【ブログ新規追加1047回】
6月6日、ネット記事でもっとも読まれていた記事を紹介。
•「街の本屋さん」が全国で急速に姿を消している
1980年代には2万5000店を超えていたが、今や3分の1にまで減少し、最近20年間に限れば半減した。書店が1店もない市区町村は4分の1にも上る。ふと気がついたら近所の本屋さんが消えていたという経験がある人は少なくないのではないだろうか。
読書習慣の減退による本離れ、ネット書店の伸長、電子書籍の普及、過疎化・少子化の進行など、さまざまな要因が複合的に絡み合って書店を取り巻く環境が激変し、廃業に追い込まれるケースが続出している。
出版市場そのものはコロナ禍の巣ごもり特需や電子書籍の伸長もあっていくらか持ち直しているが、出版ビジネスを支えてきた「出版社→出版取次会社→書店」という流通ルートはやせ細るばかりだ。出版社と書店をつなぐ取次会社や、読者と直接つながる書店は、ますます存在感を失い、瀕死の危機に直面している。今や「絶滅危惧種」の感さえある。
「ネット社会における書店」の存在意義を見つめ直すことができないと、リアル書店は本当に消えてしまいかねない。
参考資料→https://president.jp/articles/-/70292?page=1(プレジデントオンラインより)
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書店減少のおもな原因をザっと上げて、このあと、業界・政府の取り組みなどが丁寧に記載されている記事だ。
ただ、とても気になるワードが見出しに!
「同じ状況が10年続けば、ほとんどの書店はなくなってしまう」というもの。
現在、わたしのような「書店営業マン」の仕事はどんどん減っている最中なんだ(泣)
今年は毎月のように、閉店が続いていて、生首を絞められているかのような苦しい状況ばかりだ。
そして、記事を読み進めていたら、Z世代の持つ「書籍感」がこう記されていた。
若年層が本を読まない理由について
「つらい」
「時間がもったいない」
「楽しくない」
「書き手を知らない」
「ネットの方が便利」
というキーワードの羅列・・・。
そうなんだ。
読書がもはや修行をする感覚にまで陥っているとは!
また、Z世代にとっての書店は、敷居の高い場所でもあるそうだ(驚き!)
すべてのZ世代がそうだとは思わないが、「本が好きではない人」が増えているのは間違いないようで、とっても悲しい。
わたしは街の本屋と図書館で様々な考え方や生き方を見つけながら、目いっぱい情報収集しながら育った。
街の本屋と図書館はなくてはならない場所だったし、常に新しい情報に溢れていて、ワクワクしに行くテーマパークのような場所だった。
Z世代、若年層にとってのワクワクする場所は「スマホの中」なの?
小っちゃいし、それはつまんない思考だねえ(笑)
ま、Z世代にとっては、なくても不自由しないものの筆頭が書店だそう。
一方で、講談社やKADOKAWA、集英社などの大手出版社はデジタルシフトが好調に進み増益を果しているそうだ。
閉店に追い込まれた街の本屋さんは、こういうねじれに悔しさでいっぱいだろう。
しかし、大手や中堅出版社は皆「忸怩(じくじ~深く思いやる)」たる思いを向けるだけではなく、企業努力の塊となって、打って出ているのが現状だ。
我が社でも数年前から好調な「知育玩具」と書籍のブランド化にある意味成功を遂げてきた。
リアルの紙書籍だけだったら…と思うと、ちょっとゾッとするし、業界変化できずにしんどかっただろう。
それぞれの立場で、生き残りをかけて戦ってきたからこその存在証明なのだ。
また、一営業マンのわたしが思うことは、「今、書店に行って、スマホでは味わえない偶然の出会いをたくさん作ってほしい」と、切に願っている。
店頭の平積みになった新刊コーナーで話題の1冊を見つけ出す楽しさや、書棚に並ぶ良書の中から自分好みの1冊に出会う驚きは、リアル書店ならではの体験で、たまたま手に取った本が人生に影響を及ぼしたケースは少なくないかもしれない。
そこに書店の存在意義があるのだ。
プレジデントオンラインの記事では、「書店が出版文化の核心ともいわれるゆえんだろう」と締め括られていた。
わたしは、今後も「街の本屋さん」の灯を守りたいし、「ネットの情報だけが必要かつ正しいわけではない」と考えている。
ネットで、知りたいことだけを調べ、見たいものだけを見る・・・そういった一種のネット弊害(ネット・チェンバー)に小さくも警鐘を鳴らして行こう。
もう、書店が復興するとは考えにくいのかもしれない。
しかし、文化価値の高い暗中模索を続けて行くよ。
では、また!