『妄想浪費』小山薫堂・著(光文社)【選書・文化】

【ブログ新規追加818回】

妄想浪費』小山薫堂・著(光文社)

• 簡単レビュー

~お金を生き金にするのも死に金にするのも全部、使い方次第~

上質な浪費を妄想してみた話である。

数々の人気テレビ番組やヒット映画の脚本を手掛け、
「くまモン」の生みの親であり「地方再生請負人」でもある
オールラウンドのトップクリエイターが初めて綴った、
小山流「これからの時代」の素敵なお金の使い方。

宣伝費一億円を投じて、その効果が一千万円程度に終わるか、
百億円の効果を生むかは企画次第だ。


企画とはお金の価値を最大限に生かすこと、生きたお金に換えること、
お金に命を預けることなのだ。

世の中には上手にお金を貯められても、上手にお金を使える人は少ない。

それでつい、資産をお持ちの方々と出会うたびに「僕がこの人だったら……」
と有意義なお金の使い方をあれこれと妄想してしまう(文中より)

~そして、人はきっと誰かの天使になれるさ~

月刊「Forbes」連載(全58回)

                 ★

8月27日。

やっと、今年の夏らしいお出かけをする。

今年の春ごろメールで「南アルプスの山荘に遊びに来ませんか?」と、友人から誘われていた。

北アルプスの帰りに寄るはずだった、南アルプスの山荘。

しかし、明日、甲信地方は午後雨降りらしい・・・(泣)

でも、山梨のフルーツも夜景も逃げたりはしない。

どこかでタイミングよく取り入れて夏の終わりを楽しもう。

もう、ずっと妄想旅ばかりだったから(笑)

明日は帰れても深夜になる予定。

ブログのアップも明日中には難しい。

そんなわけで、小山薫堂氏の名書を載せた選書を前もってアップした。興味のある方はぜひ!読んでみて。

それでは、行ってきます!

『クライマーズ・ハイ』横山秀夫・著(文春文庫)~大活字本(埼玉福祉会版)で読む【選書・文化】

【ブログ新規追加791回】

• 簡単レビュー

1985年、御巣鷹山で日航機が墜落。

その日、北関東新聞の古参記者・悠木は同僚の元クライマー・安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑むはずだった。

未曾有の事故。全権デスクを命じられ、約束を違えた悠木だが、ひとり出発したはずの安西はなぜか山と無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。

「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残して――。

若き日、新聞記者として現場を取材した著者みずからの実体験を昇華しきった、感動あふれる壮大な長編小説。

 『クライマーズ・ハイ』       

                    ★

『クライマーズ・ハイ』は2度目の再読だ。初回は文春文庫で読んだ。

(実は、日航機墜落のあの日、わたし達夫婦は長野県小諸市の駅前ホテルに泊まっていた。そして浅間山へ行こうと話ていた時に、TVでこのニュースを知って愕然とした。この事故の記者を務めた横山秀夫氏が書いた小説とあって、当時大変なニュースとなったのを覚えている)

今回は、図書館で見つけた「大活字本シリーズ」の新刊本を借りて拝読中。

さて、大活字本とは?

文字通り、大きい文字で印刷された本である。

(下↓ の写真は文中だが、紙いっぱいに読みやすい色味のインクで印刷されているのも興味深かかった)

この出版物の大元は埼玉福祉会という埼玉県の福祉団体だ。

老人や弱視者に少しでも読みやすい大活字本を提供し続けている。

また、身体障害者の働く工場で製本発行するという、雇用を生み出す仕組みを築いてきたのだそうだ。

実際に読み始めてみて、「なんて、読みやすいんだろう!」どんどん読めてしまう。

目の悪くなってきたわたしにはうってつけかもしれない。

ページ数も増えることを考えて、軽くなるように紙の質にもこだわった装丁だとも感じた。

こうした製本技術の支えもあって、長編作品のこちらは上下巻で6000円!(各巻3000円)

どうだろう?高いかも。

でも読みたかった本が目視で読めるのはこの上ない幸せなことだろう。

電子書籍とも違う、一枚、一枚ページをめくる喜びが紙の本にはあるのだ。

こういった大活字本でどんどん、新刊が発売される日がくるのだろうか?

多分無理だろうが、一部のこういった機関で手に入るのなら、そういった情報を持っていたら良い。

※ 大活字本の出版社はこちら→https://www.saifuku.com/daikatsuji/index.html(埼玉福祉会

読書好きだが、なかなか本が読めなくなってきたと嘆く方へのプレゼントにも最適かも。

わたしも、弱視の友人に差し上げようかな?

読書の秋、敬老の日とかにもうってつけ!

という「大活字本」の話。

Amazon聴読サービス「オーディブル」10日間無料聴読を試して~読了した本と使用感をまとめた【書評・文化】

【ブログ新規追加786回】

7月15日~25日の10日間「Amazonオーディブル」で聴いた書籍をあげてみる。

① ねじまき鳥クロニクル 村上春樹・著(聴読再生時間11時間23分)

② 老体とピアノ 稲垣えみ子・著(聴読再生時間7時間21分)

③ 1%の努力 ひろゆき・著 (聴読再生時間5時間38分)

④ できないのはあなたのせいじゃない ブレインロック解除で潜在能力が目覚める 勝間和代・著(聴読再生時間5時間46分)

⑤ なぜか上手く行く人のすごい無認識 梯谷 幸司・著(聴読再生時間4時間39分)

以上の5冊をオーディブルで聴いてみた。

手始めに聴いた「ねじまき鳥クロニクル」は2人の男女の掛け合いが凄まじい。ついつい読み飛ばしてしまいそうなシチュエーション部分が脳内に「映像」となって再現されるような感覚だ。

有名俳優を使ったナレーションだからだろう。数々のレビューでは、この男優さんのしゃべりがあまり良くないという評価が多かったが、私は毎週土曜日にこの男優さんのラジオ番組を聴く習慣があるからか、とても身近に感じてずっと聴き続けられたんだ。

しかし、途中休憩を入れながらの11時間はべらぼうに長い!

いやあ、良く読んだ!ではなく良く聴いた!となるのも不思議な体験だった。

それがね、小説を丸一冊聴き切ったら、意外なほど満足感があったのだ。

たぶんあらすじやこまかな内容がしっかりと頭に入ったからだろう。読み飛ばしがない読書はなかなかできないものだから。

ここまでで言えるのは、オーディブルはどんな声の本か?で読む読まないが決まってしまうものだということ。

今回5冊の書籍を聴いてみたが、始めのつかみでだいたい決まってしまうようだ。

もっとたくさん聴けるだろうと思っていたが、なかなかど~して、そうも行かなかった。

やはりオーディブルは週末にゆっくりと体を休めながら聴くのが一番いいだろう。

次は、長距離ドライブの時なんていうのもいいだろう。

また、無料期間がやってきたら、まとめて聴いてみる。

今回は、聴いて面白かった、稲垣えみ子氏、勝間和代氏の2冊はさっそく図書館で借りた。

手元に届き、読了したら、レビューする。

いいかも。聴くだけ読書(笑)

腸と森はよく似ている~土壌を育てるために必要なアレコレとは?【健康/文化・腸の話】

【ブログ新規追加782回】

今、とても大切に思うこと。

深い森で思いきり深呼吸すること。


蛇口からでる水をゴクゴク飲み干せること。


街を歩きながら陽の光を浴びること。

以前、50歳を迎えた時、ようやく自分の人生にとって、自然への優先度の高いことがわかってきたときがあった。

そして、このどれかが満たされない日々がつづくと、心身を健康に保つことができないということも。

「自分だけ」で健康でいようとするには限界もある。

環境が汚染されてしまうと、心身をすこやかな状態に保つことは途端にむずかしくなるものだ。

第7波が到来しつつある新型コロナウイルスの流行は、この3年間、普通の平凡な暮らしや健康が環境変化の影響をじかに受けることを、わかりやすく全世界の人々に突きつけてきた。

自分の身体だけ気づかっても健康になることはできない。

だとしたら、なにを、どうすればいいのだろう?

こんな、日々の問いかけをひとつ、ひとつ解決するために書かれた書籍を紹介しよう。

腸と森の「土」を育てる
桐村里紗(きりむら・りさ) 著
光文社新書(2021)

• 簡単レビュー


人の不調と、地球の不調は
「土」いわゆる土壌でつながっている。

それは、アレルギー、がん、精神疾患などの発症にはすべて、
気候変動、砂漠化、海洋汚染などの影響が著しいものだからだ。

日々の食の選択で健康な「土」を取り戻す
「プラネタリーヘルス」その方法と実践をお伝えする(文中より)


【内容抜粋】

「人は森であり、腸に『土』を内包している」

人にとって最も身近な自然環境は「腸内環境」であり、
そこは人が根を下ろす「土」にあたる。
土壌に暮らす微生物が、食べ物と共に腸内に移住したものが腸内細菌の起源であり、
人は今でも「食べる」ことを通して、外的な環境と接続しているのだ。
日々の食べ物が腸内の土作りの材料になり、
消化や腸内細菌による発酵を通じ栄養豊かな土となる。
それはまるで、森の落ち葉や動物の死骸から腐植土が作られるシステムと同じである。

本書では近年明らかになっている腸内環境と心身の不調との関連について、
最新情報を伝えつつ、人と地球の土を同時に改良する食べ物の選択の重要性と
具体的方法を「プラネタリーヘルス」の観点から説く。
近代農法や畜産が環境に与える甚大な影響と、
それを解決する農業や食の未来も伝える。


【目次】

はじめに

第1章 人は森であり、腸内に土を持つ

第2章 消化管で人は自然とつながっている

第3章 腸内の土の悪化が、心身にもたらす病
(1)腸と心身とのネットワーク関係
(2)腸内細菌と心身の疾患の具体的な関連

第4章 食と農業の選択で、土の未来を変える
(1)人が与えている、甚大な環境負荷
(2)未来と健康を変える「食と農業」

第5章 微生物で接続する、腸と土、人と自然
――食の選択・ライフスタイル編
(1)腸内の土壌を改良する食の選択
(2)プロバイオティクス――腸と自然をつなぐ発酵食品
(3)プレバイオティクス――腸内の有用菌を育成する
(4)サスティナブルなタンパク源の選択
(5)あなたの腸内の土壌環境を知る
(6)食べ物を大切にする、土に還る

                   ★

この一週間、ものすごく仕事に邁進してきた。そのおかげで身体が疲労と水分不足による肌の乾燥や便秘などに苛まれていた。背中や腰も痛くてねえ(泣笑)

で、今日は一旦、忙しさから離脱して、ひたすらのんびりしていた。(これから、仕事再開するけど)

やっていたのは、この数年で登ったり歩いたりした山や森や丘陵で撮りだめた写真のファイルを延々眺めていたんだ。

たとえ、写真であっても、実際に自分の足で登ったり歩いた場所の記憶からくる、

自然の癒しで、少しづつ元気を取り戻した。

腸と森の「土」を育てる

そして、この新書を見つけて、kindleでひたすら読んで、今レビューしてすっきり・・・という今日、一日を過ごしている。

今週は、ちゃんと食事も作っているにも関わらず、食材が随分と残っている。

買い過ぎたのかな?いいや、すでに「夏バテ」の兆候が出始めているようだ。

超多忙なビジネスマンの息子も、「あんまり食欲がないなあ・・・」とか言ってたし。

わたしもそうなのだが、相当、外での暑さとエアコンにやられているから、紫外線で目もシンドイし、のどの渇きを癒す水分も大量に取ってはいるが、きっとそれだけでは補えないものがあるのよ。

そういった、身体の小休止にばっちりなのがこの書籍だろう。

さて、もう少し、読み込んで身体の中から土壌づくりをしっかりとやって行こう。

「今夜、なにを食べるか」が、じぶんの身体だけでなく、地球環境にまでつながっていることを、わたしはこの本から学んだ。

腸を元気に地球を健康にする日々の食事。
それは、スーパーで買い物かごに入れる食材の種類をすこし変えてみる、そんな小さな一歩からはじめることができるんだ。

そうそう、平日禁酒が習慣になった今では、夕方の喉の渇きが一切なくなったし、体重も減ったし、土日もお酒を求めて呑み過ぎることはまったくなくなった。

お酒でごまかすことがらはもうなくなったんだろう。

かなり、成長したよ(笑)

『ねじまき鳥クロニクル 第一部 泥棒かささぎ編』村上春樹・著(新潮文庫)~「絡まないヘアブラシを買った話」もあるよ♪【選書/Audibleで聴く読書①・美容グッズの紹介】

【ブログ新規追加776回】

さっそく、読み始めた?いいや、聴き始めた。

• 簡単レビュー

猫が消えた日から、平凡な生活が少しずつ奇妙な世界へと引きずり込まれていく僕(専業主夫)。
あいまいな少女や僕を取り囲む全ての人物が、不思議で奇妙で、どんな人なの?と夢中になってしまう。
後半の戦争の話はノモンハン事件を彷彿させて、驚くほど残酷だ。

専業主夫になってからの僕は料理にハマって。特にパスタや自家製パンを焼くとか。

ストーリーらしいストーリーもなく、読んでいてどこが面白いのか説明はできないが、とても不思議な物語に思える。

• 3分の1を聴いての感想

「ねじまき鳥」の由来は、世界のネジをねじまき鳥がぐるぐると巻いているというような発想だと知る。さすが村上春樹氏だと唸った。だっておしゃれじゃない?

また、軽妙でそれでいてユーモラスな雰囲気の中に、突如戦争体験を持つ中尉の登場で、一気にバイオレンスな描写が加わり、エグみや深みのある混沌とした濃いスープみたいな作品だとも感じている。

この作品は再生時間11時間を超える。とても1日じゃ無理。わたしは都合3日かけて聴き終わろうと企んでいる。

ロッシーニ作曲の「どろぼうかささぎ」を久しぶりに聴いた。

                 ★

さて、聴く読書だけではつまらないので、最近買った美容グッズの話をする。

わたしは、ロングヘアで、髪を一日に幾度かとかすのだが、そのたびに髪がスムーズに絡まらずとかせるヘアブラシがずうっと欲しかったんだ。

昨年TVCMで知った「タングルティーザー」髪が絡まらず、とかせばとかすほど、サラつやの髪になる!と大評判のブラシを見に行ったのだが、「お高い・・・」

だいたい、1本1380~2000円ぐらいする!

で、最も安いのがこちら。

1351円!だって。(タングルティーザーミニ・ピンクの詳細は写真をクリック!)

で、ですよ。私はダイソーでそっくりなヘアブラシを見つけたんだ。

ブラシ部分が3層構造になっていて、とても柔らかく、まったく絡まらない櫛通り!

もうね。快適過ぎて、一日に何回もブラッシングしてるよ。

110円でサラサラの髪を手に入れた話(笑)

2022年 8月11日「山の日」~この旗日をどこの山で過ごすか?~ラクな高山・キツイ低山~この考察を続けている【文化・山選びの手引き】

【ブログ新規追加760回】

わたしの趣味は山岳トレッキングだ。

末永く、楽しめる趣味にしたいと思い、登る一辺倒の登山ではなく、「眺めて楽しみ歩く山」(もちろん撮影も)という視点を盛り込んだ趣味の構築に余念がない。

今年も半年が過ぎた今週、8月の山の日にどこで過ごすか?どこを起点にどこを歩くか?登るか?など、ひとつ、ひとつ決めているのだが、これが結構大変!

なぜなら、山頂まで車やロープウェイで行けてしまう「高峰」「観光名所低山」が日本には200ヵ所以上も存在している。

その中から、今の自分たちのトレッキング技術で登れるか?アクセスは?危険な箇所はないか?泊まりか?日帰りか?天候(雨、台風)が悪い場合の代案は?などなど。

さながら、トラベルツーリスト顔負けの内容に自分でも驚いている(笑)

今では、書籍だけでなく、You Tubeという必殺動画が無数にある。行きたい!と思った場所のレポートはたいがいあるものだ。

注目するのは、山や高原・湿原の場合、現地の足場だったり、歩く本人の息づかいだったりする。

無用に「はあ~はあ~」が続くとか、「暑い!」「急登!」こういった発言が多い場合は、そこの箇所を何度も見て検証している。

たんに景色がきれいとか、〇〇が美味しいとかいうのではなく、登山道の状態を知るにはYou Tubeはまさに先生そのものなのだ。

わたしもまだまだ、登山初心者(ヤマケイ文庫で読んだのだが、2000m級の山を30回踏破したら中級?だそうだ)だから、憧れの高峰にはロープウェイやゴンドラをフル活用したいものだ。

様々な交通手段を使って現場で迷わず、移動時間を短縮して、山頂で過ごす最高の時間確保にも事前の登山計画が何より大切なものなのだ。

しかし本音は、タイムコース通りに登れなくとも、時間に余裕があれば、少しでも自力で登りたい。

高山はロープウェイを使って天空散歩を楽しめばよい。一方の低山(1000m以下)は、「お手軽ハイキング」と宣伝される最近の登山ブームに一役買ってはいる。

その低山という言葉を一気に押し上げた大内 征氏。

低山トラベラーの大内征氏の書籍も紹介しておこう。多数あるなかで、山と周辺への歴史的見解が素晴らしい一書。

低山手帖~四季に触れる山旅手記~』大内 征・著(日東書院)

• 簡単レビュー

山は、人の生活にも密接なつながりがあるもの。 たくさんのことを教えてくれる。 時には厳しく、時には優しく。
山を歩き、自然と触れ合うことは人生を豊かにしてくれる。そんな気持ちを忘れないように書き留めた1冊。

「ここがあの歴史小説に出てきた山か! 」そうつぶやいてから、超個人的な知的好奇心を満たす山旅を始めて早10年が過ぎた。 以来、「低山トラベラー」と名乗り、歴史や文化を辿る山歩きの面白さを分かち合いたくて、メディア発信などを生なり業わいにしている。


いつしか高峰の尾根から眺めた姿の良い低山や営みの濃い里山の方に心を奪われ、そっちに足を運ぶ機会が増えた。そんな低山里山で発見したのが、歴史小説や神話・民話の舞台となった山や、絵画のモデル地に映画の撮影地など。


日常生活の中で触れた文化的な情報を非日常の山の中で発見する意外性たるや。

いわば知識の“点”が、山に行くほど“線”になっていく喜びが、そ こにはあると思う。そうしてあちこちの低山里山を訪ねながら書き留めたメモがこうして『低 山手帖』になった。


個人的な旅の手記のようなものですが、この中に高山のピークを目指すだけでは味わえない、低山歩きを楽しむヒントを感じてもらえたら嬉しい 。

低山トラベラー 大内 征 ~はじめにより抜粋~

                  ★

さて、登山人気の発端である低山だが、ど~して意外とキツイ。「低山=ラクに登れる」じゃないのをとことん知ったトレッキング初心者だ。

実際に登ってみてわかるのだけれど。低山(500m前後)でもロープウェイやゴンドラが待っている観光の名所などは、意外なほど「急登」な山が多い。

山は最後の100mぐらいがもっとも厳しい登りなのだ。だから、クライマックスだけ楽しむのなら、ロープウェイで正解だ。

それでも、自分の足で登ってみて山カンを鍛えたら、帰りはロープウェイでの下山もいいよね。わたしはこっち派で、よくやる手段のひとつ(笑)

しかし、この数年、寒い時期に登山をするのが増えて、霜柱や寒さ、防風に山頂を目指せなかったことが何度か続いた。

もう、消化不良気味(泣笑)

とはいえ、霜柱がびっしりだったりする登山道では、下山時に溶けて信じられないほどのぬかるみを発生してとても危険だ。

なにもピークハンターではないのだから、常に慎重に構えて入山したい。自然に対する畏敬の念から言えるものだ。

今年の春から登山シーズンが幕を開けたが、毎日のように、滑落、ソロ登山行方不明などのニュースが飛び込んでくる。

わたしも、山の日を目指して、ルートの確認や地図の携帯、当日のお天気を長期予報で見る、食料計画など、書籍を中心に知恵を蓄えて、身体もほどほどに調整する予定。

わたしの基本的な登山のスタイルは、あまりに背の低すぎる身近な山は足で登り、壮麗な憧れの山ではロープウェイやゴンドラなどを使ってピーク付近まで到達できればOK。

また、憧れの美しい山々を眺めに行く旅も計画中。と、その山の持つ歴史と地域性を学んで、品格や個性の際立った山々にTRYしたい。

「山の日」に目指すのは、きっと山道銀座(人が多い)と、なっているハズの高峰ルート。

よって、基本は、無理なく、しかしアグレッシブに!

なにしろ、4回目のコロナワクチン接種対象者(予約は7月で接種は8月)だもんで(笑)

ああ、楽しみな山の日。

梅雨にこそ楽しむ風景画家の作品~展覧会で見たあとは作品集でもう一度見直す【選書(文化)・風景画家】

【ブログ新規追加746回】

風景画家 吉田 博(明治9年9月15日 生まれ~昭和25年 4月5日没)は、日本の洋画家、版画家である。

自然と写実そして詩情を重視した作風で、明治、大正、昭和にかけて風景画家の第一人者として活躍した。

資料元→https://ja.wikipedia.org/ 吉田 博 Wikipediaより)

                   ★

梅雨の楽しみ方がまたひとつ増えた話。

5月のこと。

偶然、とある展覧会で知った「風景画家」というジャンルの作家たちの作品に、一舜で魅了されたのだ。

それは、油絵ではなく木版画だった。

何層にも刷られた八ヶ岳の山々は、まるで神がのり移ったかのような美しさだ。

その作風がこれまた驚いた。

作品集の中に書かれていた、一文を抜粋する。

~吉田 博 作品の魅力を一言で語るとすれば、それは、自然に対する独自の姿勢と真摯な取り組みにあると言えるだろう。

自然の中に溶け込み、自然と一体となり、「仙骨」を自負して自然の中に自らを埋没することで、初めて人を感動させ得る風景画が描けるのだとする、生涯を貫いた信念である~

この一文は、風景画家の写生旅行に同行した、安永幸一氏の文章で彼がまとめた吉田 博 作品集には、驚きの作風が書かれている。

例えば、日本の屋根と呼ばれるアルプス連峰や八ヶ岳を登りながら、その山々の美しさを吸収していくのだが、雨が降り続いた時は、森林の樹木と一体になった気持ちで、丸一日その場に立ち尽くす。

雨に打たれ続けることで樹木になったような一種の錯覚が生まれるのだそう。

ただただ、樹木と一体になることで、八ヶ岳の一部に成り得るのだと。

こんな写生旅行を2ヵ月も続けていると。

そして、写生旅行から戻り、信念のままに、木版に山々を彫り込んで行くのだそうだ。

森の一員になる・・・という行動が彼の画風を極めさせたのだろう。

吉田 博 作品集

                  ★

梅雨の間は、山登りはしないでこうして、風景画家の作品を見に行ったり、作品集を眺めたりして楽しんでいる。

梅雨が明けたら、パッ!っと、飛び出すための力を蓄えている。

わたしも、吉田 博画家の姿勢を学んで、心は八ヶ岳に向かっている最中だ。

あまりに美しい八ヶ岳。

ピークを目指さないわたしが、楽しむのは、その姿を麓から写真に納めること。

厳しい山登りばかりじゃあ、身体がもたない。

だから、「眺める山」という視点を育てているのだ。

次の山は決めてある。

最後に。吉田 博画伯のひとこと

「われ山の美とともにあり」

梅雨明けが楽しみだ。

『エコな生活 少しの工夫でおいしい毎日』マキ・著(KADOKAWA)【選書・文化】

【ブログ新規追加742回】

エコな生活 少しの工夫でおいしい毎日

図書館でこの本の表紙に目を奪われた。

野菜いっぱいのかごを持っているのだろう・・・と。

でも、よ~く見ると野菜は野菜でも野菜くずだ!

(これで野菜のスープストックを作るのだそうだ)毎週一回のスープ煮だしデーの話。

ああ~~、これも今、流行りのSDGsかあ。

「何もかもではないけど、自分で作れる」

「自分で作ることで、安心、安全を手に入れる」

「おしゃれはやっぱり高い。だから手をかけて長く使う」

自家製味噌や梅干しなどは、比較的できる人が多いだろう。

わたしが、最も注目したのは、「自家製バター」だ。

作り方はいたって簡単。

用意するもの(生クリーム200ml/乳脂肪分45%以上のものが好ましい、塩 小さじ1分の3)

たったこれだけ!

でも、ブレンダー持ってないよ。(攪拌するために必須の道具)

そこで、Amazonや楽天に飛んでブレンダーの価格を調べる。

ふ~ん、最安値は2980円。

前から欲しいかも?と、思っていたブレンダー。

すぐには手が伸びなかったの。自家製バターだけじゃあ、買わないよ(泣笑)

そこに、夫が100均で買ってきたカワイイ蓋つきボトル。

「野菜の酢づけ」とか作ってよ!と。

キッチンに並べてもきれいじゃん!とか。

そうだね。

梅雨の間は野菜の酢づけを仕込んでおこう。

あと、一品欲しい時に重宝だよね。

と、働きwomanの休日は終わったのだ。

ほぼ、自分で作りたい方は、どうぞ、本書をご覧ください。

バターもレーズンバター、いちじくのバターなどがとてもおしゃれ!

はあ、ブレンダー買って、バターを作るかどうか?

迷いの境地だわ(笑)

最後に書籍の簡単レビューを。

『エコな生活』少しの工夫でおいしい毎日


きなこは大豆からできているのを知っている?

たぶんお読みの皆さんは知っていると思う。

では子どもたちはどうでしょう?

きなこはベージュの粉。

そんな子どもたちが多いのではないだろうか?

子どもとの会話の中で、

きなこって何でできてるか知ってる? 大豆なんだよー、納豆とおんなじ。
すごいよねーえへへー

って言いながら、
目の前で作って見せて、ぺろって味見して、甘ーい!って言いながら笑顔になるのが、幸せなんじゃないかと思っているそうだ。

そして、完全な消費者になると、バターがお1人様1個までと制限されたら焦ってカゴに入れてしまうかもしれないけど、
バターの作り方を知っていれば陳列棚を素通りできる。

お金を出せば何でも買える時代だけど、逆に売っているもののほとんどが自分で作れることも確かなのだ。

自分で作ったほうが簡単で美味しい!

そして材料が明確で安心できるという発見はとても楽しいし、大切だと思っている。

便利な世の中なのだけど、なるべく自分の手を使いながら、昔の良いところを取り入れてみたら、暮らしの満足度はぐんと上がったそうだ。
その方法を、皆さまにもお伝えできたらと思って書かれた一書である。

★2024年5月1日更新 『旅のつばくろ』沢木耕太郎・著(新潮社)~GW3日目は家掃除と旅エッセイでくつろぐ【文化・旅エッセイ】

【ブログ新規追加702回】

GW3日目。

午前中、ずっと溜めていた家のあらゆる場所の掃除に勤しんだ。

お風呂、キッチン、トイレ、洗面台・・・水回りばかりだね。

こんながっちりした掃除を梅雨明けまでは毎月やりたいなあと、願ってはいるのだけれど実際は難しい。

フルタイムの仕事がで~んとあるでしょ。週末は買い出しだけで最近ではちょっと、ヒーヒーになってきちゃってるし(泣)

夫は「掃除って溜めてやるんじゃなくて、こまめに!が鉄則でしょ?」と。

まあまあ、いいんだけど。

多分、この先も溜めてからやるんだろうな、わたしは。

で、やっと掃除人から解放された、GWなのに雨の午後。

ずっと、読みたかった沢木耕太郎氏の旅エッセイを手に入れたんでさっそく読んでいる。

それがねえ、驚くほど読みやすく、話の展開の上手さに舌を巻きっぱなしだ。

たとえば、「歌手の井上陽水は旅先を決めない」というこぼれ話を実に痛快に書き上げる。

成田空港に着いた陽水氏が開口一番に言った言葉は「さて、どこに行こうかな?」とか、言ったとか。

こんな話が満載の初エッセイ。

面白くないわけ、ないでしょう!

一気に読んでしまったので、熱が冷めないうちにレビューしよ。

• 簡単レビュー

ルポライターで作家の沢木耕太郎、日本中を旅する。

それは、まるでつばめのごとく、軽やかに。

そう、人生も旅も。

沢木耕太郎氏、初の国内旅エッセイだ。

旅のバイブルと呼ばれた『深夜特急』で、世界を縦横無尽に歩きまわった。

沢木氏の初めての旅とは、16歳の時、行き先は東北だった。

あの頃のように、自由にきままに日本中を歩いてみたい。

日本という国を、ただ歩いただけだし、歩きたいだけなんだ。

この作品はJR東日本 新幹線車内誌「トランヴェール」で大好評を博した連載だ。

満を持しての単行本化となった。

※ 今回、Amazonで書籍を紹介するにあたり、電子版無料の広告を載せてみた。ぜひ、利用してみて!電子オリジナル版では、沢木耕太郎氏撮影「旅のフォト」も収録されていて秘蔵版ともいえそうだ。

旅のつばくろ』沢木耕太郎



★2024年4月5日更新 『過剰な二人』林 真理子・見城 徹 (講談社)作家と編集者の仲直り対談~16年間の不仲を越えて書かれた名書【選書・文化】

【ブログ新規追加677回】

『野心のすすめ』の林真理子さんと、『たった一人の熱狂』の見城徹氏。

作家と編集者二人のカリスマによる「生き方の教科書」だ。

才能を見い出し、見い出され、また刺激し、磨き上げた編集者と作家の関係が濃密な名言の応酬となって一冊に凝縮された「とてつもない」一冊である。

過剰な二人』林真理子・見城徹 / 著 (講談社)

簡単レビュー

まず、目次が目を引く。

対談  過剰な二人の「失われた16年」

第一章 人生を挽回する方法

第二章 人は仕事で成長する

第三章 最後に勝つための作戦

第四章 「運」をつかむために必要なこと

目次を書いてみたが、どうだろうか?ハッとさせられる項目ばかり(笑)

一つの章の中に林さんが5本、見城氏が5本のエッセイや体験談をしたためている。

どう読んだって面白過ぎるし、やはり「事実に勝る物語はない」と感じさせる圧巻の文章だ。

さて、優秀な編集者に巡り合えたら、賞を獲得できるような作品が書けるのであろうか?

答えはYES。

しかし、それはどうやっって賞を獲れるか?をテキスト的に作家に伝授しまくって手練手管で書かせるのとは、全く違うものなのだ。

優秀な編集者は作家に戦いを挑ませるものだ。かの名女優の岸 恵子さんの作品「わりなき恋」は彼女が51歳の時に書かれた名作。日本文芸大賞受賞作品。

この作品もどっぷり見城 徹氏が関わったことで有名なのだ。その関り方とは・・・。

何かのTV番組で観たのだけれど、見城氏は岸さんのことを「文章は上手いけど、いつもきれいごとしか書かない」と一刀両断した。

このコメントをTVでたまたま観ていた岸さんはカッ!となって、「じゃあ、書きます!書くわよ!」となったという、彼女の執筆に対する熱量を上げるというか、闘争心を湧き立たせて名作を書かせたのだそうだ(凄)

岸さんが観るかど~かなんてわからないTV番組でのちょっとした話のネタに使ったわけ。ある意味確信的だなあと思った。

なんと、鋭い編集魂だろう。

わたしの拙い経験をちょっとだけ書いてみよう。

わたしは、書籍のレビューを小学館系列会社で毎週5本書くという仕事を約2年半続けたのだ。

その時お世話になった編集者(TSUNAGUさんという)彼には本当に文章の何から何まで教わった・・・と、書きたいところだが、実は、それほど教わってはいない(笑)


編集者TSUNAGUさんの一番得意とするコミュニケーション力は、とにかく書き手を「褒める」ことを実にスマートにやってくれたことだろう。

必死で書いた文章を褒められたら、誰だって飛び上がるほど嬉しいものだ。しかも彼は、どこがどう素晴らしい!のか?をちゃんと提示してくれた。

レビューを書き始めて2ヵ月が経ったころ、毎日にように記事に対するお褒めのコメントが届き始めた。

その内容は「〇〇さんの豊富な情報量と、文章の長さに圧倒されている、ダラダラ書いているように見えてちゃんと収拾されている!」というもの。

で、最後に「もっと、もっとたくさん書いてください!」と。

要するに情報とエピソードの両輪づかいで書いていたから、毎日わたしの小さなストーリーを書籍レビューと一緒に読んでいるのだと。(一粒で二度美味しいとも言っていた)

わたしにとっては、書籍は記事の本ネタであって、それを彩る周辺の情報だったり自分が体験したエピソードを散りばめるのは、今のブログの書き方とまったく同じ。

「短いストーリーを含む書籍のレビュー」は、わたしだけのオリジナルなわけ。

その部分を大いに褒めちぎってくれ、わたしの自信と書き続けるやる気に小さく火を灯し続けてくれたんだ。

やっぱり、編集者ってすごい!

見城氏は「人たらし」と言われているらしいけど、本当のことしか言わない鋭さは、何ものにも代えられない価値があると思えて仕方がない。

もう、何十回も読んだ「過剰な二人」を一度手に取ってみてほしい。

書く人もそうでない人も。

必ず、人との繋がりを濃くしたくなるよ(笑)