『掌に眠る舞台』小川 洋子・著(集英社)【選書・文化】

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掌に眠る舞台』小川 洋子・著(集英社)

簡単レビュー

「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」

交通事故の保険金で帝国劇場の『レ・ミゼラブル』全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。
金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ『ラ・シルフィード』。
お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。

演じること、観ること、観られること。ステージの此方と彼方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。

                   ★

女流作家 小川 洋子氏の実話というか、体験から紡ぎ出された「極上の舞台裏話」だ。

『掌に眠る舞台』この短編集に収まる6つのお話はどれも大変に美しい。

わたしはこの6つのお話を読んで、どれもまるで自分に与えられたテーマではないか?と読み進めて行くうちに感じ取った。とっても不思議な感覚。

「舞台」というのは、限られた時間だけオープンする実に凝縮した空間だ。

この凝縮した空間に見事なまでにハマった作家。

「効率的なものが求められている世の中だからこそ、目的、理由すらないものに時間を使いたい!」と、思った作家は5~6年前から、生のお芝居を見に行くようになったのだ。

お芝居のほとんどはミュージカルらしいが、ある一定の劇団のファンクラブに入会するほどハマりにハマって行った。

そして凝縮された空間の舞台を真っ向から味わううちに、「舞台とその周辺のお話」を書こう!と、思い立つ。

毎週のように高いチケットを買ってわざわざ劇場へ駆けつけることが、いったい何の役に立つの?と、いう人も多いだろう・・・と、笑う作家。

それでも、その答えはこうだ。

「答えの出ない、役に立たないものに愛を注ぐのがいいんだ」と。

作家はわたしと同じ年。

作家はこう続ける「自分の年代になると、子どもの頃のような無心になれるものになかなか出会えないでしょ?」と。

だから、舞台にハマったことは、何で?とか一切、思わないそうだ。無心になれて、作品まで紡ぎだせるのだから、まったく持って無駄はない(笑)

作家自身、最近では「何で書いているのだろう?」と、自問自答している。

そして、その答えは「理由なんかない。ただ書きたいから書いている」のだと。

作家が生み出す作品の中の「登場人物」だって、作家が書かなければ生まれてはこないんだ。

作家の生み出す「登場人物」を好むだれかのために書いているのだろう。

静かな熱狂が宿る、すてきな作品だ。

                  ★      

■著者略歴
小川洋子(おがわ・ようこ)
1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。21年紫綬褒章受章。『約束された移動』『遠慮深いうたた寝』ほか著書多数。

『新版 戦略PR 空気を作る。世論で売る』本田哲也・著 アスキー新書【選書・文化】

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『新版 戦略PR 空気を作る。世論で売る。』本田 哲也・著(アスキー新書)

• 簡単レビュー

同じ商品カテゴリーなのに、なぜ「売れるもの」と「売れないもの」が生まれるのか? 

それは、「商品力」や「宣伝力」の問題ではないのだ。

その商品が売れるための「空気」ができているかどうか?なのだとPRのプロ本田氏は言う。

本書は、商品を売るためにつくり出したい空気=「カジュアル世論」をつくり、売上につなげる「戦略PR」の手法を解説している。

※本書は2009年1月刊行の『戦略PR』を最新事例に差し替えて刊行した新版。

• 著者略歴

本田/哲也
1970年生まれ。

ブルーカレント・ジャパン株式会社代表取締役。戦略PRプランナー。米フライシュマン・ヒラード上級副社長兼シニアパートナー。

セガの海外事業部を経て、1999年、世界最大規模のPR会社フライシュマン・ヒラード日本法人に入社。国内外の大手メーカーなどを中心に、戦略PRの実績多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)

                ★

車の運転中に良く、ラジオの対談を聴いている。

おもに、Tokyo FM の番組。

そこでは、あらゆる業界のトレンドや「今」の話題に紐づけた人物の登場が多い。

そして、今日聴いた本田 哲也氏(戦略PD)も全く知らなかった人物だった。

話を聴くのは、元乃木坂46 の山崎玲奈ちゃん。(慶応大学卒の頭の回転がめっちゃ良くてトークが素晴らしい女子)

誰でも知ってる「味の素・冷凍餃子がどーしてあんなに人気が出たのか?」とか、「森永・大人のラムネ菓子」とか。

味の素 冷凍餃子をヒットさせた主婦の発想」記事をリンクした。

冷凍餃子が夕食のメインだとしたら・・・たいがいは「手抜き」と言われるのだ。

それを、「水なし・油なし」で焼き上げて、皮はパリっと、中はジューシーに仕上げた秀逸な一品だ。

この餃子のヒットの裏側には「手抜きから手間抜き」に至るストーリーが組み込まれているのだと、本田氏は言った。(手間抜きとは巧い事言うなあ・笑)

で、お次は大人の認識をぐるっと変えることに見事に成功した、森永「大人のラムネ菓子」だ。

どーして、大人に大うけできたのか?

それは、SNSで「ラムネ菓子」が二日酔いに効く!という情報が流れた時からだそう。

医師に言わせると「ラムネ菓子」は成分がほぼ 90% ぶどう糖だと。

二日酔いに大変良く効く。このことから、森永ではロングセラーだったあの瓶型パッケージから、袋入りで「大人」とか「ぶどう糖90%配合」とかキャッチーなコピーを入れて販売したところ、ビジネスマンに大うけ!

「森永・大人のラムネ菓子」大ヒットの理由 記事をリンクした。

と、こんなPRの話を30分ほど聴いているうちに著書も多く出されていると知ったので、次は日経BP社から出た新刊を手に入れてレビューを書きたい。

(今回はkindle出版から出ている絶版を載せている)

知らないことを「知る」と、ほんとに平凡な毎日が俄然、楽しくなるって!

では、また!

登山家・田部井淳子氏(故)の生き方に学ぶ~男尊女卑には「登っちゃって、世間をあっ!と、言わせるの」という生き様♪【選書・文化】

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コロナワクチン接種後の発熱に伴うおこもりの一日。

前々から予定していた、登山家・田部井淳子氏(故)の半生を書籍からがっちりと読み込んだ。

丁度、今週10月31日に谷川岳をトレッキングした夜、渋川温泉のホテルで観たNHKの特番が「登山家・田部井淳子さんの回想録」みたいな番組を放映していたところを、偶然にキャッチした。

田部井淳子さんの半生をドラマにしたものだったが、ホテルでそれを観ながらブログで行ってきたばかりの谷川岳の絶景を、意気揚々とまとめあげた。

田部井淳子氏は、旦那様との出会い、子育てと海外遠征登山の両立や、女性だけの登攀クラブの設立、ガン発病からの闘病生活など、様々な人生のターニングポイントを雑誌「主婦の友」や山岳雑誌「山と渓谷」「岳人」などでエッセイとして寄稿されてきた。

折々に単行本で発刊されていた。これは発刊された年代順に全部読んでみたい!と、書籍リストを眺めながら度々思っていたの。

地元の図書館で探してみたら、単行本が4冊、雑誌が1冊あったので、昨日、コロナワクチン接種の後、借りて帰ってきた。(実はまだまだた~くさん出されている)

すでにワクチンの副反応で微熱がそこそこ出てたが、夜から読み出して、明け方にも読んで、食事の合間にも読んで、借りて来た本をすべて読み終えて、今これを書いている。

田部井淳子氏、本当に普通のおばちゃんだった。

そして、幼い頃は病弱だったそう。

それが、世界初のエベレスト女性登頂を果たすまでのドラマは読む者に、感動と漲る息吹を与える。

20代は岩登り専門のクライマーで、先日、わたしも訪れた谷川岳の一の倉沢(南綾域)で、同じくクライマーの男性と知り合う。それが、彼女を世界のエベレスト登山家に仕立てあげた田部井政伸氏だった。

山しかない二人の結婚式は、家族の反対する中、全部自分たちで用意した質素なものだったとか、母親が有名な登山家だという家庭環境での子育ては困難を極めて、幼い息子と娘の長きに渡る反目など、包み隠さず苦しみ通した姿が印象的だ。

好感度抜群の文章をシャワーのごとく浴びて、こちらまで元気一杯になっちゃった(笑)

せっかくなので、今回読んだ数々の書籍を広告&レビューで紹介する。

『人生、山あり 時々谷あり』田部井淳子・著(潮出版)

簡単レビュー

最高峰を目指し続ける女性登山家の
生きる喜びに満ちた人生讃歌! !
世界初の女性初のエベレスト登頂から40年!
山頂から見る風景には、生きる喜びがつまってる!
「世界初」の称号と三度の遭難、
突然のがん告知と余命宣告、
そして被災地の高校生たちとの富士登山と。
女性登山家のパイオニアがつづる、
涙と笑顔たっぷりの感動エッセイ!

『人生は8合目からがおもしろい』田部井 淳子・著(主婦と生活社)

簡単レビュー

2012年春、突然のがん告知。抗がん剤治療後、手術。そして点滴の合間に副作用でしびれる足で山に登り、講演や執筆をこなした。

生きているかぎり前進あるのみ!世界初の女性エベレスト登頂から40年を迎えた登山家が、つぶさに振り返る「山とともに歩んだ人生」。

文庫化にあたり、病気後の日々を綴った書き下ろし原稿を特別収録。

『再発!それでもわたしは山に登る』田部井 淳子・著(文藝春秋)

簡単レビュー

人生が終るそのときまで、人と山を愛した世界初の女性エベレスト登頂者、がん闘病と登山の記録。

さて、4冊の書籍をくまなく読み切った、読書三昧の休日もおしまい。

31日に観たNHKのTV番組でもっとも印象的な場面は、田部井淳子氏が、エベレスト遠征のために援助や支援を頂きたく企業回りをしていた時のこと。

とある新聞社社長に「田部井さん、女性だけの登山?そんなのど~してやるの?あなたは子どももいるんでしょ?家ほったらかして、エベレスト?バカ言ってんじゃねーよ!」と、吐き捨てるように言われた。

その時、田部井淳子氏が社長に言い返した言葉が「登っちゃって、世間をあっと言わせるの!」だった。

この田部井淳子氏の言葉に、新聞社社長は大笑いしながら「1200万円出すよ!」と。

続けて「その代わり、うちの新聞に全面的に載せさせて頂くから覚悟して必ず登頂を果たして!」と援護射撃頂いた場面が最高だった。

そして、本当に「女性だけのパーティーがエベレストに登って世間をあっ!と、言わせちゃった」という話。

山登りは「緊張感のある最高の遊び!だ」と、言い切る田部井淳子氏。

本当に生涯遊びきって逝ったのだ。

ああ、痛快だっただろうな(笑)

★2024年10月30日更新 谷川岳~小説の舞台を鑑賞し尾根歩きをするために、事前の読書にいそしむ【風景・日本百名山③】

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今年の6月ごろ『クライマーズ・ハイ』というベストセラーを読んで、この秋は谷川岳に登ろうと、決めていた。

ロッククライミングの名所としても知られる谷川岳。

非対称山渓として東側は一ノ倉沢が有名な岩壁、西側はなだらかな笹尾根となっている。

一ノ倉沢では、巨大な岩壁を眺めて、笹尾根をのんびりとハイキング登山をする予定。

ここで、以前書いた『クライマーズ・ハイ』にまつわる記事も載せておこう。

合わせて、こんな記事もある→谷川岳が舞台!男の生き様を描いたおすすめ映画https://tanigawa1962m.com/760/

                   ★  

登りたい、眺めたい山を決める時に、たくさんの山ガイドを読み、その山にまつわる小説を読み、どのくらい、どこまで行けるか?を考える。

夫と楽しく山を共有するためには欠かせない事前の準備だ。

以前、東京都の三頭山でのこと。事前準備が不足していて、登山道がいくつもあることを知らずに、岩沢登りコースを選んでしまった。

トレッキングポールも持たず、ゴールも山頂か?途中の尾根か?決めてはいなかった。

結果は1500m山頂まで登り、ガスガスの中夕暮れ迫る下山となった。

山は午後3時が起点になる。急激な寒さ、昼との寒暖差からのガス発生で視界が遮られる。

こういった不安要素をぬぐうためには、事前の準備が欠かせない。

今回も多種多様な書籍(ほぼ、山と渓谷社の本)からの情報満載で行く。

日本百名山、今年は美ヶ原、白馬岳に続き谷川岳で三山目。

登れるところまで登って眺める山行を楽しんでこよう!




★2024年10月23日更新 山旅へと誘う書物たち~山旅の前にも本、山旅のお供にも本、そして帰ってからも本~物語に魅せられて【選書・文化】

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山登りの物語が大好きになって、いつのまにか毎週10冊借りる図書館の本ジャンルも山一色。

山旅のガイド本や、ハイキング、トレッキングの技術を学ぶ本や、登山道具、キャンプ道具の本など、手当たり次第に借りてきて学んでいる。

その中でも、必読なのが「山登り」に特化した小説。

来週末登る予定の山も、そんな山岳小説を読んで「絶対見に行きたい!」と思っている憧れの山だ。

当然ピークを目指す登山ではなく、山の様相を眺めに行く旅だ(笑)

だって、憧れの山に登ってもその山の姿は「見えない」でしょ。

だから、最高に美しく見える季節や時期を狙って憧れの山に会いに行くんだ。

山旅に出るからと言っても、慌てて本から知識を得ることはあんまりないなあ。

普段から、それこそ毎週、毎週読み重ねてきて、蓄積された知識で次の山を選んでいるから。

以前、読んだ小説の舞台に行ってみよう!と決めたら、その小説を再読するのね。

そして、現地ではその最高の景色の身辺などの情報が得られるものだから、山そのものだけではない福産物を見つけられるかもしれないのも、山旅のために本を読む醍醐味なのだ。

また、本で学んだ知識以上に旅先で「おや?」っと、心に留まった場所や物なども、帰ってからより理解を深めたくて、別の書籍を探すなんてこともしょっちゅうあるし。

そして、その山の持つ歴史や場合によっては秘密なんかも、季節を変えてまた、登ってみよう!とリピーターになる日を夢見ているのだ。

本当に本から得る知識をがっちりと身に着けて、来週末も紅葉真っ盛りの山旅へGO!
では、また。




★2024年10月11日更新 『小食を愉しむ』ドミニック・ローホー / 著~シンプルに痩せる・太らない習慣(幻冬舎)【選書・文化】

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『小食を愉しむ』ドミニック・ローホー / 著~シンプルに痩せる・太らない習慣(幻冬舎)

簡単レビュー

フランス人でエッセイスト兼ミニマリストである ドミニック・ローホー氏。

満を持してのダイエット本!だと思い、思わず手を出した。

しかし、著者は冒頭から「この本はダイエットを唱えるためのテキストではない!」という。

確かに書かれているのは思考の問題が多い。

すべては、自分の考え方が痩せにくい体質を作り出しているのだと。

それを生活の中から、じりじりと思考をより良い方向に回転させるプランが満載の書籍なのだ。

ドミニック・ローホーの言葉を拾い出してみよう。

~皿の中の料理を平らげる必要はありません。
太るにつれて、自分を見失っていきます。
もっと空腹を手なずけましょう~

~身軽に生きるために知っておきたい、実践したい
意識と心でやせる方法~




【もくじ】


はじめに 太り過ぎは必然ではない

第一章 食に対する意識を見直す
●太るにつれて、自分を見失っていく
●やせている人は、やせることに人一倍関心があるのです ほか

第二章 食べ物ノートと習慣
●理想モデルの助けを借りる
●食べたものはすべてメモする ほか

第三章 質の良い食べ物
●なぜ毎日米を消費してもアジアの人たちは太らないのか?
●カロリー計算は役立たない
●一汁一菜という魔法のデュエット
●トルコ流大皿ダイエット
●胃袋の満腹感ではなく、摂取したカロリーにより満腹感を得る ほか

第四章 量を少なく、バランスよく
●最後の一口が多過ぎたということはないですか?
●皿の中の料理を平らげる必要はない ほか

第五章 体内時計ダイエット
●王様の朝食、王子様の昼食、貧者の夕食
●身体は何も食べない時間を欲している ほか

第六章 たとえやせても楽しみがなければ意味がない
●フラストレーションの原因になるようなダイエットは決して続かない
●容器のサイズで食べる量を調節する ほか

第七章 食欲と誘惑
●誘惑はいつ、どこにでもある
●楽しみの機会を固辞することはない、ただ…… ほか

第八章 羽目を外したい時、さぼりたい時
●一日一行だけ綴るポジティブ思考療法
●食べ終えるのを誰よりも遅くする ほか

第九章 太らない習慣
●食事を13口に分けて口に運び、一口につき30回噛む食べ方
●デトックスするためにスキン・ブラッシング ほか

おしまいに
●大切なことは身軽に生きること
●自分をよく知るためのリスト

                 ★

最近、本当に食が細くなったなあ…と、実感している。

もちろん、タンパク質や身体に大事だと思われる食材は、徹底して毎日の食事に組み込んでいるが。

何しろ、「量」がいらなくなった。

お酒も完全に週末だけだし、飲み過ぎることもまったくない。

歳とともに少量で満足できるように、いつの間にかなっていた。

この本の中で興味深かったのが、「豆皿」の話だ。

「豆皿 食の楽しみへの誘い」では、価値のある食べ物には豆皿を使うのがいいのだと。

確かに。

わたしは大好きな巨峰やチョコレートの一粒(プラリネ)などは豆皿に乗せて出している。

美味しいものは少しだけが美味しいんだよ。

そのためには、素敵な可愛い豆皿がいくつあってもいい。

とか言って、食器を買う口実になりそう(笑)

ちょっとだけの高価で美味しいものを丁寧に味わう・・・。

こんな感じでどうでしょうか?

豆皿の「メリット」を書いてみた。

とにかく、装丁も何だか素敵な痩せるための本。

太っている人もそうでない人も、一家に一冊どうぞ!(笑)




『ハーバード大学式 命の野菜スープ 長生き味噌プラス』高橋 弘・著(株式会社宝島社)【選書・文化】

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• 簡単レビュー

キャベツ、かぼちゃ、にんじん、玉ねぎの4つの野菜を切って煮るだけ。

栄養(ファイトケミカル)がたっぷり入った、病気を撃退する命のスープがさらに進化!

ベースとなる命のスープに具入りの味噌玉をプラスすることで、スープのファイトケミカルに具の持つ栄養素も加わり、さらに体が喜ぶ一杯に。気になる症状、不調に合わせて、数ある味噌玉の中からセレクト可能。

冬はもちろん、一年中飲みたいぽかぽかのスープの完成!

尚、ハーバード大学式とは、著者・高橋氏がハーバード大学医学部でファイトケミカルを研究されていて、その臨床結果からのスープ考案だということで命名された。

                   ★

10月1日、今日から「ハーバード大学式 命の野菜スープ」を作って飲み始めた。

冷蔵庫に残っていた「キャベツ・かぼちゃ・玉ねぎ・ニンジン」を水で煮ただけのスープだ。

味付けは塩だけ。

朝から、これ一杯だけでお腹がいっぱいになった。

買い出しでは、みそ玉を作ろうと、大好きな麴味噌を買ってきた。

この本を手ほどきに、毎日朝晩の2回、飲んでみたい。しばらく続けてみよう。

多くは、体重の増減が激しい夫の身体を心配してのことだ。

このスープの効用は表紙に書かれているが、ここに書き出してみよう。

がん撃退

感染症に勝つ

ダイエット効果

動脈硬化予防

認知症予防

糖尿病予防

便秘解消

解毒作用

ストレス緩和

骨の老化予防

アレルギーを抑える

など、スープを飲み続けえて行くと、たくさんの効用があるそうだ。

いつでも手に入る野菜ばかり。調味料も塩、味噌だけ。

忙しいわたしにはうってつけ(笑)

ずっとこんな本を探していた。

続けてみて効果のほどをレポートしようと思う。

今、深刻な病気に罹っているわけじゃないが、健康寿命を延ばせる方法を早くから取り入れ、習慣化したいと考えた。

味噌汁とは違う野菜スープ。本では1回作って数回に分けて食べる(冷凍保存OK)

わたしは保存せず、毎回作る予定。(作り置きが苦手なの)

では、材料と作り方を紹介する。

玉ねぎ、キャベツ、ニンジン、かぼちゃすべて100g

水1リットル

塩少々

※みそ玉はみそ100gを丸めて冷凍しておく。出来あがったスープにポトンと入れて。(かつお節、刻みナッツ、刻んだしそ、刻んだショウガなど、なんでも一緒に丸めて)

これだけ。

作り方

材料は一口大にカットして水から入れて煮る。あくを取りつつ材料が柔らかくなるまで煮よう。(玉ねぎ、にんじんの皮、かぼちゃの種はだしパックに入れて一緒に煮る。煮あがったら取り出す)

仕上げに塩少々で味を調えたら出来上がり!

めっちゃ簡単でしょ?

★2024年9月25日更新 『やっぱり食べに行こう』原田マハ・著(毎日新聞出版/文庫)【選書・文化】

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やっぱり食べに行こう!』原田マハ・著(毎日新聞出版)

• 簡単レビュー

海外の美術館でキュレーター(学芸員)を勤めた後、作家として活躍中の原田マハ氏。

ピカソやゴッホを訪ね、取材先で食べた「思い出の一品」

至福の食べ歩きエッセイが文庫になった。

ルーアンのチーズや、ゲルニカのタパス。ロンドンの豚骨ラーメンなどなど、人気作家のパワーの源はやはり食にあったのだ。

誰にでもある、旅先で出会った「忘れられない一品」

それを文章で再現した、珠玉のグルメエッセイ。

                    ★

10月に海外へ行く息子は日々、着々と仕事を調整中。

わたしは、イマイチ海外にはまだ目が向いていない。

コロナショックは、精神的にもかなり影響しているんだな・・・と、我ながら、慎重な姿勢になっていることに正直驚いている。

10年パスポートの切れる2025年4月までにどこかに行ければいいなとか、何となく考えているだけだ。

国内でも政府主導でGOTOトラベルに変わる、全国旅行割(全国旅行支援)が10月11日から始まる。

全国旅行支援資料先→https://travelersnavi.com/coupon/kenminwari-kakudai 全国旅行割(全国旅行支援)

まだ、全国割を使っての旅は考えていないのだが、明らかに「紅葉と食」に注目は集まっている。

申し込みのルール(ワクチン3回接種またはPCR陰性証明など)を徹底して応募態勢に臨むか?どうするか?思案中。(ワクチンはすでに4回接種済み)

たぶんだけれど、都民割があっという間(数分)でアウトになったように、サーバーがパンクするような応募になるだろうから、もう、やんないかも(泣笑)

第一、平日仕事だし。

で、独自の旅プランで充分、全国割よりお得な旅ルートを見つけ出すつもりよ。

しかし、原田マハさん、手持ちの美術関係だけでなく、食のほうでも楽しませてくれる作家なんだね。

何しろ、肩の力の抜けた装丁がいい。文庫になったという事は、再販が見合う良書だということ。

旅までの妄想タイムや旅本番のお供にぜひ!

さて、紅葉と食の旅プランを立てようっと。

『辛酸なめ子、スピ旅に出る』辛酸なめ子・著/イラスト (産業編集センター/発行)【選書・旅と日本文化】

【ブログ新規追加835回】

辛酸なめ子さんをご存知?

漫画家で、コラムニスト(おもに社会学系)、女性メディア・アクティピストなど多方面で活躍中。

東京都千代田区生まれで埼玉県浦和育ち。武蔵野美術大学短気学部デザイン科グラフィックデザイン専攻。

血液型A型、愛称「なめちゃん」

アート作品は、自身が女性であることを逆手にとった作品や、「役に立たない珍発明」的な三次元作品などが主であるが、ほとんどが「人間関係についての強迫観念」をテーマとしている。

慇懃でおっとりとした文体とは裏腹に、独特な画風と皮肉の効いたコラムで人気を博しており、「ガーリーな毒」と称される。現在、『週刊文春』の「ヨコモレ通信」、サイゾーの『女・一人修業』他、新聞・雑誌に多数の連載を抱えている。(Wikipediaより)

•『辛酸なめ子、スピ旅に出る』 簡単レビュー(書籍の引用)

稀代のエッセイスト・辛酸なめ子が、俗世の全てから浄化されたいアナタに贈る、渾身のスピ旅案内。
エネルギーがフル充填できるガチの開運スポットから、ゆるゆるオモシロスポットまで、全国24のパワースポットを巡る旅の本。一家に一冊か?(笑)

                    ★

この方の話を今朝FMで聞いたのね。

そしたら、旅の本を出してるっていうじゃない!さっそく帰ってきてAmazonで調べてアソシエイト広告を載せてみた。

スピ旅とは、「日本のスピリチュアルな場所や伝統・文化に支えられた神聖な場所」を選び、編集者と一緒の旅や、辛酸なめ子さんがひとりで訪れてきた場所を責任編集されているのだそう。

こりゃあ、面白い企画本!絶対に読みたい!と早くもポチっとなった(笑)

でも実はわたし、スピリチュアルな場所とかまったく興味がないのよね。それでも読みたくなったのが、「弾丸旅」の話を聞いたから。

スピ旅をどんな風に「弾丸」で旅したのか?が、おおいに興味が湧いた。

(ま、弾丸と聞いて飛びつくのはわたしとなめ子さんだけかも・笑)

先日も、「九州日帰りお墓参り旅」なんぞをやってきたそうだ。なるほど、「弾丸スピ旅」といっても、お墓参りとかあるよね・・・これ、いいなあ(笑)

さっそく、旅魂がさく裂して、スピリチュアルから離れて、ネットで弾丸旅のブログや書籍などを読みまくっている。(時間の溶けかたが半端ないけど、楽しいんだから仕方がない)

例えば、「パリ2泊5日」とか、「週末関西」とか。行ってないのに、妄想旅でも充分楽しめるわたしはすでに猛者じゃろうね?(笑)

コロナですっかり鈍った旅筋を鍛え始めたって話よ。妄想から始めて旅気分に浸るのが楽しいし、実際にこれまで数々の旅先もすべて妄想旅が発端だった。

ああ、早く「弾丸旅」に行きてぇ(笑)

尚、家族には毎回不評だった「弾丸旅」

もう絶対に行かない!とか言われ続けてきた。

シンガポール滞在36時間なんて、1泊3日だもん。

行った気がしないし、物凄く時間に追われるのが嫌なんだそうよ。

わたしはゲーム感覚が過ぎるのかしら?

辛酸なめ子さんの本でいっそう、弾丸筋を鍛えるう!(笑)




★2024年9月2日更新 『9月1日 母からのバトン』内田也哉子/樹木希林・著(ポプラ新書)【選書・文化/自死を考える】

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ポプラ社レビュー

「死なないで、死なないで……。
今日は、大勢の子どもたちが自殺してしまう日なの」

母が遺し、娘が受け継ぐ、
生きづらさを抱える子どもたちへのメッセージ。

学校では学べないことを、
この本に登場する人たちは教えてくれる、
これを読んで不登校は差別語だと思った。
――谷川俊太郎氏、推薦

「どうか、生きて」 2018年9月1日、病室で繰り返しつぶやいた樹木さん。夏休み明けのこの日、学校に行きたくないと思い悩む子どもたちが、自ら命を絶ってしまう。樹木さんは生前、不登校の子どもたちと語り合い、その事実を知っていた。樹木さんが遺した言葉と、それを受け内田也哉子さんが4名と対話し、紡ぎ出した言葉をまとめた一冊。

~2019年にポプラ社から刊行した単行本『9月1日 母からのバトン』を新書化したもの~

                  ★

ポプラ社さんは同業会社。そう、たしか2019年9月1日に大々的な平積みをどこの書店でも見かけた。

本の露出が減り、世間から忘れ去られて行くが、買っておきさえすれば、大切なメッセージをバトンとして繋ぐことができる。

改めて本の持つ重要な価値を見出した一冊。

昨日、偶然に内田也哉子さんのお話を運転中のラジオで聴いた。

ああ~、大切な本の話だ!と、思い出して急いで書店へ。

でも見当たらない。さっそく予約をしてきたの。

読まずにここに載せた本。

それぐらい、樹木希林さんからの「生きるためのメッセージ」は強烈だ。

今、すべての子どもに読んでもらいたい本のひとつ。(児童書ではないけど)