『お金の減らし方』森 博嗣・著(BS新書)【選書・文化/旧記事更新119】

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『お金の減らし方』森 博嗣・著(BS新書)

簡単レビュー

「お金がないから好きなことができない」
人はとかく、できない理由ををお金のせいにしがちだ。
一方、お金持ちは「お金は使えば使うほど増える」という。
人生や価値観を左右する「お金」とは一体なんなのか。
どうすれば、お金の不安が消えるのか?


本書は、著書『作家の収支』でその収入を明らかにするなど、忌憚なく本質を突く作家・森博嗣が「お金の減らし方」と題し、人生とお金の付き合い方を解き明かす。

投資家やFPでは決して語ることのできない「お金」への思い込みをひっくり返す1冊だ。

本書のポイントを一行でまとめてみた。

お金を他人のために使ってはいけない

・お金はもともと仮想のもの
・お金は社会が保証したもの
・お金は価値を測る物差し
・価値は誰のためのものか? ・自分の欲求をよく知ることが基本
・値段が価値ではない
・ものの値段に左右されない
・お金がないからできない?
・自分の満足を得ることが最終目的
・他者のためにお金を使う人たち
・価値を見極めるためには?
・自分の欲求をよく知ることが基本


目次

第1章 お金とは何か?
第2章 お金を何に使うのか?
第3章 お金を増やす方法
第4章 お金がないからできない?
第5章 欲しいものを買うために
第6章 欲しいものを知るために

            ★★★

本当に世間には、「奇想天外な考え方=極端な思考」で日々を普通に暮らしている人がいるんだなあ・・・と、深いため息が出てしまった一書を紹介しよう。

読んでみないと、わかりにくいので、当時、わたしが単純に「いいなと思って生活に取り入れた部分」をお伝えする。

それは、「収入の二割は完全に遊ぶために使う!」というくだり。

わたしはすぐに自分の収入を思い描いた。

わずか、月にして数十万のお給料の二割を遊びに投資できるか?

わたしが?

絶対に無理!!

と、自分の収入と遊びを天秤にかけることすらできずにいたのだ。

そんな時、会社員でありながら、某出版社からのスカウトで兼業作家として始めていたWEBライター(ブックレビュアー)の仕事と、2冊の著作の印税が入ることに。

見事に森氏のおっしゃる「収入の二割を遊ぶために使う」が叶った。

副収入あっぱれ(笑)

そこから、好きで仕方がない「旅」に夫と二人で出まくった。

でも、遊んでばかりじゃあつまらないから、しっかり働いて今では「収入の一割」を無理のない範囲で旅に充てている。

本書の中では、奥さんにこう言っている場面があった「欲しいものは何でも買えばいい。収入の一割を遊ぶために使いなさい」と。

あれれ?収入の二割じゃないの?(種明かしすると夫婦二人で二割だそう)

そして考える。書籍に書かれている作家の収入と自分の収入の格差が非常にあっても、自分の物差しに置き換えさえすれば、作家のように「遊びをちゃんと生活に取り入れる」ことができるのだ。

一見、無駄に見える遊びの喜びを毎月同じ額で用意できる幸せを知った。

我慢はいらないことを教わった一書だ。

             ー----

さて、ここでいう収入とは森氏の大学教授としての収入と作家としての印税を指すらしい。

(森氏の印税は総額20億円あったそうだ)

どうやっても使い切れないお金。

作家自身が、投資や財産を増やすことに一切興味がなく、使い切れないお金に立ち向かう作家とその家族たち(笑)の行方が記されていて、なんとも面白い。

そして、「お金ってなんだろう?」「お金の価値って?」と、様々考えて行くうちに読了を迎える筋書きが見事だ。

つくづく「事実は小説よりも奇なり」だ。

さあ、読書の秋。

自分の欲と向き合いながら、「収入の二割を遊びに使って」みてはいかが?

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年9月11日記事

『SunTAMA Style』2021年9月11日記事

『SunTAMA Style』2022年9月11日記事

『SunTAMA Style』2023年9月11日記事

『Life Tour 21st』2015年9月11日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1039287536.html 「品川今昔物語」

料理本とは思想のかたまり~大好きな料理本3冊を一挙紹介【選書・文化/旧記事更新116】

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毎日の食事で一番大切なのは、なんといっても「おいしく食べる」ことだろう。

おいしい食べ方の具体例はさまざまあるが、基本は「自分で作って食べる」ことだ。

料理を自由自在に作り、それを食べる幾歳月の蓄積の中で、食べることへの抽象度を高めていくと、なんらかの思想に到達するのではないか?

と、こんな風に文学チックな書き出しも可能にする料理本の話を書いている。

料理をおいしく作るための基本は、正しい知識の上に立つ、ほんのちょっとした工夫とコツなのだと感じる。

そこに、「ちょっとした工夫=思想」を持つ料理人や料理研究家などの賢い方々の書籍を読み砕き、時にスクールなどで学習して、コツを料理に取り入れることで、おいしいご飯生活が叶うのだ。

料理本という文明がもたらす知恵と創造は、一瞬で幾歳月をぎゅっと!圧縮してくれる。

わたし個人としては、懐かしい味だけでもなく、家庭的な味だけでもない、ただただ、その日の体調や状況に合致したおいしいご飯が作りたいし食べたい!

と、選んだ料理本3冊を紹介しよう。

行正り香の自分定食』行正り香・著(朝日新聞出版)

簡単レビュー

人気料理家、行正り香さんの「カスタマイズ定食本」。
主菜、副菜、主食、汁物のジャンルから自由に組み合わせ、気軽にヘルシーな家ご飯を作れる。
やらなくてもすむステップをばっさりと省き、料理初心者でも必ず美味しく作れる世界一ハードルの低いレシピ本。
思わず自画自賛してしまうレストラン以上のおいしさもうれしい。
コラムでは、行正さんが使っている調理道具や調味料の紹介に加え、
「おいしいご飯の炊き方」
「おいしい塩焼きの作り方」
「おいしい卵焼きの作り方」なども伝授。
『週刊朝日』で連載された記事をまとめた名書だ。

土井家の一生もん2品献立』土井義春・著(講談社)

簡単レビュー

発売から10年以上たっても、売れ続けている土井善晴の家庭料理の決定版! そろそろ、「家庭料理のベーシック」を手に入れよう。
おいしく作った普通のおかずで、ごはんにしよう。

家庭料理は楽しく作れば、おいしく美しくできあがることの証明だと思います。
これから毎日作り続ける家庭料理ですから、楽しく作れば一生の得ですよ。と、土井先生は書籍の中でも語る。

生の野菜は手でバリバリッとちぎると、お料理に表情が出ます(くずし卵のサラダ)
肉じゃがはふたをして、やさしい火加減で「蒸し煮」しましょう(肉じゃが)
“煮立ったところをめがけて”が卵とじの極意(親子丼)
おいしくできるポイントもわかりやすい!

なつかしごはん 一行レシピ』やまはたのりこ・著(飛鳥新社

Version 1.0.0

簡単レビュー

「~だけレシピ本」の決定版、「一行レシピ」
待望の第2弾がついに発売!

湯気がたつあたたかいご飯、味噌汁、そしておかず。

肉じゃが、グラタン、ハンバーグ、ハレの日弁当・・・日本の家庭料理がずらり124通り。

繰り返し、何度も見返さなくて大丈夫。

写真を見て、この本の一行のレシピを読めば、

すうーっと頭に入っていって、誰でもすぐにできるようになる。

食べたい、そして作りたい! 早く家に帰りたい!

めくっていくだけで、幸せな気持ちになれるお料理絵本だ。

             ★★★

わたしは、料理本が大好き。

新刊でも中古でも図書館でも、かならず書棚を見ている。

だって、おいしそうなごはんが美しい写真に撮られていて、それを眺めるだけでも幸せなんだもの。

もちろん、お酒のつまみ、お菓子、おばんざいなども実に楽しく素敵な書籍の多いことったらない。

また、写真だけでなく、指向を凝らしたレシピを読むのも大好きなのだ。

例えば、レシピを文学風に書くと、こんなん(笑)

~ポテトサラダの下ごしらえのひとつとして、ひとり静かにさらし玉ねぎを作る時間は、人生の時間の中で、おいしいご飯を作る思想の基本単位ではないだろうか?~

ものごとに意味という思想をつけて書くと、料理解説も実に文学チックになる(笑)

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年9月4日記事

『SunTAMA Style』2021年9月4日記事

『SunTAMA Style』2022年9月4日記事

『SunTAMA Style』2023年9月4日記事

『作家の収支』森 博嗣・著(幻冬舎新書)~作家の収入を知るとっておきの書籍紹介&私的メディアを仕事と考える、このブログの話も書いた🎶【選書・文化/旧記事更新109】

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作家の収支』森 博嗣・著(幻冬舎新書)

簡単レビュー(本人のコラムより)

1996年38歳のとき僕は小説家になった。作家になる前は国立大学の工学部助教授で、月々の手取りは45万円だった。以来19年間に280冊の本を出したが、いまだミリオンセラの経験はなく一番売れたデビュー作『すべてがFになる』でさえ累計78万部だ。

ベストセラ作家と呼ばれたこともあるが、これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である――総発行部数1400万部、総収入15億円。

人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した、掟破りで驚愕かつ究極の、作家自身による経営学。

                 ★★★

夏休み明けにぴったりの作家の収益に関する書籍の紹介をした。

『作家の収支』は2015年発刊で、当時わたしは、見様見真似で私的ブログを立ち上げたばかり、きっと役に立つだろうと購入し貪り読んだ。

ここから本題。ブログの話をしよう。

突然、ブログをやってみたくなった。50代前半のことだった。

これからの人生後半は、しぶとく仕事を続けながら、その一切を私的ブログにエッセイとして書いて行こう!と決めて、すぐに始めた。

もちろん、ログというわけだから、毎日の日記をつけてみようかな?とか思ったんだけど、「そんなの誰が読むの?」と、軽い疑問が湧いたことを今でも鮮明に覚えている。

折しも、自分で決めたルール(週3日投稿、テーマは5つ、1000文字、TOPは自前写真)と、公開するにあたり、読者の方々が読みやすいように文体を整えるなど、稚拙ではあるがざっくりと決めてエッセイを執筆しはじめた。

なぜ、たんなるブログサービス(無料)を介してSNS上に投稿する記事ぐらいの文章にも「執筆」という言葉を使うのか?

それは、わたしのブログに対する考え方に起因している。

わたしは、当初から「ブログを毎日の日記がわりには書かない」と決めていた。

また、ブログを文章オタクの遊び場だとも考えていなかった。

簡単に言えば、ブログを書く行為を「仕事」ととして捉えてきたのだ。

適当に書いたりせず、しっかりと編集し情報は下調べをして、丁寧に書く。

途中で放り出したり、辞めてしまうことはまったく考えずに今日に至る。

と、こんな感じで仕事として、ブログエッセイを書き始めて、来年で満10年を迎える。

その間に、小さな出版社からお声をかけて頂き、2冊の書き下ろしを商業出版させて頂いた。現在でも毎月、細々と数冊~数十冊売れている。

出版元の売上げ速報が毎月送られてくるから、その時に月間売上げを知り、ある程度金額がまとまったら、わずかな印税を粛々と振り込んで頂いている。

そして印税の話。たとえ1冊も売れなくても作家には印税が出版社から支払われる。

ただし、この場合はハードカバーなどの商業出版で印税は全額先渡し。

ちなみに、電子書籍は売れた分だけ毎回支払い。『作家の収支』に詳しく書かれているよ。

わたしは2冊とも電子書籍で出した。(無名&受賞歴ない作家には、現物在庫のない電子書籍が有利)

紀伊国屋などの大型店のWEB書店内、ヤフー、Amazon、楽天などのWEB書店で購入できる。

また、購入者がオーダーメイドを希望すると、若干高くはなるが、紙製のペイパーバッグが手に入る仕組みを利用している。

よって、出版物の在庫はない。(ここ重要・出版社にも作家にもWinWinの在庫0)で、ずっと売って頂く(笑)

そして、2冊の著作には、私個人の持ち出しはない。(すべてWEB完結。0円制作)

              ー-------

『作家の収支』には、新聞連載なら1回15000円ぐらいなど、森氏の経験値から収益が書かれていた。

小説とエッセイでは、原稿料(無名では1本50万円ぐらい)は同じだとも!これには驚きだった。

(出版不況の今では当時とは違い、原稿料のふり幅は相当だと推測するが、2015年当時だと割り切って読むと作家の懐具合が知れて面白い)

まだ、ブログで毎回1000文字をやっと書いていた頃、『作家の収支』を読み「小説とエッセイの原稿料が同じだったら、わたしはエッセイを書く仕事をしよう!」と、方向性が決まったことも懐かしく思いだした。

後に、自分メディアとしての位置づけ決定版、Googleアドセンスの権利を取得、書籍の収益だけでなく、ブログ本体の広告収入もわずかだが得られるようになった。

ブログはWordpressで構築。

毎年のサーバー代、ドメイン代、Wordpress導入の解説書籍代も、すべて著作の印税で賄っている。

持ち出しのない、循環型執筆生活がブログのおかげで叶った。

書くことに慣れ、楽しんで執筆という仕事を続けてきた背景には、常に「テーマ」を持った内容でネタが尽きない仕組みづくりと、語りかけるような書き出しで安心感を持ちやすい平易な文章、そして決め手は「妬み・謗り・諂い」を一切書かない!と決めたことが一番の要因だ。

そして、10年を迎える今、これまで以上に重要なのは「常に新しいことがら」「新らしさ」への追求をしていくことだ。

ブログという「現代の瓦版」は真の私的メディアだろう。

そこでは「どう書くか?」ではなく、どんどん「書く」のだと。1冊の書籍を書き上げるのとは、まったく違う観点だ。

自分の勘所に自信を持って、自由闊達であり続ける。

そして、「正しさ」「美しさ」を忘れず日々前進する。

あとは、見えない部分だが「勤勉」を自分に課すのが大切かと。

というわけで、「ブログを仕事として運営・執筆している」という話を書いてみた。

※ この10年間、3つのブログサービスで執筆してきた。これまでの読者数は総読者数3万人ぐらい。記事1本では200人前後。読者の国は1位日本・2位アメリカ・3位カナダと続く。(だいたい読者数の目標を立てていない・笑)

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2021年8月19日記事

『SunTAMA Style』2022年8月19日記事

『SunTAMA Style』2023年8月19日記事

『Life Tour21 st』2016年8月19日記事

Vacannsを楽しむ余裕を!

『みいこStyle』2019年8月19日記事

今日から実践!貯まる小さな習慣とは

『シェニール織とか、黄肉のメロンとか、』江國香織・著(角川春樹事務所【選書・文化/旧記事更新105】

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シェニール織とか、黄肉のメロンとか、』江國香織・著(角川春樹事務所

簡単レビュー

かつての「三人娘」が織りなす幸福な食卓と友情と人生に乾杯!

作家の民子、自由人の理枝、主婦の早希。
そして彼女たちをとりまく人々の楽しく切実な日常を濃やかに描く、愛おしさに満ち満ちた物語。
江國香織〝心が躍る〟熱望の長編小説。

「会わずにいるあいだ、それぞれ全然べつな生活を送っているのに。会うとたちまち昔の空気に戻る」

女友だちとの再会って、決まってそうなんだ。

作家の民子は、母の薫と静かなふたり暮らし。
そこに、大学からの友人・理枝が、イギリスでの仕事を辞めて帰国し、家が見つかるまで居候させてほしいとやってきた。


民子と理枝と早希(夫とふたりの息子がいる主婦)は、学生時代「三人娘」と呼ばれていた大の仲良し。


早速、三人で西麻布のビストロで、再会を祝しておいしい料理とワインを堪能しながら、おしゃべりに花が咲いて。

話の顛末は作品でお楽しみいただきたい。

                ★★★

初めて、江國香織作品を読むのにおすすめはこれ。

冷静と情熱のあいだ Rosso』角川文庫

はじめて江國香織の作品を読むなら、映像化作品をチェック

出典:paypaymall.yahoo.co.jp

江國香織の作品を選ぶ際は、最初に映像化作品をチェックするのがベター。

映像化されている作品は、どれも人気がある小説ばかり。

辻仁成とのコラボレーションが話題となった「冷静と情熱のあいだ」の他、「東京タワー」「間宮兄弟」「神様のボート」などが映画・ドラマ化されている。

また、最初に映画・ドラマを観てから、読みたい小説を探すのもおすすめ。江國香織の空気感がしっかりと映像で再現されているので、お好みの小説を探しやすい。特にはじめての方には、江國香織の世界観をつかむきっかけになるだろう。

江國香織は、その世界観と繊細な描写が評価され、多数の作品で文学賞を受賞している。

例えば、生々しい恋愛を描く「号泣する準備はできていた」「きらきらひかる」や、温かさを感じさせる「こうばしい日々」ファンタジックな「ぼくの小鳥ちゃん」など。

文章の表現は、どの作品も実に読みやすく、まずすらすらと読める。

難解な表現もなく、どこか「オシャレ感の漂う素敵な女性になりたい!」と願う少女のような感覚だと感じる。

まさしく、シェニール織のハンカチで少しの汗を拭く、夏の午後にピッタリの小説をセレクトしてみた。

女の集まる話はどこか生生しくて、それでいて面白くて、結局小説のネタというか、作品にまで昇華しちゃうのね(笑)

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2021年8月9日記事

『SunTAMA Style』2022年8月9日記事

『Life Tour 21st』2016年8月9日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1060013238.html 「レガシー(古臭く)にならないようデザイン力を磨く」

『NHKにっぽん百低山 吉田類の愛する低山30二合目』吉田類・著(NHK出版)~夏旅のこぼれ話もあり【選書・文化/旧記事更新101】

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NHKにっぽん百低山 吉田類の愛する低山30二合目』吉田類・著(NHK出版)

簡単レビュー

6月に出たばかりの新刊をレビューする。

酒場詩人・吉田類とふたたびの誌上登山。低山の物語を味わいつくす

吉田類が全国の低山をめぐる、NHKの人気番組「にっぽん百低山」。

昨年発行した書籍化の第1弾の好評に応え、この度「二合目」をお送りする。

類さん自らが「まだまだ登ってほしい」30座をセレクトし、読者を「誌上登山」にお誘いする登らなくても見て読んで楽しい一書だ。

低山の魅力はなんといっても「地域の人々の生活と密着している」ところ。

30座それぞれの山と人々が紡ぐ物語を辿る素敵な書籍となっている。

可憐な草花、ときに険しい岩場、そして山頂からの絶景を豊富なビジュアルでお届け。

もちろん下山後にぜひ行きたい地元の名店もくわしくご紹介! 大内征(低山ライター)、中沢新一(文化人類学者)と吉田類の特別対談も収載。

読むだけでも楽しめる画期的な登山ガイド第2弾。

                ★★★

先週、夏山旅から帰ってきて、まだまだ旅の魅力を書き切れていないことに気がついた。

まず、山では想像できない場面に出くわすことがある。

今回は群馬の山(御巣鷹尾根)から長野県佐久市の山(荒船山)に出るドライブを慣行した。

荒船山とは?

群馬県甘楽郡下仁田町と長野県佐久市に跨る標高1,423 mの山である。妙義荒船佐久高原国定公園に属している。日本二百名山のひとつ。

実は、荒船山だとは知らずに山中をひたすら走ること2時間あまり。遠くに見えていた不思議な断崖絶壁の様相。

夫が現在地をアプリで調べたところ「荒船山」を横断している・・・ということが分かったのだ。

この森では、野生の鹿に出くわしたり、目の前をリスやたぬき?みたいな小動物が走り去る場面に多数遭遇した。

また、驚いたことにこの山を下りた場所にあった看板に「日本で1番海から遠い場所」との案内があった。

佐久市と群馬県南牧村との県境付近に位置し、「雨川ダム」の南東約2,200mの尾根近くの地点が「日本の海岸線から一番遠い地点」

平成8年(1996年)に国土地理院の調査により特定された。 この地点は標高約1200mの山中にあり、海岸線まで約115kmの地点となるそうだ。

雨川ダムの写真も一枚撮ってきたので載せておく。

というわけで、こんな山中ドライブ旅をしてきた!というこぼれ話を書いて旅を〆たいと思う。

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年7月31日記事

『SunTAMA Style』2021年7月31日記事

『SunTAMA Style』2022年7月31日記事

『Life Tour21st』2015年7月31日記事

富山・金沢アート旅

『人生フルーツサンド 自分のきげんのつくろいかた』大平一枝・著(大和書房)【選書・文化/旧記事更新92】

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人生フルーツサンド 自分のきげんのつくろかた』大平一枝・著(大和書房)

簡単レビュー

お母ちゃんっぽい著者が紡ぎ出す、どこを読んでも心に沁みる最新エッセイ集!

自分をなだめる方法を知っている人は強い。
記念日じゃない日こそ大切だとも。

キラキラフルーツサンドを連想させるエッセイ集だ。

朝日新聞デジタル『東京の台所』が好きで、以前から大平さんの書く文章には一目を置いていた。本書の発刊を楽しみにしていた。


雄弁な著者の語り口にウキウキで読み始め、時折り、ホロリとしながあっという間に読了。

もくじ
おかんの空き瓶菟集の謎
あのときの空もきっと
朝七時のいなり寿司
玄関の涙
自分のきげんのとりかた
琉球ガラス工房にて
だいだい色のあの子
最後のギフト
グースカ。四文字の安らぎ
夏のあと、深呼吸ひとつ

                ★★★

4月に著者である大平一枝さんとスープ作家有賀薫さんのセミナーを聴いてきた。

その時、新刊と紹介されていた「人生はフルーツサンド 自分のきげんのつくろいかた」をやっと手に入れた。

猛暑でひーひー言いながらの今週、一気に読んだので早速レビューした。

『はじめに』の挨拶文にある、なぜタイトルにフルーツサンドを使ったのか?

著者のご近所に、それはそれは美味しいフルーツサンドを提供される喫茶店があるそうだ。

そこで頂く幸せの味と、ご自身のエッセイに書かれた実体験を重ね和せて、タイトルにしたいと連想された。

そして、キラキラした色とりどりのフルーツがぎゅう!っと、詰まっているようなフルーツサンドを思わせるエッセイ集が発刊された。

大平さんご自身もセミナーで言われていたが、いつまでも、キラキラした魅力的な方で居続けたいと思われてのことと想像する。

読み返した時に、その時の状態で好きなものが変わるだろうなと思う。まさに、色とりどりのフルーツサンド!

実は、わたしはフルーツサンドが苦手。それは、食パンと膨大な生クリーム、そこにジューシーな果物を挟む・・・想像しただけでお腹いっぱいになっちゃうから。

でも、今回、このエッセイを読んで、マスクメロンのフルーツサンドを食べたい!と初めて素直に思ったんだ。

さ、この夏、どこかの喫茶店でマスクメロンのフルーツサンドにありつけるか?

一応、検索した結果、立川駅ビル内にある「果実園」でランチメニューとしてあるらしいのでそこを攻めたい!

まず、標的を絞り込んで毎日をフルーツサンドのようにキラキラにさせるべし!

というわけで、書籍の紹介から、キラキラのフルーツサンドを食べに行く算段の話になっちゃった(笑)

それでは、また!

ー--------------------------------------------旧記事更新92

『SunTAMA Style』2020年7月10日記事

『SunTAMA Style』2021年7月10日記事

『SunTAMA Style』2022年7月10日記事

『SunTAMA Style』2023年7月10日記事

『Life Tour21st』2016年7月10日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1033651774.html 「小田原文学散歩

『野心のすすめ』林 真理子・著(講談社)【選書・文化/旧記事更新82】

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野心のすすめ』林 真理子・著(講談社)

簡単レビュー

作家・林 真理子氏のモットーは「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる」

中学時代はいじめられっ子、その後もずっと怠け者だった自分が、なぜ強い野心を持つ人間になったのか。

全敗した就職試験、どん底時代を経て『ルンルンを買っておうちに帰ろう』での鮮烈なデビュー。

その後のバッシングを振り返り、野心まる出しだった過去の自分に少し赤面しながらも、“低め安定”の世の中にあえて「野心」の必要性を説く。


「有名になりたい」「作家になりたい」「結婚したい」「子どもが欲しい」
無理と言われた願望をすべて叶えてきた人気作家による「夢を実現させるヒント」がつまる名書だ.


もくじ
第一章 野心が足りない
屈辱感は野心の入り口/無知の知/「テクノルック」で糸井さんに突撃/
若い作家が消えてしまう理由/「一生ユニクロと松屋でオッケーじゃん」

第二章 野心のモチベーション
友人同士の「タイタニック」格差/ファーストクラス入門/
自分に投資すると「人気」がついてくる/野心と強運の不思議な関係

第三章 野心の履歴書
不採用通知の束を宝物に/「新規まき直し」作戦/
小さな成功体験を大切にする/「マイジャー」ではなく「メジャー」/
カリスマ編集者・見城徹氏の登場/スランプ――霧の中の十年

第四章 野心と女の一生
ママチャリの罪/“絶対安全専業主婦”の存在/オス度の高い男性ほど美しいメスを選ぶ/
自己完結の「美魔女」、美人の有効利用「女子アナ」/女性経営者の野心のバネは「悔しさ」/
働く女性がウサギからトラへと変わる時/いま振り返る「アグネス論争」

第五章 野心の幸福論
欲望の「大食漢」/「妄想力」が野心のバネになる/「止まっている不幸」の恐ろしさ/
野心の日常的な心得とは/野心という山登り

                ★★★

出版社勤務のわたしが、仕事上オンラインで済む会議でも、わざわざ会社に出社し続けてきたのには、大きな理由がある。

それは、仕事の現場には無数の「野心」があることを知っているから。

その野心を「見つける」のを密かに楽しみにて、出社し続けてきたのだ。

いつも穏やかなマーケ部出身の上司K氏。それが、書籍のデザインや売り場装飾の会議となると、目の色を変えてあーでもない!こーでもない!と、驚くほど饒舌になる。

まさに「野心」丸出し(笑)

また、今月は長年お世話になってきた、ペア担当のWさんがご退職との知らせで、なごり惜しいおしゃべりを楽しんできた。

彼女の素敵なところは「登らないけど、登山グッズを買うのが趣味」ってとこ(笑)

昨年末の集中会議で3本の書籍企画を出されていた才女。

(本は企画がすべて。どんなに上手い文章であっても、内容=企画の段階でほぼダメ出しされてしまう)

その企画が、3本すべて「ぽしゃった」時点で退職を決意し、別の新天地(学生時代のあこがれを求め)今回、転職を果たしたのだと聞いた。

本人いわく、「まだまだ負けられないわ!」と、「野心」丸出しで気を吐いていた!

ああ~~ん!なんて、最高な野心の転がっている現場なんだろう。

そんな場所を避けるのだけは、もったいなくて、とてもできないのよね。

もう、わたし自身は超穏やか路線で生きているから、他人の「野心」を栄養に頂いているだけで充分(笑)

というわけで、「野心のすすめ」を紹介しつつ、会社員生活の一部を書いてみた。

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年6月14日記事はなし。

『SunTAMA Style』2021年6月14日記事

『SunTAMA Style』2022年6月14日記事

『SunTAMA Style』2023年6月14日記事

『みいこStyle』2019年6月14日記事

休みを遠慮せず取って、やりたいことを今すぐやれ!

『おとなのごはん日記』岸本葉子・著(成美堂出版)~ベジタリアン&マクロビオティックの12ヶ月ごはん日記~【選書・文化/旧記事更新50】

【ブログ新規追加1172回】

おとなのごはん日記』岸本葉子・著 / はやしゆうこ・画

簡単レビュー

卵、肉、乳製品なしでも無理なく続けられる、豆、野菜、ちょっと魚の私流バランスごはん。

忙しくても、お料理が苦手でも、楽しく作れるヒントがいっぱい。


エッセイスト岸本葉子さんの元気のもと、ヘルシーで何より美味しい、毎日ごはんをのぞいてみよう!

              ★

先週、図書館で何気にかわいいごはんのイラスト表紙の本を見つけた。

新しいわけではないけれど、毎日のごはんが書いてある本。

毎日のメニューを決めるってストレスじゃない?

楽しく・美味しく一生食べて生きたいのに、とりあえずお腹を満たすことだけに注力して作り続けてきちゃったわたしの料理人生(泣)

見た目も映えるわけじゃない、ごく普通のごはんで味もだいたいだから100点満点中、75点ぐらいだろうな・・・って自己採点してみた。

まっ、家ごはんはそんなに美味しくなくても「安心と安全」が手に入る重要なものだもの。

とかいいつつ、今日も我が家では定番の「ほれんそうと厚揚げのカレー」「手作りポテトコロッケ」2品の夕食。

『おとなのごはん日記』著者の岸本葉子氏は40代でがんを患い、医師のすすめでベジタリアン風の食事に目覚めた方。そんな制限下での1年間のごはん日記はさぞかし、大変だっただろう。

しかし、この本を読むかぎりは、ベジタリアンやマクロビオティックなる食生活を取り入れてながらも充分に美味しそうな楽しい・おしゃれなメニューが並ぶ。

確かに手がかかるし、無農薬野菜を毎週届けて頂くサービスを受けるなど面倒なことが多い。

仕事中心の岸本葉子氏。料理の手際の良さが文章から滲み出ていて面白く読めた。

そこまでしてもこの食生活(ベジタリアンやマクロビオティック)を維持するとか、ほんとすごい。

やっぱり大病経験者の食生活には学ぶことばかり!

ベジタリアンの定義はこちら→https://www.jpvs.org/menu-info/

マクロビオティックの定義はこちら→https://chayam.co.jp/macrobiotic/

というわけで、制限つきでも美味しく食べる生活のこつが書かれた本の紹介をしてみた。

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2021年3月29日記事

 『SunTAMA Style』2022年3月29日記事

 『SunTAMA Style』2023年3月29日記事 

 

『人生はどこでもドア リヨンの14日間』稲垣えみ子・著(東洋経済新報社)【選書・文化/旧記事更新44】

【ブログ新規追加1166回】

『人生はどこでもドア: リヨンの14日間』稲垣えみ子・著(東洋経済新報社)

簡単レビュー

「魂の退社」「寂しい生活」に続く書き下ろし。

退職し、夫なし(子どもなし)の53歳。

今回の内容は、あえてなんの準備もせずに、もちろんフランス語なんてできない状態で、フランスのリヨンに行って14日間滞在したという旅行記である。


旅の目的は、「現地でしっかりした、日本と変わらぬ生活をすること」。それはすなわち「周りの人としっかりコミュニケーションをとってつながること」

日本語が通じない異国の地だと、その人の「在り方」というのがむき出しになり、より本質的な人との関わり方の姿勢が問われることになる。

稲垣氏は、その試行錯誤の中で「人とつながることの幸せの形」を見出している。

その様子が、稲垣氏独自の軽快な文章で表現されていて、笑わせてくれたり、ホロっとさせてくれたり……と、とどんどん引き込まれていくうちに、最後は感動させてくれるものとなっている。

また、エアビー(民泊サイト)の利用法を始め、ホストとのつきあい方や、フランスのネット事情、マルシェ(市場)の様子、買い物の仕方、カフェの様子など、海外の民泊を利用しようとする人や、フランス旅行をする人に参考になる情報も満載となっている。

               ★★★

まさに、捧腹絶倒な一冊だ。あまりにも面白過ぎる。

他人の海外滞在記。

これほど興味を掻き立てられて読んでしまう本には滅多に、お目にかかれないだろうな。

しかも、人生の夢(海外で暮らす)を果たすために奔走する著者の必死さ(どこか可笑しさも)にも共感の嵐だったわ。

初の海外2週間暮らしでやったミッションがまたいい。

東京での暮らしをそのまま、リヨンへ移しただけだというんだから、鼻っから観光だ!グルメだ!などまったくもって考えてもいない。

わたしは、発想の勝利!あっぱれ!だと感動した。

その地味な一日とはこんな。

日の出とともに起きる

ヨガ

掃除、洗濯、昼食の下ごしらえ

近所のカフェでモーニングを食べながら午前の仕事(原稿書き)

家に帰って昼食

別のカフェで午後の仕事(原稿書き)

買い物

家に帰って夕食

縫物・読書

風呂(銭湯)

寝る・・・。

とまあ、超シンプルな生活。ちょっと地味すぎやしないだろうか?

はるばるリヨンまで来て連日自炊とか。グルメ大国おフランスでねえ(笑)

でもね、死ぬほど美味しい美食も3日も続けていたら、グェッっとなるはず。

稲垣氏が片言のフランス語でやっとこさ、手に入れたポロ葱やら、青野菜を使った味噌スープやサラダ(おしゃれな写真あり)、焼きたてパンとバター(ブールという)はさぞかし、美味なご馳走だったのはいわずもがなだ。

また、旅のアレコレ(空港でのトラブルや現地の宿泊事情、マルシェの云々、持ち込んだ日本の食材等)本当の話のオンパレードだから、コロナで海外旅が遠のいていた人にはいい刺激にもなるだろう。

というわけで、久々に「面白い旅の本」を紹介した。

(せっかく読むんだったら、文章の面白さを味わえる本をお勧めしたいと常々考えている)

それでは、また!

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『Life Tour 21st』2016年3月15日記事

http://lifetour.blog.jp/archives/1053889932.html『自分らしさとは?

『みいこStyle』2020年3月15日記事

http://miikostyle.blog.jp/archives/16823228.html『情報を「捨てる&選ぶ」センス持ってる?』


『SunTAMA Style』2021年3月15日記事

『SunTAMA Style』2022年3月15日記事

『読書からはじまる』長田 弘・著(ちくま文庫)~素敵な言葉溢れる本を見つけた🎶【選書・文化/旧記事更新38】

【ブログ新規追加1160回】

読書からはじまる』長田 弘・著(ちくま文庫)


「活字離れ」と言われるようになって数十年。

「本」を価値のないものだと言う人は、まずいないだろう。

しかし、活字離れ=本離れが当たり前のように叫ばれてきた。

わたしが思うに、基本的には本好きな人からすれば本とは、すべてのはじまりのような意義を持ち、崇高な品なんだろう。

読みたかったあの本、ずっと探し求めていた本が見つかった!、偶然書店で見つけた素敵そうな本などなど・・・本をめぐるストーリーさえもちょっとした小説のようなシチュエーションが思い浮かぶ。

一方で、基本的に本が好きではない場合の理由は様々で、本は苦手、本を読むよりスマホでの情報収集やSNSの繋がりが大事!とか、電子書籍(読書とは言えないかも)を読んでいるから・・・など。

まったく、二者両極端よね。

要するに、昨今の「活字離れ=読書離れ」という問題は、本というものについての考え方だろうと、「読書のはじまり」の著者・長田 弘氏は語る。

つまり、本というのは「本という考え方」そのものだと。

それはひとえに「考えの容器」や「自己表現の道具」にすぎないものではない。本そのものに価値があるのだ。

大切なのは、本は「著者の考え方を表すもの」で、その考え方を作り集めたものが本だと解説されている。

だから、「本を読む」ということは、その内容や考えを検索し、要約するということとは一線を画すものだと。

「本を読む」というのは、その本によって、本という一つの世界の作り方を学んでいることになるそうだ。

「本という考え方」を人々の間に育てて、言葉を残すことが「本」の持つ使命だ。

「本の文化」を支えてきたのは「ここにある言葉を、ここにいない人に手渡せる」という先々を見据えて行く行動にほかならない。

『読書からはじまる』では、「読まない本に豊かさがある」や「たくさん読む」が正解ではないことや、「一生忘れない」とかは嘘?!とか、本という極めて個人的な友達との関係をどうやって紡ぐのか?など、あらゆる視点から本との暮らし方を唱える素敵な一書だ。

~本はあなたを孤独にしない。読書が苦手、活字に疲れた・・・そんな本音にあたたかに寄りそう「人間」を楽しむ至高の読書エッセイである~

もくじ

• 本はもうひとりの友人

• 読書のための椅子

• 言葉を結ぶもの

• 子どもの本のちから

• 共通の大切な記憶

• 今、求められること

• 読書する生き物

• 失いたくない言葉

                 ★★★

今回、『読書からはじまる』を勧めてくれたのは夫だ。「これ、いいよ」と。

夫は、この詩人の読書エッセイから、読書のための椅子を購入した。(読書のための椅子)

わたしは普段、出版社で書店営業を担っている。ジャンルは児童書・学参・知育玩具など。

『読書からはじまる』を読んで、子どものための「本」の考え方や在り方を学ぶことができた。(子どもの本のちから)

そこに書かれていたのは「子どもの本というのは、子どものための本ではなく、大人になってゆくために必要な本のこと」

この言葉を本の仕事を続けて行く間は、抱きしめて行こうと決めた。

いつものブックレビューとは違う視点で書いてみた。

それでは、また!

こぼれ話

長田 弘氏の著作はすべてタイトルが素敵。

『私の好きな孤独』新潮文庫

『なつかしい時間』岩波新書

『言葉の果実』潮文庫

『世界はうつくしいひと』みすず書房

これ以外にも、読書エッセイはた~くさん!

少しだけ、文章がくどいところもあるけど、言葉の素敵さには適わない。

よろしかったら、お手に取ってみてくだされ。

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『Life Tour 21st』2016年3月1日記事

http://lifetour.blog.jp/archives/1052718462.html「時の人に会いに行く

『みいこStyle』2020年3月1日記事

http://miikostyle.blog.jp/archives/23749415.html「弥生・三月は生まれ変わる月

『SunTAMA style』2021年3月1日記事

『SunTAMA Style』2022年3月1日記事