考えて楽しむ12月。

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新191

『SunTAMA Style』2022年12月11日記事

『SunTAMA Style』2021年12月11日記事

『SunTAMA Style』2023年12月11日記事

『残照の頂き 続・山女日記』湊かなえ・著(幻冬舎)~430枚の書下ろし小説を楽しむ~今週の登山予定もあり【選書・文化/旧記事更新189】

【ブログ新規追加1281回】

『残照の頂き 続・山女日記』湊かなえ・著(幻冬舎文庫)

簡単レビュー

亡き夫への後悔を抱く女性と、人生の選択に迷う会社員。

失踪した仲間と、共に登る仲間への、特別な思いを胸に秘める音大生。

娘の夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生。など。

日々の思いを嚙み締めながら、一歩一歩山を登る女たち。

山頂から見える景色は、苦くつらかった過去を肯定し、これから行くべき道を教えてくれる。

                 ★★★

最初の「亡き夫を偲び、初めて五竜岳(後立山連峰)を登山する女性のストーリーは沁みる。

わたし達夫婦も昨年、五竜岳の天狗の頭~小遠見山に登ったので、とても親近感がある作品だった。

ただ、未だに、湊かなえさんの文章に少しだけ「戸惑う」ことが多い。それは「人称が入り混じる作風」だからだろう。

そして、これまであまり読んでこなかった作家さんだから、文体に慣れていないのかもしれない(笑)

さて本題。

先月、岐阜県と長野県にまたがる「穂高連峰」に行って、今年最後の登山だと思っていたのが、12月15日(日)に「高尾山」へ登る予定ができた。

2024年、登り納めは地元の山で、登山者数世界一、ミシュラン三ツ星に輝く高尾山に登ることになった。めっちゃ幸せ。

高尾山は標高599mと低山でありながら、ケーブルカー、とろろ蕎麦、ムササビ、もみじの紅葉、ダイヤモンド富士の観賞(2024年12月16日(月)~26日(木)に観られる予想)他にも見どころがいっぱい。

小さな頃はもっぱら、ケーブルカーで桜や紅葉の時期に家族で登り楽しんだ。

小学校の遠足、中学では陸上部での登山駅伝、大人になってからも幾度も登った馴染み深い山なのだ。

急に決まった計画だから、より一層、ワクワク感がとまらない!

そして、今度こそ今年最後の山だろうから、しっかりと気を引き締めて登ってこよう!

そうそう、昨日から雪なっているようだし(泣)

というわけで、何度登っても楽しい「高尾山に行く話」を書いてみた。

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新189

『SunTAMA Style』2020年12月9日記事

『SunTAMA Style』2021年12月9日記事

『SunTAMA Style』2022年12月9日記事

『Life Tour21st』2016年12月9日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1062964032.html 「いつもと違う街で過ごす夜

『みいこStyle』2019年12月9日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/22471775.html 「週一日デトックスデーの習慣を続けて

『秋の山旅3』雲ひとつない白馬三山を絶好の位置で撮る~登れなくとも眺める幸せ旅~名山に寄せる願望【風景/文化・白馬三山/旧記事更新183】

【ブログ新規追加1275回】

※ 11月19日 午前8時 穂高へ向かう途中、松本の一般道にあるローソンから白馬三山(富山県と長野県にまたがる3つの山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)の総称)の撮影をした。

朝は奇跡が宿っている。今年一番のショットかもしれない。

北アルプスの名山には「遠近=おもこち」から眺めたい魅力がある。

ここ数年、白馬岳(しろうまだけ)いわゆる白馬連峰に心を奪われていたわたしは、たとえ登れなくとも、近くへ寄って眺めたい衝動に突き動かされてきた。

三年前、手始めに遠近で登ったコースは「八方尾根・唐松岳」だった。

白馬三山を眺めながら登る代表的なコースをトレッキングして、初めて見る白馬連峰の風景に感動しっぱなしだった。

ゴンドラとリフトを乗り継いで、八方山荘付近に降り立った時に見えた、遠近の第一ケルンを発見した時は、感動のあまり涙しそうになったのを、今でも鮮明に覚えている。

夏場でも雪が残る登山道を、トレッキングポールを操りながら歩み進んだ。

濃い霧が立ち込めて結構危ない箇所も多く、わたし達夫婦の決めている「行けるところまで」のルールに従い、途中で撤退した。

雷鳥には出遭えず(泣笑)

それでも、まったく後悔はなかった。ピークハントだけが登山の目的ではないだろう。

素晴らしい景色を写真に収めることが趣味のわたし。夫は即興で俳句を詠む。

それぞれ、名山での楽しみ方は無限かもしれない。

白馬岳・八方尾根に魅了されたわたしは、翌年、後立山連峰に浮かぶ武田菱を見たくて6月に白馬・五竜岳の遠見山へ登った。

武田菱といえば、5月のGW3日間に開催される、白馬山麓を歩く「塩の道まつり」にいつかは参加したいと願っている。

塩の道」とは、越後の上杉が甲斐の武田に塩を送った故事のこと。

「塩の道まつり」では、牛や牛方、虚無僧などが登場して参加者と一緒に白馬中を時代絵巻さながらウォーキングされるのだそう。

丁度、そのころが五竜岳の武田菱展望には絶好の季節なのだ。

で、今年は白馬岳に寄り付けるのかどうか?わからない、ウインターシーズンに入ってからの長野旅だった。

白馬方面は雪予報が続いていて、道路の凍結も心配されていた。

結局、西穂高岳に登ることに決めて、松代から松本まで長野道で抜けた19日早朝。

安曇野付近でみたこともない巨大な白馬三山を真近で運転しながら見ることが叶った。

手を伸ばせば届きそうな大きさで、もう、ドキドキしたわ。

そして、長野道を降りて、穂高に向かう一般道のローソンから見えたのが真っ白な雪の白馬三山。(TOPの写真)

わたしは「夢じゃないだろうか?」と思えるほど大感動して、ローソンで写真を撮り、熱いコーヒーを買って飲みながら、しばし、白馬三山を眺めた。

ここには、我も我もと写真を撮る迷惑な外国人はいない。

生活圏に美しい北アルプスが存在している幸せなコンビニだ(笑)

すごい穴場を見つけた喜びで、とても嬉しく幸せな朝だった。

来年の白馬はどこから攻めようか?今からわくわくだ。

「日本百名山を眺めて歩く・登る旅」も現在、18座まで到達した。(低山は数え切れず・笑)

きつく、苦しい登山をいかに、楽しく軽やかにこなすか?が、最も大事な課題だ。

様々な角度から研究して、これからも色々なコースを歩き・登りして行きたい。

というわけで、今年の登山は西穂高岳の栗尾ピークで終了。

三等三角点にて記念に撮ってもらった一枚。

(ちゃんと、日焼け止め塗ってたのだけれど、3時間も雪道歩いたので顔がひどい・笑)

今日から月末。しっかり仕事するぞ~~~!

それでは、また。

               ★★★

白馬連峰を題材にした小説も紹介しよう。

蒼き山嶺 馳 星周 ・著(光文社文庫)

簡単レビュー

なにがあった? なにをした? どうして追われている?
警察から追われ、刺客に命を狙われながら、白馬岳を越えて日本海を目指す。

男の目的は!?

直木賞作家の新境地となる傑作山岳冒険小説だ。

山岳ガイドの得丸志郎は、白馬岳で大学山岳部の同期・池谷博史と再会した。

卒業後、警視庁の公安刑事となった池谷は、久しぶりの山でだいぶバテている。

山頂まで一緒に登ることにしたが、ペースは上がらない。下山が遅れそうだと麓に電話を入れる徳丸に、池谷が拳銃を突きつけた――!!

友情、恋愛、ライバル、極限の決死行。

著者の新境地となる傑作山岳冒険小説。

一気に読んでしまった!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー旧記事更新183

『SunTAMA Style』2020年11月25日記事

『SunTAMA Style』2021年11月25日記事

『SunTAMA Style』2022年11月25日記事

書店から全国の子どもたちへ本を寄付~ブックサンタ2022【暮らし・NPO法人&書店の情報を共有】

『Life Tour21 st』2016年11月25日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1062572904.html 「忘れるために書くブログ」

図書館を利用してる?児童書コーナーなどは宝箱!~この秋、意外な場所へGO!【暮らし/選書・文化/旧記事更新177】

【ブログ新規追加1269回】

わたしは週に少なくとも2日は図書館へ出向く。

外営業なので、商談で現場仕事が終わり次第、早い時間だったら、地元の図書館へまっしぐら。

土・日では、夫と一緒に借りたり返したりと図書館タイムのある休日を過ごしている。

さて、今回は「図書館には意外な面白いコーナーがある」という話。

それは、児童書のコーナーだ。

子どもがいる頃には、親子でお世話になってきただろう。

そこでまず、図書館内部の紹介を。

規模の大小に限らず、図書館の作りは大抵同じで、まず貸し出し&返却カウンターがあり、入ってすぐ新聞・雑誌を自由に閲覧できるフリースペースになっている。

あとは、純粋な読書&勉強するためのデスクエリアと、こども本のコーナーだ。

大きな図書館なら加えて、資料倉庫、読み聞かせ室、カフェなどが備えられているだろう。

この中で注目すべきなのが「児童書コーナー」だ。

幼いお子さんをお持ちの親御さんならよく利用されるはず。

そこにはフリースペースがあって、親子で絵本を楽しむ姿や、子供たち自身が読みたい絵本を何冊も抱えて貸し出しカウンターに行く様子もほほえましい。

一方で 、大人がひとりで行ったときに「児童書コーナー」に入って、何か面白そうな本はないかな?と、探す人はどれぐらいいるだろうか?

 資料としてどうしても必要な場合は別として、普通は行かないのではないかと推測している。

ここで改めてお勧めしたい。

児童向けだから大人には幼稚と思い込んでいないだろうか。いやいや、幼児のためのものだけではない。

わたしは、児童書中心の出版社に勤めているが、近年、児童実用書なる新ジャンルがどんどん発刊されている。

AIやデータ、金融、生き方など、わかりやすく書かれている書籍のなんと多いことか!
数年前、児童書が大ヒットして映画化された「君たちはどう生きるか」もその筆頭だろう。

また、哲学書も児童書が大変良い(笑)大好きな一冊を紹介しよう。

はじめての哲学』石井郁男・(絵)ヨシタケシンスケ

簡単レビュー

哲学者の人生に生き方を学ぶ!
14人の哲学者の人生をたどりながら、その思想を学ぶ哲学入門書。


小・中・高校で40年間教鞭をとり、現在は大学で哲学を教える著者が、
長年、生徒と関わってきた経験からたどりついた「究極の哲学入門書」だ。


限られた授業時間の中で、哲学史の流れをつかみ、
哲学の世界が身近に感じられるよう、セレクトした14人の偉人たち。


彼らの生涯を、孔子の「人生論」と照らしあわせながらたどることで、
その思想がくっきりと見えてくる。


要点がコンパクトにまとまって、おぼえておきたい名言がすっと心に入ってくるユニークな哲学入門書だ。

何しろ、イラストがあの、「ヨシタケシンスケ」氏(笑)

めっちゃ、掴まれる可愛さ!

ぜひ、図書館で書店で探してみて!

哲学を身近に感じながら英知を深める秋にぴったりの一冊。

               ★★★

図書館の児童書こーナーには、小学生・中学生向けのものが豊富にそろっていて「こんなところにこんな本が!」と思わぬ拾い物をすることがある。

例えば、今回の大統領選を前に、カマラ・ハリスに関してサクッと読める本はないかと、館内にある検索機で見つけたのが『カマラ・ハリス物語』

所蔵棚が書かれた紙を手にたどり着いたのは「こども本コーナー」の一角だった。 そこには、津田梅子、野口聡一、マーティン・ルーサー・キング牧師らのコンパクトにまとまった伝記本が並んでいた。

児童書コーナーに行かなかったら出会うことのなかった本ばかり。

図書館の児童書本コーナーは異世界だ。

ぜひ一度、不思議の国のアリスになった気分で、扉を開けてみて!

それでは、また!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー旧記事更新177

『SunTAMA Style』2020年11月11日記事

『SunTAMA Style』2021年11月11日記事

『SunTAMA Style』2022年11月11日記事

 『Life Tour21st』2016年11月11日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1062252996.html 「映画は最高の気分転換!

『みいこStyle』2019年11月11日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/22001883.html 「今、「運」を上げることに邁進する

『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』出口 剛司・著(KADOKAWA)【選書・文化/旧記事更新173】

【ブログ新規追加1265回】

『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる 』出口 剛司・著(KADOKAWA)

簡単レビュー

ロングセラー『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』がついに文庫化。

社会学でよく扱われるのは「家族」「産業」など、私たちが当たり前のように接している事柄だ。

日常生活を送る中でとくに意識することのないこれらの中に問題点を見つけ、それを他の人と共有できるように言語化し、そして解決を試みる。

この社会学の手法はまさにビジネスマンにとって身につけたい技法でもある。

家族の在り方、組織の中の生き方、グローバル化する世界の中の日本の未来などを「読み解くために必要」な、ビジネスマンの必須教養なのだ。

今、まさに「社会学」をざっと学ぶのなら本書一択。

                ★★★

やっと、秋らしい季節になったことで、ぐ~んと!普段のリソース不足を補うべく、大学10時間シリーズを手にしている。

この大学10時間シリーズは、東大をはじめ名だたる大学の有名教授たちによる編纂。

しかも、文庫やkindle版でも手に入るので、タブレット学習にはもってこい!のシリーズだ。

ちなみに、社会学だけでなく、金融学、経済学、美術史、宗教学、哲学、最新のデータサイエンスなどもあり、多岐に渡る教養が身に着けられる。

例えば、↓に示した画像の商品は、シリーズをセットにしたお得感満載の商品だ(笑)

5冊合本版】大学4年間の学問が10時間でざっと学べる 哲学・社会学・宗教学・西洋美術史・国際政治学 【合本版】大学4年間の哲学・社会学・宗教学・西洋美術史・国際政治学が10時間でざっと学べる Kindle版

これも簡単にレビューしておく。

ビジネスパーソンの必須教養「哲学」「社会学」「宗教学」「西洋美術史」「国際政治学」が一冊でまとめて学べる。

仕事ができるビジネスパーソンの教養として、これらを語れるようでなければ世界で通用しない。

スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツ、ピーター・ティールなど成功するビジネスマンは皆、リベラル・アーツの素養を身につけているという。

パーティーに招かれたときの初対面の相手との会話や、取引先との会話でも役立つ一冊。

さあ、言葉からにじみ出る教養を一気に身に着けてしまおう!

               ★★★

oppo_50

というわけで、11月も書籍の紹介・案内をどんどんしていく予定。

気に入った書籍や気になる本はぜひ、探してみてね!

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新173

『SunTAMA Style』2020年11月1日記事

『SunTAMA Style』2021年11月1日記事

『SunTAMA Style』2022年11月1日記事

『Life Tour 21st』2016年11月1日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1062079707.html 「異端・極端・オブセッション

『』

『フィンランド くらしのレッスン』週末北欧部Chika・著(集英社)【選書・文化/旧記事更新164】

【ブログ新規追加12571回】

フィンランドくらしのレッスン』週末北欧部Chika・著(集英社)

簡単レビュー

移住の夢をかなえたら、「くらし」が私を待っていた! 

北欧好きをこじらせた著者が、フィンランド式スタイル、考え方を学びながら、自分らしい生き方を見つけていくコミックエッセイ。

                 ★★★

【週末北欧部chikaさん】休み下手な日本人必読!フィンランド人に学ぶ「上手な休み方」を某記事より抜粋~

著者のchikaさんは「夢を叶えるため、今が頑張りどき」「20代、30代のうちは打席に立て!」とずっと“仮暮らし”してきた余韻が、実は今もまだ残っていて。目に見えない、フィンランドの暮らしのリズムを少しずつ学んでいる真っ最中だという。

フィンランドでは年に一度、1カ月程度の長期休暇を取ることが一般的、しかし、いざ実践してみたら自分にはすごく難しくて。移住1年目は就職1年目でもあり、法律的に就職2年目以降でないと長期の有給休暇を取れないので、移住2年目で個人事業主になって初めて1カ月の休みを取ることになったそうだ。

要するに、移住は「勢い」だけではできない。3年越しぐらいのスパンで実現させるのが良さそう。(海外の場合はさらにビザの習得など困難な場合もあり・要確認)

が、個人事業主になった焦りもあって、予定していた夏休みを何度も延期してしまって。起業するタイミングでヘルシンキ市の起業アドバイザーさんに「起業家の方はおろそかにしがちですけど、一番大事なのは休暇を持つこと。熱心なのもいいですが、起業家が陥りがちなのはリソースを使い果たしてしまうことですよ!」と助言された。

「始めるのは簡単だけど続けるのは難しい、だからこそ休暇を取りましょう」と言われ、休暇をどう取るのかも重要な問題だった。

休暇の取り方、ぜひ知りたい!

その教えはこうだった。

仕事を頑張るのと同じぐらい、休暇を取ることに固執してください」と。

アドバイザーさんによると、「人の健康状態は休暇開始1週間以上経ってから回復し始める」という研究データがあるそうだ。

なので年に一度長い休みを取るのがオススメだし、それが難しくても1日、2日とバラバラに休暇を取るのではなく、3日以上の連休を取るようにしましょう!と。

ヘルシンキ市のビジネス支援課が作成した起業マニュアルにも「休暇について」という項目がありました。 自治体のアドバイザーさんが「休むことに固執してください」と、しかもエビデンスデータを出して説得してくるとは……日本と大違い!

chikaさん自身は日本で会社員として勤務していたし、フィンランド移住後の最初の職場でシェフとして働いていた時期も繁忙期は1日12時間労働していた。以前から「休み下手」という自覚はあったのか? という質問には、

chika:はい、まさしく「休み下手」(笑)。

働くのが好きという自覚も多々あり、自己犠牲の上身を削って長時間働くことや目標達成することで「自分は組織の中で役立っている」と実感するクセが付いてしまった。

フィンランドに来た頃は(職場の共通語である)英語のレベルも、お寿司スキル(著者はすし職人)も日本のレベルではまだまだだし、それをカバーするために「休まず働くこと」で頑張っていることをわかりやすく示す……となってしまったそうだ。

でも職場で「“休まず長時間働く”以外のことで職場に貢献できているよ」とフォローされ、「休むことは誰しも必要で、あなたが休まないと他の人も休みづらくなるし、休んでもいい環境を作ることが大事なんだよ」とも言われた。

フィンランドでは「仕事は人生の一部、パートオブライフ」という考え方を持つ人が多く、働いていたレストランのボスの口癖だった。

「仕事はもちろん大事だけど、一番大事なのは自分の人生と家族。だからこそ健康が大事だし、ちゃんと休もう」と、従業員の休みを積極的に調整してくれたそうだ。

印象的だったのが「プライベートで辛いことがあった時は正直に申告して休む」という点だった。

                 

            ★★★

三連休の朝に偶然見つけた「北欧式・上手に休む」という書籍(コミックだけれど・笑)

この本書のテーマは「海外移住」だが、多くのキーワードが「北欧に学ぶ生き方」から書かれている。

「国内外移住」や「北欧的生き方」に興味のある方は、ちょっとゆる~い作風の週末北欧部・Chikaさんの書籍が数々出ているのでぜひ、検索をしてみて!

週末北欧部・Chika→https://www.instagram.com/cicasca/?hl=ja(インスタ)

それでは、また!

———————————————————————————————————————————-旧記事更新164

『SunTAMA Style』2020年10月14日記事はなし。

『SunTAMA Style』2021年10月14日記事

『SunTAMA Style』2022年10月14日記事

『Life Tour21st』2016年10月14日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1061701625.htmlきのこ料理とブティックワイン

『みいこStyle』2019年10月14日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/21537438.html 「【続編】今一度、一級のカラダを手に入れる

~女性に不足しがちな栄養がしっかりとれる~『最強の献立 レシピBOOK』毎日新聞出版【選書/健康・文化/旧記事更新163】

【ブログ新規追加1256回】

~女性に不足しがちな栄養がしっかりとれる~『最強の献立 レシピBOOK』料理・上島亜紀/監修・医学博士 廣田孝子 毎日新聞出版

簡単レビュー

更年期前後の女性に向けて、不足しがちな栄養がしっかりとれる最強の献立を紹介する。

40代以降の女性の体に起こる変化を解説しながら、不調別におすすめの食材や食べ方、最強の献立のルールを紹介。

大豆製品の献立、魚介の献立、肉の献立など全113レシピ収録。

                ★★★

どうも、ここ一週間ほど食欲が湧かない。

暑かったり、寒かったりと体調管理に悩みながらの毎日だから仕方がないのかしら。

食べたいものがわからなくなっている。

で、とりあえず、秋ナスを炒めたものと白ごはんだけで終わったなんて日もあるぐらい。

これって、不調のサイン?だとしたら、改善しなくっちゃ!と思い、

女性のために書かれた料理本を手に取ってみた。

更年期を境に人生後半の女性に必要な栄養素を教え、その改善レシピがふんだんに盛り込まれた一書である。

そして、2023年7月に発刊されたばかりの新刊にごく近い美しい料理本だ。

さらに、素敵なのが、「献立」に困らない・・・というメニュー作りがされている!

「体にいい基本の献立」「朝、昼に食べたい体にいい献立」「体にいいごちそう献立」どれも30以上の献立パターンが披露されている。

などなど。もちろん、肉・魚・野菜とそれぞれの献立がいっぱい。

レパートリーがぐん!っと増えそうな嬉しい予感!

本書を手に入れたわたしは、今日から俄然!料理を作る気満々になった(笑)

だって、この本の料理なら女性に必要な栄養が摂れるわけで一切無駄がないじゃん!

レシピを見ながら作らなくてもいい!だってメンドーでしょ?(笑)

「知っているメニューを合わせて作って食べて栄養摂って」元気になろう!

カバーの見返しに書いてあった、栄養改善のための8つのポイントを記載する。

1、良質のたんぱく質

2、良質の脂質

3、吸収のいいカルシウム

4、不足しがちなビタミンD

5、抗酸化物質

6、ビタミンやミネラル類

7、食物繊維

8、低塩

更年期なんて、ずっと前に過ぎ去ったと思っていたけれど、もしかしたら、まだ燻っていたのかも!

以上のキーワードをふまえた料理を作って食べて、ピカピカ・最強の身体になるわ!(笑)

それでは、また!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー旧記事更新163

『SunTAMA Style』2020年10月11日記事

『SunTAMA Style』2021年10月11日記事

『SunTAMA Style』2022年10月11日記事

『SunTAMA Style』2023年10月11日記事

『シン・ファイアー』稲垣えみ子・大原扁理/著(百万年書房)【選書・文化/旧記事更新162】

【ブログ新規追加1255回】

シン・ファイヤー』稲垣えみ子・大原扁理/著(百万年書房)

簡単レビュー

『家事か地獄か』(稲垣えみ子)✖️『年収90万円で東京ハッピーライフ』(大原扁理)の最強タッグに学ぶ、シンのFIREへの道。

稲垣えみ子さんの対談集が今熱い。

今回は「シン・ファイヤー」というタイトルで最近目にする「FIRE」という投資で金を増やして若くしてリタイアしようというテーマでの対談。

350ページ丸々対談!というぶ厚さに圧倒されるが、NET界隈でいうFIREとは全然違う発想である。

 お金や服、家具、家などにこだわらず最小限の生活で満足して「人に親切にしよう。それがより良い世界を作っていく。」という結論になったのが非常に面白い。そして限りなく0円の世界の実現だ(笑)

 年齢も社会経験も全然違う二人が段々と意気投合していく様子も伝わってくる、本年最強の対談集。

※お二人の近書も紹介。

家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択』稲垣えみ子・著(マガジンハウス)

簡単レビュー

自分の面倒を自分でみる
これがほんとうの
お金に頼らない生き方

今の私の目標は、最後まで幸せに生きること、
すなわち死ぬまで家事をやり続ける、自分で自分の面倒をみて生きていくことだ。
そのためには身の丈にあった暮らしをすればいい。
歳をとり体が動かなくなったら、食べるものも、着る物も、住まいも、持ち物も、どんどん小さくしていくだけ。
そう考えたら安心だ。
だって増やすことは難しくとも、減らすことなら誰だって実現可能だから。

デフレ・インフレ・不況災害・老後もなんのその
一人一家事の提案。それで全員が確実に救われる!
人生100年時代のまさかの出口戦略

目次

はじめに 家事なんてなくなればいい?

1 私が手にしたラク家事生活
   私のラク家事メモ①手ぬぐい一本あれば

2 あなたの家事がラクにならない本当の理由
   ・その1 「便利」をやめる
   私のラク家事メモ②「洗わない」という究極の選択
   ・その2 人生の可能性を広げない
   私のラク家事メモ③いきなり一汁一菜はムリな方へのアドバイス
   ・その3 家事の分担をやめましょう
   私のラク家事メモ④ゼロから料理を始めるあなたへのアドバイス

3 家事こそは最大の投資である理由
   私のラク家事メモ⑤生ゴミ堆肥で「一石五鳥」を体感する

4 老後と家事の深い関係

5 老後を救う「ラク家事」
   私のラク家事メモ⑥私の「お手伝いさん」たち

6 モノの整理が天王山

7 実録・人はどこまでモノを減らせるか
   その1 怒涛のイメージ作り編
   私のラク家事メモ⑦マジで錆びついていた五感

8 実録・人はどこまでものを減らせるか
   その2 怒涛の実践編
   ・洗面所まわり編
   ・洋服編
   ・台所編
   私のラク家事メモ⑧結局最後は宅配弁当?

9 死ぬまで家事

おわりに 総理、家事してますか?(ラク家事えみ子、政治経済を語る)

年収90万円で東京ハッピーライフ』大原扁理・著(太田出版)

簡単レビュー

年収90万円で、誰よりもハッピーに暮らす方法(しかも東京で)。



堀江貴文氏、共感の言葉。

親も先生も信用してはいけない。

就職しなくても生きていける。

終身雇用なんて期待するな。

世間の常識は疑ってかかれ。

同調圧力や空気に負けるな。

人生は一度きり。他人に自分の運命を左右されるのは御免だ。

など、僕と考え方はほとんど同じだ。

「働かざるもの食うべからず」なんて、古い。堀江貴文からのメッセージ。



【目次】

はじめに

第一章 ハッピーライフの基本とは

わたしの暮らし

実感を大切にすること

第二章 フツーって、何?

進学とか就職って、しないと生きていけないんでしょうか?

将来やりたいこと、マジないんですけど

友達って必要?

他人と比べられてツライとき

いじめられて死にたいとき

自分の見た目が好きになれない

LGBTのこと

意味不明なルール

人間はみな平等のはずですよね?

隠居はベストな生き方でしょうか

個性って、何?

第三章 衣食住を実感するくらし

1 「食」で、ひとはつくられる

何を食べればいいのか

粗食をしたらこう変わりました

MY粗食マニュアル

1週間の献立

自分に合う食生活を見つける

キッチンと、その周辺

食材をどこで買うか問題

紅茶とスコーン

野草狩りもまた楽し

2 「衣」を、生活から考える

服装がしっくりくるのは20代から

隠居のワードローブ大公開

3 「住」は、恋人のようなもの

今のアパートにたどり着くまで

部屋の選び方、付き合い方

第四章 毎日のハッピー思考術

心と体のチューニング

お金とうまくやっていくために

働く、ということ

貯金について

低所得者にとっての税

夢や目標はないとダメなのか

平和=退屈ではない

将来について

生きること、死ぬこと

おわりに

               ★★★

7月1日、大型書店に堂々の大大平積みで積まれた『シン・ファイヤー』白本=ビジネス本だ。

わたしは、軽~く「どうせ、FIRE系の・・・って、今さらファイヤーって・・・」とかかなり後ろ向きに捉えてしまったんだけれど、この対談、結構面白い。

ここで、「FIRE」についての関連記事も記載しておく。

https://mynavi-ms.jp/magazine/detail/001188.html?gad_source=1&gclid 「FIREとは?知っておくべきリスクとメリット・デメリットを紹介」

と、いうわけで、ライフプランとか人生設計に興味がある方は、ぜひ手に取ってみて。

こんな考え方があったのか!?な~んて、目からウロコがぽろぽろ落ちるかも。

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新162

『山女日記』湊 かなえ・著(幻冬舎)【選書・文化/旧記事更新161】

【ブログ新規追加1254回】

山女日記』湊かなえ・著(幻冬舎)

簡単レビュー

このまま結婚していいのだろうかーー

その答えを出すため、「妙高山」で初めての登山をする百貨店勤めの律子。一緒に登る同僚の由美は仲人である部長と不倫中だ。

由美の言動が何もかも気に入らない律子は、つい彼女に厳しく当たってしまう。

医者の妻である姉から「利尻山」に誘われた希美。

翻訳家の仕事がうまくいかず、親の脛をかじる希美は、雨の登山中、ずっと姉から見下されているという思いが拭えない。

「トンガリロ」トレッキングツアーに参加した帽子デザイナーの柚月。

前にきたときは、吉田くんとの自由旅行だった。彼と結婚するつもりだったのに、どうして、今、私は一人なんだろうか……。

真面目に、正直に、懸命に生きてきた。私の人生はこんなはずではなかったのに……。と、3人の女性たちのため息がもれる。

誰にも言えない「思い」を抱え、一歩一歩、山を登る女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。

女性の心理を丁寧に描き込み、共感と感動を呼ぶ連作長篇。

               ★★★

仕事に忙殺される10月.

本当に久しぶりに時間をこじ開けて「小説」を読んだ。

色々詰まってしまい、あんなに楽しみにしていた紅葉ハイキングも間に合いそうもないし(泣)

最高に天気のよい季節の山旅。それでも安全を期して、いつでもお天気のジャストタイミングを計ってきた。そして、体調も整えてと。

それ以外に山行に求めるものはない。

ま、わたしとしては「山女日記」の女性たちのように、自分の人生をかけた山行ではない。あくまでもレジャーのひとつだ。

純粋に新緑や紅葉を楽しみたい。現地の美味しい食事や温泉を堪能したいし絶景を撮影したいぐらいかな。

『山女日記』では、それぞれの悩み・課題にどう向き合うか?の答えを求めて山登りに勤しむ女性像があり、それはそれで、印象的でもあった。

例えば、アウトドアセールで素敵な登山靴に出会い、山など行った経験もないのに登山靴を買ってしまう話とか。

それが機縁となって、悶々としていた問題にどう向き合おうか?考えるために山に行くようになっていく・・・。

しかし、小説とはいえ、複数の女性・要するに他人の人生模様を読むのがしんどくなってきた。(ちょっとだけ面倒くさくも・笑)

たんに楽しみたいだけのレジャー山行で充分だわ。

著者の湊かなえさんは、作品を一つ仕上げる度にソロで山行に出ていたそうだから、「自分の生きざま=山」になったのだと確信した。

女の人生も山あり谷ありだもんね。山と女性の人生を掛け合わせた名作かも(笑)

というわけで、久々の小説にちょっと疲れてしまったことを書いてみた。

本作品はとっても読みやすく、わかりやすい表現で描かれていて、「そうそう!」とか共感を生む素晴らしさよ!

秋の夜長にピッタリな一冊。

それでは、また!

---------------------------------------------旧記事更新61

『SunTAMA Style』2020年10月7日記事

『SunTAMA Style』2021年10月7日記事

『SunTAMA Style』2022年10月7日記事

『Life Tour 21st』2015年10月7日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1068136176.htmlSNSサスペンスを考える

『みいこStyle』2019年10月7日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/21398733.html 「言葉を使って人の心を動かすスキルとは?」