★2024年11月29日更新 一茶入魂 / 寒い朝のために用意するお茶は~暖房器具を出したら用意するミルクティ・香港式ミルクティのレシピあり【暮らし・冬の飲み物】

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● 香港式ミルクティが好きな理由

冬が来る前に、暖房器具と冬用の飲み物を用意する。我が家の冬用とは香港式ミルクティ。

毎年、茶葉を選ぶところから始めて、練乳(エバミルク)を使うので、カップも少し、ぽってりとした可愛い器を用意する。

ミルクティには、イギリス風、インドのチャイ、香港式と大きく3つ挙げられるが、わたしが愛してやまないのは「香港式」だ。

これを飲みたくて、一昨年、真夏の香港に久しぶりに訪れた。それも弾丸で一泊(笑)

以前の香港旅のブログはこちら→「グラマラス香港」リンク先→http://lifetour.blog.jp/archives/1067491444.html

以前と違ったのは、ぽってりとした香港特有のティーカップで飲めるミルクティは、年々姿を消し、ファーストフード店、ショッピングモールのフードコートなどで紙コップでサーブされるのが、通常になっていた。

約20年前は、町の片隅の喫茶店で一杯200円程度で飲めていたお茶。可愛いぽってしたりカップで出されるミルクティ。合わせるのは焼き立てフレンチトーストやエッグタルト。

香港ペニンシュラホテルでは、夏場、ガラスの素敵なカップ&ソーサ―でサーブされていた。

紙のカップでも、あの練乳(エバミルク)のぷ~んとした甘い香りと、薫り高い茶葉の飲み心地は変わらないけど、お茶を頂く楽しみはやっぱり「器」にあるのだ。

今、コロナと中国社会情勢の厳しい中、香港には出向けないが、規制緩和されたら、あの可愛いぽってり系のティーカップを探しに香港に行きたいと願っている。

● 香港式ミルクティ~レシピ

【材料】1人分

  • 濃い目の紅茶 1杯
  • 練乳(エバミルク) 大さじ1~2
  • 砂糖 やや多め(お好みで)

【作り方】

鍋で濃い目に煮出した紅茶に、砂糖と練乳(エバミルク)を入れてよくかき混ぜれば出来上がり。

※ わたしはアッサムという茶葉を多めに煮だして使っている。ミルクに良く合う茶葉だと香港のお茶専門店で聞いてから、アッサム一択だ。どっしりとした深み、独特の甘みがある茶葉。

※ 砂糖の量もお好みで。練乳(エバミルク)を使うので、我が家では砂糖なしで飲む場合が多い。

写真;スターフェリー乗り場(尖沙咀埠頭).付近で売っていたエッグタルト。ふんわりした甘い卵がめっちゃ美味しい!(1個70円)

現地香港では砂糖多めのまったりとしたミルクティを頂く。歩き疲れた時、エアコンで体が冷えた時などはこの甘さが病みつきになる。

飛行機に乗る前にもcafeで飲んで、体の冷え対策と病みつき最後の一杯を堪能した思い出。

● 茶葉のいろいろ

秋から冬の空気が漂い始めると、お茶が美味しく感じられる。

普段は断然コーヒー派なのだが、香り高いセイロン・ティーなどをたっぷりのミルクで満たして飲む幸せ感には言い尽くせないものがある。

冬のはじまりに飲みたい紅茶の種類は「ウバ」である。

世界三大銘茶のひとつである「ウバ」は、8月の終わり頃ベストなものが収穫され、9月〜10月に新茶として出回る。

「ウバ」は、セイロンの中でも絶対的な個性のあるお茶で、独特の香りと渋みが好きな人にはとても合うと思う。

好き嫌いがはっきりするお茶かも。

季節に応じてこだわりのお茶を一茶入魂してみると面白い。

お菓子などのマリアージュも、自分ならではのチョイスで選んで見るときっと楽しいだろう。

あと、おまけに「ハーブ・ティー」のことも少し。


ハーブはもともと「緑の草」を意味するラテン語の「ヘルバ」が語源と言われている。

古代エジプトなどでも薬用に利用されたことが知られている。現在の科学的に合成された薬ができる前は、中国の漢方などと同様、医療にも活用されてきた。

ハーブが注目を集め始めた理由の1つは、ほぼノンカフェイであるということ。

カフェインの多いコーヒーなど、寝る前に摂ることを懸念されていた人たちがハーブティーを飲み始めたことから広まったらしいのだ。

ハーブティーには多くの種類があるが、大きく「リフレッシュ系」と「リラックス系」に分けられる。

気分転換したい時や仕事や勉強に集中力を高めたい時は、ペパーミントやレモングラスなどリフレッシュ系のハーブを。

気分を和らげ、ゆっくりと休みたい時はリラックス系のカモミールやラベンダーがおすすめだ。

WOMAN EXPO TOKYO 2020 Winter   輝く女性のための総合イベント【仕事・オンラインイベント】

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WOMAN EXPO TOKYO 2020 Winter 
    〜輝く女性のための総合イベント〜

今日は、一日、オンラインイベントに参加する。2016年、第二次安倍政権の柱であった、女性活躍推進法の施行によって、始まった日経新聞社主催のイベントだ。

いつもなら、東京ミッドタウンで2日間開催、のべ10万人が参加する大型セミナー&イベント。

各界の著名人、芸能人、メディアなどから、セミナーは連日30コマ開催される。約60企業からの出典ブースでは様々な志向を凝らした新製品のお試し、山になるほど頂く試供品の数々。ランチミーティングでは、女性の働き方の総括を日経ウーマン編集部から編集長のホットな話題を聴きながら、その時々の流行りのランチが配られた。

これが、事前登録ですべて無料。おみやげいっぱいで、リージェントホテルからのプレゼントもある。

夜はその年の一押しワインの表彰や、トップ経営者の受賞式などがある。誰かと一緒でなくても、働く女性であれば充分過ぎるほど、刺激を受け続けられる2日間。以前の参加記事をここにあげておこう。

● 2019/12/07 芥川賞作家の話を聞きに行く~リンク先;http://miikostyle.blog.jp/archives/22353853.html

● 2019/12/07 グレイヘアは革命を起こす~近藤サトさん/リンク先→http://miikostyle.blog.jp/archives/22403227.html

WOMAN EXPO TOKYO 2020 Winter

本日のプログラム

【A01】10:00~11:00 子どもの目の健康のために親が知っておきたいこと <第1部>子どもの近視の現状と視力を守るために考えたいこと <第2部>MEGUMIさんも登場!トークショー

【B01】10:20~11:00 東洋医学のチカラで不調を和らげる!おうちで体験!「からだ巡りヨガ」 高村マサ さん (鍼灸師/ヨガ指導者)

【B02】11:15~12:15 <日経WomanキャリアPresents>プレミアムセミナー「withコロナ時代、私たちのこれからの働き方」

【A02】11:20~12:00 おいしく!キレイに!健康に! 知って得する昆布パワー

【A03】12:20~13:00 今アメリカで話題のスーパー穀物ソルガムきびで腸活美人に腸を整えてキレイと健康を手に入れよう! <第1部>ソルガムきびに含まれる難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)<仮> <第2部>エリカ・アンギャルさんのHappy Sorghum Life ~ソルガムきびでヘルシー&ビューティ <第3部>アメリカ産「ソルガムきび」トークセッション

【B03】12:30~13:00 自分の価値は自分で決める! 三浦 瑠麗 さん(国際政治学者/シンクタンク山猫総合研究所代表)

【A04】13:20~14:00 ターニングポイントと生き方の再定義~自分のなかに軸を持つ~ 大橋マキ さん(はっぷ代表/アロマセラピスト)

【A05】14:10~14:50 <ロキソニンS Presents>すぐ実践できる頭痛対策!自分を整えパフォーマンスをアップさせるカラダケア

【B05】14:15~14:55 コロナ時代の「キャリアと人生」への向き合い方 小巻亜矢 さん(サンリオエンターテイメント 社長/サンリオピューロランド 館長)

【A06】15:00~15:40 在宅ワークと、これからのおうち時間 河崎由美子 さん(積水ハウス 住生活研究所長)

【A07】15:50~16:30 肌にいい温泉水って? 南フランス生まれの自然派スキンケアでこの冬は肌の土台から健やかに! 峯田恵里子 さん(ピエール ファーブル ジャポン 研修部 ゼネラルマネジャー)

【B07】16:00~16:40 20代起業家の本音 ハヤカワ五味 さん(ウツワ/KOHKOH社長)、秋元里奈 さん(ビビッドガーデン社長)

【B08】17:00~17:40 紫乃ママの昼スナック@オンライン 「40代からの仕事人生 やりたくないことをやめる勇気、授けます!」 木下紫乃 さん(「スナックひきだし」ママ&ヒキダシCEO/CHO)

この中から6つ事前申し込みをしている。一日セミナー三昧する予定。

女性の生き方、働き方、母親としての在り方、子どもの育て方、生涯学習の取り組み、いつまでもきれいでいるための努力のしかた、歯や目、髪、肌の健康を守るビューティー関連など、学びがいっぱいだ。

今日、飛込みでの配信も可能で12月6日までは、オンデマンドで配信続行される。

興味のある方はぜひ!

日経ウーマン公式サイト→https://www.woman-expo.com/tokyo-winter/session/?m=1

ノスタルジーにお金を払いますか?~断捨離・年末恒例の片づけは早めがいい理由 【暮らし・古いモノの処分】

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● なぜ、年末の片づけは早めがいいのか?


年末早めの片づけは何がそんなにいいのか?

それは、片づけや掃除って思いのほか時間がかかるもの。年末は不用品の処分にも、焼却場が長蛇の列になってしまうことや、日常のゴミ収集も大量に出されていつもより出しづらい。

ゆえに、世間の常識的習慣をちょっとずらすのがいいのだ。

師走の声を聞くすこし前から、計画的に片づけてしまうほうが、より年末の時間をゆったりと楽しめる。わたしは、一年を振り返る年末の時間をことのほか大切にしている。

さて、タイトルのノスタルジーの話をまとめてみた。

● ノスタルジーとは

ノスタルジーとは・・・「時間や時代を懐かしむ気持ち」を意味する仏語。

ノスタルジーは「過ぎ去った時間・時代を懐かしむ気持ち」「故郷を懐かしく思う気持ち」という意味である。

フランス語の「nostalgie」がカタカナ語として定着した。(引用先リンク→https://biz.trans-suite.jp/34598)

わたしが思うノスタルジーは、家の片づけに尽きる。

5年前に亡くなった母の遺品の整理に、思いがけず時間がかかってしまった。

それは、昔を懐かしむ気持ちが「自然と片づけという作業を遅らせていた」のだと感じている。

亡くなった当時の様子をちょっとエッセイにしてみた。

                ★

片づけはノスタルジーとの決別

葬儀を終えた翌日から、3日ほどかかって母の家の片付けを私達夫婦と弟夫婦でやった。

遺品といっても、母の残した物はタンスなど大物以外比較的新しいものが多く、介護期間も短かったので一般的な介護用品や昔の持ち物などはほとんどない。

なんだけれども、家族のアルバムや賞状、記念の品などノスタルジーたっぷりの物達の多さに、皆ふ〜っとため息が出た。

後から後から出てくる物の多さは本当に恐ろしくなるほどの状況。

やっと押入れの1つが片付いたとおもったらその上の天袋から出てくる懐かしのアルバムや引き出物の山々・・・もう恐怖映画を見ているような気分(笑)

でも、久しぶりに昔の写真を見ながら大笑いしたりで、それはそれで懐かしくもあり弟との大切な思い出ともなった。

しかし、そんなノスタルジーの蜜月は2日で終了。

弟「ねえちゃん、もうよそう・・・」と言われて、ハッと!我に返った。

山のような片付けも、最後に家具などの大物を引取業者にまかせ、「一人の人生の片付け」という大仕事が終わった。

                  ★

人生をいくら、振り返っても、生きている以上前へ、前へと、進まなければならない。片づけはしんみりした気持ちや己の執着を断ち切る、大切な戦いなのだ。

多摩御陵のイチョウ

母の残したアルバムをどうしようか?と考えた時、とっさに「断・舎・離」の定義を思い出した。

「断舎離とは、必要ないけれど捨てるのは後ろめたいという、執着の心を断って物を捨てる技術」というインド思想。

要するに「思い切る」ために行う作業。

そうだ、もうこれから使わないただ取っておくためだけのものは、身内で見て思い出に昇華したので一部の形見を除き思い切りよく捨てることにした。

無駄なコストを省くことは大いなるエコである。

エコ社会への貢献を考えると「断・舎・離」の思想は物を増やし過ぎる社会への批判とも取れる。

ただの経済効果優先主義でなく、ノスタルジーとの決別とも取れよう。

しかしノスタルジーを求め、古いものやそういった物にお金を出す人も最近は多い。

ただ使わないものや古くて忘れられた物を安易に廃棄処分する事には、いつかは社会的にも批判の反動が起こってきそうな予感がする。

ちょっと大げさだけれど「ミニマリスト」の行く末はどうなるんだろう?なんて余計なお世話を考えてしまう。

物を捨てて確保した空間が一番贅沢だと、ミニマリストの間では盛んに言われている。

実際私も、ものすごい捨て魔の自称シンプリニストだ。

そんな自分でも思い入れのある物たちへの扱いには慎重にならざるをえないところがある。

「断・舎・離」提唱者のやましたひでこ氏にも、きっと思想化された「片付け」に対する批判が相当あったように感じる。

それをご自身のパワーに変えて講演や執筆をされてきたのではないか?と思うのである。

現代の過剰評価社会の中で頑張っているんだなあ、と感慨深く思った。「否定もパワーに変える」と。恐るべし。

年末にはすっきりと身の回りを片付けて、「変わりたい」じゃなくて、「変われる」人になる!と意気込んでいる(笑)

今までよりちょっとキレイに~晩秋の三連休/83時間で何をする?わたしがやっていること 【暮らし・お掃除編】

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いよいよ待ちに待った晩秋の三連休。

週末パラドックスの考え方に当てはめると、なんとこの週末の持ち時間は83時間!

本当にやりたいことは優先でなくちゃと、ついつい鼻息も荒くなってしまうもの。焦りまで感じるもん。

秋終盤で、時節も最高じゃない。

しかし、東京の新型コロナ感染者数は今週、とうとう500人越え!電車営業もなんとなく怖い。

出歩かなくてはいけない場合には、徹底した除菌とマスクの装備もしっかりとやっている。

さて、わたしは、家で過ごす三連休にやりたいことのリストアップをした。

 ① 家中の掃除、洗濯、お手入れ、修理など。
 ② 健やかな心身のためにすること。(美容/オンラインでエンタメを楽しむ/電子書籍をいっぱい読む)
 ③ 植物の植え替え、冬野菜を準備。

と、こんなところかしら。

とりあえず今朝は、めったにできない場所の、お風呂の天井や換気扇、エアコンなどの簡単掃除をした。

以前は無理に常識通り寒い年末に大掃除してきたが、今までそれで何度も風邪を引いてきた。

だから視点を変え、気候の良い時期にやることにして、この数年は体調に合わせ、適切にシフトしている。

壊れた物の修理や、要らなくなったものを捨てる準備もしたし、暖房機具もそろそろ出さなくちゃ。

掃除やモノの修理は、いざ始めてみても、準備不足で時間の無駄が多くなることもあり。

効率が落ちるとやる気を損なうから、時間がたっぷりある三連休に焦点を合わせて、やることの準備を周到にする。

さて、今年の新型コロナ感染予防対策で仕事の一割程度がオンラインに代わった。これは、わたしにとっては、家にいる時間の増加に繋がった。

オンライン会議のある日は、家の掃除を徹底してやろうと決めた。それは不思議なほど、集中できていいものだ。

掃除→会議→PCでの事務処理→すべて終わったら、ビールを開けて寛ぐ。

通勤がなくなった日は仕事をしているにも関わらず、抜群の解放感がある。布団を干すなんて家事も本当に増えたこのごろ。

外で働く日が多い分、在宅勤務の有難さを身に染みて感じている。

で、週末には、気に入っている市場やスーパーを朝からはしごして、新鮮な食材やお酒を買い込む。

これが楽しくてね。だいたい一週間分買い込み、いいストレス解消になっている。

三連休のハイライトは、明日、イチョウの紅葉を見に行く。わたしの住む街では今月、イチョウ祭り。銀杏を拾いながらスタンプラリーするのが楽しいんだけど。

今年は、車窓でイチョウ並木を眺めて見納めする予定。すべてサッ!っと行ってくるのがポイント。

5年前に亡くなったわたしの母の話をすこし。

母は、夫が40代で亡くなって、約30年間一人暮らしだった。

小さい畑で野菜を作り、花を庭中に植えて、近所の友達にも恵まれて、楽しみ切って79歳でスッと、消え入るように亡くなっていった。

思い出すのは、後半生、自分のためだけに生きるという最週末を、生活の工夫をしながら、きままな自由時間を、それは大切に過ごしていたな~と思う。

わたしも母のように、時間を大事に慈しみながら、まとまった休みには人やモノとの心地よい距離感、これまで気付かなかった価値観に出会いたいと願っている。

そして、夫婦二人になった小さい暮らしを楽しみ切って行きたい。

 

 最近は週休3日制を採用する企業が増えている。せっかくの休みだから、力を抜いて必ずしも完璧を目指さない、楽しむためのお家仕事にしたいよね。

だから、今よりすこしだけキレイにすることでOK。

お家も自分もね(笑)

 

★2024年11月20日更新 無駄とだと言われてもやり通す~そこに無限の泉があるから【暮らし・文化雑感】

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すごい朝焼けの今朝6時、これまた素晴らしい記事の紹介をする。

90歳で博士号、尽きぬ探究心 神大大学院で横浜の建築士;神奈川大学/カナコロニュースより。

【記事概要】

● 仕事と両立 がん闘病も経て

兼子学長(右)から学位記を手渡される白井さん=神奈川大学

 横浜市神奈川区に住む白井正子さん(90)が9月末、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科で博士の学位を取得した。

一級建築士として長年、設計の仕事を手掛ける中で、重要文化財の背景にある人々の営みや歴史に興味を抱き、73歳で同大学院に入学。病気やコロナ禍などを乗り越え、350ページに及ぶ博士論文を書き上げた。

「学びたい気持ちは尽きない」。卒寿を迎えてなお探究心を失わないその胸の奥には、「論文を本にしたい」という新たな目標が掲げられている。(カナコロニュースからの抜粋)

                  ★

なんと、御年齢90歳の女性が建築の世界で博士号取得と。

この人の前では、年齢も病気も苦難も「よし!きたきた!全部力にするぞ!」みたいなものじゃないか?と感じた。

本当にすごいし、素晴らしいお手本を見つけた気持ち。

記事を読み込む中で、ふっと、湧き出てきたことがあった。それは、「この人の強さってなんだろう?」って。

文中には、「やりたいことをやろう!」と決意してはじめた歴史的建造物の研究。

たしかに一級建築士の資格を持つそれ自体が大変な勉強を重ねられたのだろうが、建築事務所を持ち、強面の男性をまとめながらの現場監督・・・筆舌を尽くせぬ日々だったであろう。

その中で、彼女を支えた一点は、「国内の歴史ある建物の研究」だった。そのひとつがあったから、これまで頑張ってこれたのだと。

すきなこと、本当にやりたいことを見つけて、そこに邁進するまでにどれだけの時間を費やしたんだろう?無駄や無理もたくさん重ねてきたんだろうな。

彼女の中では、きっと人生ってこんな感じなのではないか?と思い描いてみた。

● 無駄なことの積み重ねが強さを作る

私が思うに人生には「無駄なことに全力を使う」これこそが大事で、底力がつく根拠だと考える。

そんな無駄なことをやって何になる!?」と、他人の比類なき声はスル―して、無駄なことの積み重ねを続けるのだ。

例えば、わたしのブログとか(笑)稼ぐことに躍起になっていない、ごく自然体で毎日、楽しく雑感めいた文章を書き綴っている。

他人から見れば、「稼げないブログに価値はない!」と、見向きもしないだろうとよく思うけれど。

でも、続けていると、ある日ある時、突然の不測の事態に陥ってもカバーできる強靭さを自然に持つことができそうだと考えている。

わたしは、これまで効率の良さばかりを求めて色々なものを切り捨ててきた。だから、いざ必要なときにまた取り戻すところから始めなければならない。

それでは、かえって非効率だとやっと気がついた。

そもそも、無駄かどうかは人様に決めてもらうことじゃないし、知的好奇心を満たすことに関して無駄かどうかは己が判断する領域だ。

教養とは、すなわち、今すぐには役に立たない知識の泉

しかし、身につけておくと、いざ必要なときにすぐ取り出すことができ、役に立つことがある。

人生とは、少しの運とたゆまぬ努力で切り開いていくものなのだ。

たとえ、教養を身につける時間的余裕がなくても。世の中のスピードが速すぎてそれを待ってくれなくても、継続という努力をする。

こんなことを考えながら毎日、ブログを書き続けている。

無駄な教養の泉を持てば、表現したいことが列をなして現れる

つい最近、来年やりたいことが見つかった。今はそれの調査中。これも無駄かもしれない。

う~ん、楽しみ♪

ボジョレー解禁!美味しく飲むために~きのこ料理とチーズやスープをお供に/きのこスープレシピあり【暮らし・ボジョレーヌーヴォー2020】

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今朝、急いで買ってきた、ボジョレー・ヌーヴォー2020

コロナの影響だろう。店頭では例年より品数も種類も激減していた。

わたしは、大のワイン好きだが、実はボジョレーはちょっと苦手。

なぜなら熟成していない葡萄のジュースだから薄い。

フランス産ボルドーのどっしりとした深い赤、スペイン産の太陽を思わせる赤、若い頃を懐かしむイタリア産のミディアムなキャンティなど、それと、カリフォルニアワイン協会会員のわたしがもっともおススメする、ナパバレー産の赤。揚げれば好きな品種は切りがないほど。

赤一択だけどね(笑)

それでも、11月19日だけは、この新人に席を譲る。

でもね。一番お安いので充分(写真のヌーボーは税込み1000円)

今日は、オンライン会議が終わり次第、お祭り気分で頂く予定。あ~楽しみ♪

ポルチーニ茸のチーズ

● ボジョレー・ヌーヴォーとは~歴史と独自の製法

ボジョレー ヌーヴォーとは、フランス・ボジョレー地区でその年に収穫したぶどうを醸造した新酒ワインだ。

ボジョレーは、フランス・パリの東南に位置するブルゴーニュ地方の南部、美食の町リヨンからは北部に広がる地区。なだらかな丘陵地帯。

その名は、「美しい高台」を意味するボージュBeaujeuに由来している。

ぶどう畑は起伏に富んだ丘の東から南斜面に位置するため、標高が高い割に気候は温暖で日当たりもよく、上質なワインづくりに適している。

花崗岩質、石灰粘土層の土壌で、黒ぶどう「ガメ種」との相性が非常によい土地なのだ。

この地では白ワインやロゼワインもつくられているが、ほとんどがガメ種からつくられる赤ワインがかりだそう。

ボジョレー ヌーヴォーとしては白ワインは認められていない

またワインのつくりかたも他の地区のワインとは圧倒的な違いがある。

通常は、発酵の前にぶどうを破砕するのだが、ここでは収穫したぶどうの房を、そのままタンクにいれて発酵させる。

こうすることで、ぶどうの重さでぶどうが潰れ果汁が流れ出て自然に発酵が始まり、タンクの中に炭酸ガスが充満しはじめる。

そして、ぶどうの実の内部でさまざまな成分が生成され独特の風味が生まれるのだ。

収穫されたばかりのぶどうでできたボジョレーヌーヴォーは、渋みが少なく、フレッシュでフルーティな味わいになる。

一口飲めばきっと、寝かせたワインとはまた違った魅力に気付くはずだ。

● 赤ワインのためのきのこ料

料理小説からの抜粋。簡単で上品なきのこのクリームスープ。

きのこ類の軽いクリームスープ エリタージュ風

【つくり方】
 マッシュルームとセージをバターで炒め、ゆっくりと煮だして濾したものに、生クリームを加えて火にかけ塩で味つけをし、再び濾してスープを作る。

さらに別に炒めておいたジロル、しめじ、トリュフなどのきのこ類をパイで包み、オーブンで焼いた物を加える。

パイ皮を割るとプーンときのこの香りが口いっぱいに広がる

  料理小説「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」 村上龍・著(集英社)

自己投資にこだわる理由~一生、興味津々で楽しく生きたいから勉強する【暮らし・自己投資術】

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11月も中旬を過ぎると、書店店頭では年々早まっている来年用手帳&カレンダーなどの売り場は少しずつ縮小されていく。

空いたスペースはクリスマス&年末年始の書籍フェアに使うため。そういった書籍の中で目立つのは、やはりお金関係の本だ。

 どうやって仕事や人生で成功を収めて富豪になるか?と言う単純明快な内容のものから、本物の自己投資を実現する習慣、様々な投資法を説く書籍など。

お金のクセを見つけて、人と比べるのではなく自分のモノサシで幸福度を測るやり方など、それは、100人の著者がいれば皆それぞれ違う観点で執筆された書籍のオンパレードになっている。

思うに今の時代は、ネット社会であらゆる情報が多量(無数)に流れては消えていく状態。過日、流行った、24時間で消えるSNSとか。

流行った要因は、写真以外の文字投稿の場合「ストレス解消」の一言だ。おかしなことを書いてしまっても、消えるのだから大丈夫だという考え方。

わたしは、そこまでしてSNSを吐き出すツールだとは思っていないから、消えれば何でもありとか怖い発想だとしか思えない。

さて、自己投資の話に戻る。

● 本当の自己投資に結び付けることがらとは?

今、「これさえあれば一生安心だ!」というものがなくなりつつある。

つい数十年前までは、学歴や大企業というものが圧倒的な幅を利かせていた。

しかし、今は高学歴で無職やフリーター、大企業であっても倒産する時代・・・。

というわけで、もはや、お金は将来への自分への投資に使うのが一番なんじゃないか?と、考える。

ここで我が家の話をすこし。一人息子は、大学受験時に本人から「学費は全額奨学金で賄う」と決め入試にトライし自宅から通える大学へ入学した。

家計への負担軽減というだけではなく、早くから自立したくて仕方がなかったのだと。

本人の気持ちからそうした。現在は会社員として単身で暮らしている身。結婚などにはまだまだ、目もくれず仕事に邁進中だ。

そんなワケで教育費という枠がかなり軽減された我が家で、その当時、わたし達夫婦が何に自己投資したか?

2年間は、夫が東京都の援助を受けてとある大学院に通ったがこれは有難くも無償だった。

その後はお互いの仕事の負債を埋めるための資金に変わっていった。

いくつになっても、機会があれば学習機関へ戻り勉強をする。自己投資だと考えて時間とお金を費やすまさに先行投資を続ける。

そうすれば、次の視野が必ず開けるものだと考えている。

● 自己投資は見えない未来への道すじ

そうこうするうちに、3年目にわたしの大病をきっかけに、まずわたしのすべての収入がストップした。

夫もわたしの介護をするために会社を早期退職、慣れない自営に変わらざるをえなかった。

とにかく、持っている資産はすべて生きるための資金にあっという間に早変わりした。

この後からは、大変な状況にかまけて自己投資する余裕すら無くなっていったのである。

考えるに本気で将来の自分のためになり、後に回収できるような「自己投資」をする気があるかどうかが大事な観点だった。

意識的に収入の5%を自己投資に充てるなどの明確な割り当てを決めた上で、何をやるか?など自己分析をしっかりと詰めておくべきだった。

この先行きを見据える視点は本当に重要。

せっかくやったのに、投資じゃなく浪費になってしまい、道半ばで挫折してしまった・・・というふうにはなりたくないものだ。

自己投資には夢や希望がある。お金をかけてもいいし、かけなくてもいい。
人生は勇気さえあれば、本人次第で、いつでもどういう形でもまき直せる。

一生涯、勉強を積み重ねて、自分で自分にあっぱれ!と言ってやりたい(笑)

● 最後に

デザイナーの佐藤可士和氏の書籍を紹介する。

日々、様々な角度からデザインを考える。氏の博報堂入社時での会話から。

~博報堂に入社してすぐ、自分のデザインを営業に見せた。

可士和氏「かっこいいでしょう?」

博報堂営業部「どこが?」

可士和氏「なんでわかんないんだ?!」

ここで、デザイナーは「デザイン」だけでなく「言葉」を補うことが必要なんだと、その時はじめて理解した。~「1冊まるごと佐藤可士和」 Pen編集部 (阪急コミュニケーションズ) より

         

毎年の定番を用意するのはもうやめる~わたしのお気に入りを刷新する話   【暮らし・脱定番】

【ブログ新規追加182回】

11月に入って、もうスーパーで鏡餅を売っているのを見て、何だか早すぎる!と思った。

お歳暮やクリスマスケーキやおせちの案内がされているフロアで、ボジョレー・ヌーヴォーの予約もやっている。せっかくの季節の行事を1つ1つ楽しむことがしにくいなあ〜と。

ちょっとした風情とゆったりとした時間の感覚がほしいとつくづく感じる。

                  ★  

クリスマス前のシーズンには、秋の楽しみの1つとして「キャンドルを灯す」という習慣を今までしてきた。

前回の引っ越し時、新しいキャンドルを2つ購入した。

1つはベリーの香りがすてきなピンクのエッフェル塔型のキャンドル風ライト、これは12月に入ったら毎日夕方に灯して、癒やしの香りを楽しみながら家事をするために使いたい。

もうひとつは石鹸の香りがフレッシュなキャンドルだ。多分新年を迎える用意をしながら、今年をしんみりと振り返る時に灯そうかしら。

日々の暮らしの中にお気に入りの映画と灯火を添える光の演出で、何でもない空間が特別なものに見える。

刻々と変化するキャンドルの光を見ていると、心が平らかになったような気持ちが広がり、とても素敵な瞬間だ。

                 ★

と、書いていてふっと頭をよぎったのが、もうさ、「お気に入り」とかいうセンチな表現はやめようと。

なぜ、そんな風に思うのか、それはある年代以上になってくると、自分の体と心、特に気持ちを上げ調子にもっていき愉しむことが大事だけれど、意外なほど難儀だとも感じる。

要するに、これまで幾度か書いてきたが、小さな感激や感動を「豊富な経験」が邪魔をするのだ。つまらないとね。

休みの日に今の自分をもっと上げ調にするためのポイントをノートにメモしてみたら、その数なんと77もあった!

ちょっと、ここにリストアップしてみると。

”1日に1回、「単純記憶力」を鍛えよう”

“太陽の高さや風向きを気にしながら歩く”

“かつお節をなんにでもトッピングする”

・・・なんて生活全般やったほうが良いと思うことをたくさん書き出してみて、いままでは、どんどんやっていくよう仕込んできたのだ。

きっと、飽きずに毎年やっている自作のお気に入りの習慣は、もう飽きたんだろう。

簡単なやりやすいものごとだけをどんなにこなしても満足には至らない。

わざわざ忙しい11月にスタートするのが良い!と思う何かを探して行こう。

張りのある毎日を送るキーワードは「刷新」だ。

さあ、新しい観点の新しい習慣を見出す11月。

※ 最後に

暮らしの手帖・編集長 / 松浦 弥太郎氏のことばより

 文章を書くのにコツはあるかと訊かれたら、どう答えたらいいかと、ふと考えてみました。

素材を生かしたり方法を考えたりと、文章を書くことは料理をすることに実に似ています。

文章は面白くなければいけない。

料理はおいしくなければいけない。

やっぱり似ています。そして愛情も必要というところも。                             松浦 弥太郎氏 くらしの手帖より

立冬から生活美人を目指して~今年のやり残しをやりきろう!【暮らし・冬が来る前の雑感】

【ブログ新規追加179回】

11月7日は立冬。

この日を境に一気に冬へ気候が変わるのだそうだ。ココアが売れ始めるのもうなずける。

そこで、今年一年の目標ややり残した事柄の収束など、来年への希望と期待を込めて書いてみようと思う。

● 一年の終わりを11月にしている理由

わたしの生活全般の切り替え時期は11月。ここで、今年一年の総まとめを行う。

総まとめの内容。

①家計・・・仕事の収入や来年の展望などを思い描き、ざっくりと翌年一年でかかるお金を見通す。

②人脈・・・人の動きに応じて、住所や連絡先の書き直し、追加など。今ではあまり年賀状も書かなくなったから、気をつけておかないと消失しかねない記録などの更新。

③自己研鑽・・・読んだ本の記録はしてはいないが、来年一年間を費やして学ぶ内容の選定。ここが一番楽しいかも。

12月に入ると、師走のせいか、どこか気持ちが落ち着かない。だからこそ、秋と冬のスキマにこんな自分自身の生活一切を取りまとめておく期間が実に大事なのだ。

毎年の恒例にしているのも、わたしの性格というか習性からきている。

根っから落ち着きがなく、常に新しい事や面白そうな事、珍しい事などにアンテナを張って生きてきた。

取りまとめが大好きで、どんどんやって行くうちに、年末が前倒しになったってわけ。

しかし、悲しいかな、年齢を重ねるうちに、かなりの経験そのものが、自分を諭してしまう。

「もうね、無理はしないの」とか。

「誰とも張り合わないの」など。

50代特有の言い訳がつい、口からこぼれそうになる。

それでも、「えいや!」と、元気を出して、やることリストを作り、どんどん手をつけてやって行きたいのだ。

そうでないと、興味を引く事柄が少なくなり、人との出会いもマンネリしてくるかな~と、感じている。

要は、今までの自分から「脱皮」するための11月なのだ。

● 本物のニューノーマルを目指すのが来年の目標

コロナ禍の中、ニューノーマルを真剣に捉えて、思考も行動も真っ先に変化させよう。

きっともう、今までのやり方や生き方には戻れないし、戻らない。

戻るなんて、自分が飽きてしまって、つまらなく感じてしまうのがわかっているから。

素敵な事や美味しい物、美しい景色などは、ほんの少しあればいいんだ」と、いつも思う。

まだ見ぬ景色は、自分が奇跡を掴んだ時に見えるものだろう。

そして、奇跡はお金で買えない経験。

いっそ、脱皮するために、全部捨てるのはどうか??_などと考えてもみた。

いいや、捨てるのではなく、取捨選択を研ぎ澄ますのだ。

何でも前向きに「やる事」には大きな意味や希望があり、そこに向かって集中しなければ何事も成就しない。

反対に「捨てる事」にはそれ相応のリスクがあり傷を伴うけど、いつでも容易く捨て去るのが可能だ。

とすると、できる限り自分で選び取った生活や家族、仕事、友達を大切にして、時には支援を受けたりするのも許容せねば、「奇跡」など絶対に起きない。

こう一人納得している。そこで生活美人のポイントは、

今ある材料で組み合わせるのが正解~と、こんな風に考えをまとめた。

やっぱり未来が美しくなるヒントって、生活の現場にしかないのだろう。

わたしの住む街では、11月15日「コロナ終息を願う花火」が2回打ち上げられる。なんてベストなタイミング!

この日までにやり残しをやり切り、次の年への展望を描きながら夜空を見上げて、花火に酔いしれたいと願う。


11月から12月。卒業も入学もない平凡な日々に喝! を入れたいと思いちょっと語ってみた。

冬が来る前にね。

★2024年11月5日更新 オーケストラを5倍楽しむ方法~ニュースタイルの演奏会/鑑賞報告 【暮らし・音楽】

【ブログ新規追加177回】

11月3日、1年ぶりにコンサートホールでの演奏会を鑑賞した。

舞台の様子が今までとはまったくといっていいほど違う。それは、演奏者の譜面台数の多さだ。今まででは、たいがい二人で一本の譜面台を使う。

それには、理由があって、二人で片方の演奏者が譜面をめくる役目があるからだ。

しかし、今回は各自一本の譜面台を持ち、それぞれが約Ⅰm 離れての演奏。果たして音のまとまりはどうなるのだろう?

お互いの呼吸や間合いなど、距離についての試行錯誤が見て取れる配置だった。

結果オーライ。

楽団員がより互いを意識し、オーケストラという演奏形態を存分に楽しんでいたことが音からも、ステージからも溢れていた。

● 指揮者は時間を彫刻する ~指揮者;佐渡 裕氏「棒を振る人生」より

 クラシック音楽は芸術と呼ばれる。
確かに素晴らしい作品はあり、神々しい演奏はある。

しかし音楽だからといって、それがすなわち芸術だとは限らない。

例えばイチローがとても難しいボールを高度な技術で打ち返したとき、人はそれを「芸術的なバッティング」と呼ぶ。

普通の人間にはできない技をとても美しい流れで見せた瞬間、それは「芸術」と呼ばれる。

しかし、僕は自分を芸術家だと思ったことはない。

それは周りが与えてくれる称号のようなものであり、僕自身は自分のことを 「音楽を扱う職人」 だと思っている。

楽譜という設計図をもとに、なかなか思いどうりにはならないヴァイオリンやフルートの専門家たちを動かして、地道に音を組み立てていく。

その作業はむしろ現場監督の仕事に近い。
                       佐渡 裕

わたしは、もうずいぶんと長い間、楽器を演奏することから離れている。しかし、佐渡氏の「棒を振る人生」を再読して、考えが一変したのだ。

そうか。

芸術というよりは、職人なんだと。それなら、大曲が一曲きっちり弾けなくとも、誰に聞かせなくともいいのだと解釈した。

なまじ、プロで演奏してきた・・・という自負がかえって、音楽への高い壁となっていたんだと気づく。

これからは、興味のある作曲家の解析したい曲を分析していこう。これをライフワークにしたくなった。(実は得意分野)

分析をじっくりやって、作曲家の曲の構成や思いを知り、独断で演奏を続ける。

もはや自由研究の域だ。これで、演奏家の端くれの活動になるね。

とても嬉しい。

早速、曲の分析からはじめよう。わくわくの愉しみがひとつ増えた。

● オーケストラを5倍楽しむ方法

以前は週末電車に乗ると、楽器を抱えた人をよく目にしたものだ。

もしかしたらその多くは、アマチュア・オーケストラの団員だったのかもしれない。

現在、公共施設の充実に伴い日本には市民や学生のアマオケが多くできており、東京地域だけで約400団体、全国では1000団体を超えているそうだ。

昔はチケットを購入し、都内の有名ホールで聴く演奏会ばかりだったが、ここ10年ぐらいの間にアマチュア・オーケストラに所属する人が増えて、プロ顔負けの演奏会が多数、各地域のホールで開催されている。

しかも、そのほとんどが無料である。

私も今では、有料、無料にかかわらず、聞きたいものがあれば行ける範囲で行くようにしている。

プロとアマの違いは簡単に言うと、そのことで食べていけるかどうかだけである。

アマオケの団員募集を見ると楽器を習い初めて2〜3年、週末に練習参加できることなど、ハードルの比較的低い募集が多い。

このところ、演奏する機会も鑑賞する機会も格段に増え身近になった音楽を、生活の充実のために使わない手はないだろうと思うのである。

※ 昔、ブラスバンド部や軽音楽部などに所属していた人ならば、こういった楽団では常時、メンバーを募集している。

プロの指揮者、歌い手、弾き手と共に一曲を作り上げる醍醐味が得らえる。副産物としての友達や教養、音楽の知識など。

● オーケストラを5倍楽しむ~わたしの方法

ここで、私なりの「オケを5倍楽しむ方法」を書いてみよう。
1,ホールを楽しむ
  このところ建て替えなどで新しくなったホールや劇場に出かけることで
  非日常の雰囲気を味わう。
2,クラシック音楽の曲自体に焦点を当てる
  好きな曲の譜面にかかれた記号を、いかにオーケストラという集団で
  音にしているかという場面を堪能する。
3,楽器の美しさを楽しむ
  約、15種類の楽器を一同に目にすることができる。
4,ステージ衣装も必見
  ソロを務める女性のドレスやソワレなどを楽しむ。
5,指揮者の音楽性を読み取る
  音の組合せや仕上げ方の妙、指揮の個性、解釈や盛り上げ方を読む。

● 次にオーケストラの構成例を示しておく。


 弦楽器
   第一ヴァイオリン(8人)、第二ヴァイオリン(7人)、ヴィオラ(3人)、
   チェロ(5人)、コントラバス(3人)
 管楽器
   フルート(3人)、オーボエ(3人)、クラリネット(3人)、ファゴット(2人)、
   コントラファゴット(1人)、ホルン(4人)、トランペット(2人)、
   チューバ(1人)、  トロンボーン(4人)
 打楽器
   パーカッション(1人)
に全体のコントローラが加わる。
   コンサートマスター or ミストレス(1人)、+指揮者 合計52人
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ベートーベンの交響曲第9番(合唱)などだとさらに舞台に上がる人が増える。構成をこうして改めてみると、曲全体をまとめる指揮者の力は計り知れないものと感じる。

 ● 最後に

さすがにアマオケといっても、指揮者は全体の指導と仕上げを兼ねるため、指揮者がアマチュアである楽団はほぼない。

常任を雇っているところや契約で数名が代わるがわる演奏会を支えるという具合だ。普段はよく知られている交響楽団に所属しているプロが多く、演奏のクオリティはある程度保たれているようだ。

私はピアノ専門なのでオケに参加の経験がなく、大集団で演奏できるということに憧れをもっている。

邪道かもしれないが、この1〜2年くらい好きなチェロなどのレッスンに通い、音が整ってきたらどこか程よいアマオケに入団して、交響楽団の舞台に立ちたいなどと夢にみている。

コロナの影響で疲れていた心身を、各段にリフレッシュできる ”音楽に触れる時間” を確保してみてはいかが。