【ブログ更新152回】
トヨタ式カイゼンをご存知だろうか?一時期TVCMで社長自らがスポーツカーに乗り、わが社のカイゼンを俳優・香川照之氏にとうとうと、ポジショントークしてる姿が印象的だった。
ずっと気になっていた。2012年当時の「トヨタのカイゼン」とは?今、改めて、あらまし書いてみた。
トヨタ自動車のカイゼンは、生産現場の無駄な作業や動作などを省く方法を分析して実行、仕事を効率化して過剰な在庫を抱えないようにする活動である。
そしてその目的は、製品をより早く納品するため、最も短い時間で効率的に造ることに注力している。
今やカイゼン活動は、製造業だけでなく、さまざまな企業や自治体へと普及しています。
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たんに仕組みを変えるだけじゃなさそうだ。とはいえ大企業がTQC運動を促進するのは福利厚生の一環ぐらいだと高を括っていた。
今回、カイゼンの真相を伝える良質な「小説」が見つかったので、それを紹介する。
「世界中で採用されてるのに日本人だけが使っていない日本流の働き方」原マサヒコ(トヨタ技能オリンピック最年少優勝)・著(扶桑社)
【あらすじ】
ダメダメ営業マン、中村一歩はある日、出会ったのは「カイゼン」の威厳を名乗る老人。
その老人から「正しい働き方」を伝授されるのだ。その後、一歩は確実にダメダメ社員のスパイラルから抜け出し、ついには、誰もが想像しえなかった快挙を達成する。
一歩の売る商品は車ではなくタブレット端末だ。
トヨタ技能オリンピックで最年少優勝を果たした著者が、すべての働く人に向けて書き下ろした「トヨタ式カイゼン」の成長ストーリー。
日本の製造業が現場で培ってきた「底力」に胸が熱くなる。
言い古された言葉だが、カイゼンはトヨタの「お家芸」そのものだ。
【もくじ】
プロローグ
第一章 いつも机が汚い人の仕事は絶対にはかどらない(5S/ 整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
第二章 つたなくとも早い仕事が人の心を動かす(巧遅より拙速)
第三章 「プロフェッショナル」が仕事を滞らせる(多能工)
第四章 仕事は「言われた通り」やってはいけない(動くのではない、働くのだ)
第五章 真の解決とは問題の本質を突き止めること(なぜを5回 / モグラ叩きをしてはいけない)
第六章 「パっと見」で分からなければ意味がない (視える化)
第七章 目標は非常識なほど劇的な結果を生み出す(非常識な目標を設定する)
エピローグ
中村一歩のカイゼンまとめ
『新トヨタ式「改善」の教科書―世界No.1に導いたものづくりの原点』
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以上だ。どの章も非常に面白く読み応え抜群!著者の原氏はトヨタの技術者だが、すごい文才の持ち主。エンタメ要素満載の作品。
のめり込むほどに、早朝、仕事の前に3日間で読破した。
ダメ社員と老人の「出会い」とかって、ちょっとありがちなシチュエーション。
しかし、この主人公のダメっぷりが最高だし、今期の営業チームもつわものばかり。
チームが失敗すれば一歩の進退も良くて出向、最悪は退職だ。
そのダメダメ営業マンが、どんどん見違えるように見た目も仕事の仕方も急速に変わっていく。素敵な恋のお話もあり・♡
カイゼン、お見事だ!
男性版「プリティウーマン」のよう(笑)
さて、せっかくだから、わたしもカイゼンを取り入れてみた。
※ やる気を持続し、継続するための簡単術→メモに「まず動く!」と書いてPCに貼り付けた。もうひとつ「すぐ書く」もね(笑)TOP写真の感じ。
普段から、熱量が高いわたしでも、いざ、営業に出る時に「絶対会いたくない」客先も実はいくつかある。
そういったイヤイヤな仕事に出る前はどんよりしていたのだが、たんに「まず、動く!」と書いてあるメモが目に入ると、スイッチが入り、気分や感情に支配されなくなった。
すごいメモ効果だ。
で、どんどんアポを取り、アイデアも沸き、仕事が乗ってきた今日は大型受注を頂いた。
このトヨタ式カイゼンではビジネスマナーや、健康、など仕事の周辺の知恵が豊富に詰まっている。
「カイゼン」が古いと思う人は、どの辺が古いと感じたのかを深く掘り下げてみるといい。これだけの改善をどこの大企業が行っているであろうか。
掃除、整理整頓、しつけなど、まったく、子どもに教えるようなことばかりじゃん!とか思う暇は、この本を読む限りではまったくないだろう。
わたしが感動したのは、「たった10人の社員が始めた月曜日の朝掃除を、現在社員3000名以上の大所帯になっても続けている」ある大手通信会社の話。
その大手通信会社は「楽天」だ。
世界のトヨタといっても、他社の素晴らしい行いをカイゼンにすんなりと、取り入れている。
いいものはいい。
自分をより成長させるカイゼンを、あなたもどうぞ。