【ブログ新規追加538回】
久しぶりに大学での講座を受ける。オンラインだもんで緊張感はまったくなし。
ずうっと、気になっていた「京都芸術大学」
現在、67歳の友だち(男性)が、定年を迎えた60歳の時に入学を果たした芸術系大学。
たまたま、見たWEBで、通信学部「トラベルライティング」の授業があるのを知って、とりあえずエントリーしておいた。
何しろ、大好きな「旅」と「文芸」のあれこれを色々聴けるんでは・・・と、楽しみにしている。
おっと、始まった!
簡単に聴いた内容をまとめてみた。(Zoomウェビナー参加者;128名)
本日(90分)のテーマ・・・「旅をどう書くか」
話すのは近藤講師;海外を放浪しながら日本の旅雑誌などに紀行文を綴る傍ら大学講師へ→現在トラベルライティングを主に教えている)
⦿ 紀行文とは何か→空間を移動した場所、普段の生活圏を離れた場所のことを書くのが紀行文の基本。まず、メジャーなジャンルではないが、人気があるのも事実。
歴史であれば、その当時のことは概ね、文献を調べて書いていくのだが、現地の人から見聞きしたことを文章にまとめることで残せて行けるし、旅から「未知の体験」を導き、書き起こすことに醍醐味があるのだ。
どうしてそこに行ったのか?誰とどこへ移動したのか?こういったある意味平凡なことがらも「旅」という非日常の行いから自然にストーリーになりやすく、物語を書くことも可能だ。
例えば、「冒険○○」とか、「放浪○○」など。旅を中心においた文章の展開例はいくらでも出せるのではないだろうか?
したがって、紀行文を書こうと思って筆を執ったが、「小説」となる文章ができあがるなど「まま」あることなのだ。
⦿ 旅を中心においた紀行小説の紹介「空白の5マイル」
「空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む」角幡唯介・著 (集英社文庫)
「あらすじ」
チベット奥地、ツアンポー川流域に存在する秘境「空白の5マイル」
これまで、数々の冒険家たちが踏破をチャレンジするも、チャレンジを見事に跳ね返すほどの人跡未踏の地だ。
そんなツアンポー渓谷に初踏査をすると、旅立った著者。命の危険も顧みず単独行に挑んだ果てに目にした「光景」とは。
若き冒険作家の野心が満ちる作品だ。
開高健ノンフィクション賞をはじめ、数々の文芸賞受賞。
★
講義後半では、「紀行文をどう書くか」の具体例を述べられた。
⦿ 紀行文をどう書くか→ まず「テーマ」と「書き方」を決めよう。
• テーマ(具体例)→ 旅先で出会った「人」を中心に書く。
ポイントは、出会ったシチュエーション、音、その土地の匂い、臨場感のあるシーン(中心となる出来事)のエピソードを交えてざっくり書いてみよう。
• 書き方→書き方のタッチ(シリアスなのか?おもしろおかしくなのか?)決める。決めたら、だいたい1000~1500文字程度で書く。
ポイントは、構成を考えること。「起承転結」をちゃんと入れる。
1500文字の場合(導入に200文字、話の中心部分に800文字くらい、話の展開とまとめで500文字など。)より具体的に書き起こすために1800文字ぐらい書いて削ればよし。
⦿ 最後に。
紀行文で大切なこと→紀行文の主人公はあくまで「旅した自分」だと。
自分の体験を書くということでは、気持ちをたっぷりと入れることが大事。
すべての一文、一文に書き手の心情がこもっているかどうか?が最重要である。
また、文章は「確実に書く」のが重要だ。「起承転結」を馬鹿にはできない。基礎を大切にする。
(人を感動させるのは文章の上手さではない)参考資料;「雑文集・村上春樹(著)」を引いて述べられた。
「まず、切実に伝えたいことを書こう」