★2024年11月11日更新 自分に合った勉強スタイル→持続する~身につくブレイクスルーとは 【自己啓発・ブレークスル―術】

【ブログ新規追加183回】

● 自分に合った勉強スタイル→持続する→身につくブレイクスルーとは?

行き詰まりを突破する」~簡単に言うと、そういう意味のブレイクスルーという言葉がある。

科学的知識が飛躍的に発展したり雲間から太陽が出現するような、そんな意味がある希望の言葉だ。

割と、しょっちゅう、営業先でも難題にぶち当たったりして頭が煮詰まる。

逃げてしまうわけではないのにせよ、「どうやってブレイクスルーしようか?」と、考えを巡らせるもの。

そこで、思い浮かぶのが「勉強軸」でブレイクスル―して、角度を変えて問題を解決しようと。

ここで言う勉強するとは、状況を打開してくれる材料となる知識を得ること。

その知識の何を、どういう組み合わせて、どう自分にフィットさせていくか?を考えないと、ブレイクスルーは進まない。

学生的方法ではない大人の勉強スタイルとして、身に付きやすくストレスの少ないやり方で、しかも効率的に学びたいものだ。

プロセスにすると次のようになる。

◉ 自分に合った勉強スタイル→持続する→身につくブレイクスルー

と、こんな感じになる。

さて、ブレイクスル―する場面は、なにも仕事の現場ばかりではない。

大昔、こんなことがあった。ここに書き留めておこう。

                                                            ★                           

30年前、NYのレストランで、英会話の本を元に食事のコースを2人分頼んだはずだったが、どうみてもメインだけが3人分出てきた!

で、何度言い直しても、まったく動じない。要するに「ファーストで聞いた注文だ!」と、言い張るのだ。

結局、その3人前のエッグベネディクト風のビッグな肉料理を夫と二人でヒーヒーしながら食べた記憶が蘇ってきた。

なんて苦い経験(とほほ~)

                                                          ★


やっぱり英語ができなくちゃ!っと帰国後は意気込んでみたが、まったく続かず。すぐに撃沈となってしまった。

この場合のブレークスル―は、すぐに次の海外旅行を決めてしまう!これに尽きる。必然性とやる気を掛け合わせて、今後は失敗しない料理の頼み方を身につけよう!とか。

忙しい毎日に勉強軸を落とし込むのは本当に難儀中の難儀。

今まで何度も中断してきた英会話などは、やはり、仕事などで必然性が生まれなければ、全くやる気もしないもんよね。

 観光程度で海外へ行っても、単語を並べることでやり過ごしてしまえるし、ぶっつけ本番の緊張感を伴う旅もそれはそれで楽しいもので、身を入れてやる気が起らない。

しかし、先のエッグベネディクト風料理の話ではないが、こういった場面で、スラスラと英語で対話できたらどんなに楽しいだろうと想像する。あっ!妄想か(笑)

相手だってきっと同じ。東洋からきた言葉の通じない宇宙人みたいな人を相手にするのはさぞ、辛いだろう。

で、平和的解決=ブレークスル―は、できないほうが、できるようになる!たったこれだけ。

● 大人の勉強法~ブレークスル―だけではない基本的思考

自分の頭で考えて自分の意志で、自分に必要な勉強は何か❓を考察する。

やはり、こうしたことが学業終了以降の大人には断然必要だと感じる。

 当面のライバルがいるわけでもないし、他に何の縛りもない。

「何もやらない」という選択もできるのだが、期限をつけて大学課程でもう一度勉強し直す、なんてことも可能だ。

自分の強みは何か❓を見極めて、仕事の幅を広げ人生を豊かにしていくのも、すべて勉強次第。

勉強に取り組むスタイルは生き方の姿勢に通じていくものだろう。

 そこで、私は何を使ってどんなスタイルで勉強に取り組んでいこうか?と自分自身に問い直してみた。

何処かで誰かの講義を聴く時間と、身近なWEB記事や新聞からの極力加工されていない一次情報をしっかりと毎日頭に入れていくと決めた。

書籍紹介

僕らがやっている最強の読み方」東洋経済新聞社・池上彰氏×佐藤優氏が、新聞・書籍・ネットなどからの情報をどうやって有効に取り込むのが良いか?という秘訣を、惜しげもなく披露してくれている。2016年出版だが、自分の知見で正しい情報をつかむ、コロナ禍の今に断然フィットする内容だ。

【書籍概要】

まずは最低限、自分の読んでいる新聞の元の思想やニュース源がなんであるか?ということをしっかりと捉えておかないといけない。


新聞はWebを併用して1紙5分でざっと読む。雑誌は週刊誌中心でOK。ネットは使いやすいお気に入りサイトを選りすぐる。

 ◉ 世の中で起きていることを「知る」には新聞で。
 ◉ 世の中で起きていることを「理解」するには本で。

 結局、身近な新聞各紙で勉強する!と簡単な方法に落ち着いた。

知的好奇心を揺さぶる知識は自分を守るためのツールであると同時に、心が喜ぶ栄養だろう。


 さて、手始めにまず、新聞の4コマ漫画読むぞ!(笑)

 

〇〇力/キーワードで書かれた本を集めてみた~みんなが寄ってたかったネーミングの根拠はどこにある?【文化・影響力】

【ブログ新規更新181回】

● 「力」というタイトルが流行った背景とは

このブログで取り上げてきた書籍もゆうに100冊は超えているが、「〇〇力」とついた書籍の多いことに気づいてちょっと筆をとってみた。

2012年頃「聞く力」阿川佐和子氏(文春新書)がブームの火付け役になったんでは?と、推測する。

新書ブームが起こったことでも話題になった超ベストセラー。

実際にはご本人のインタビュアーとしての立ち位置に関する事柄が大半で、アイスブレークの仕方や人の本音、以外な言葉を引き出したエピソードが満載だったように記憶している。

さて、ここでは、「〇〇力」とタイトルに「」を入れた書籍の紹介をする。読んだ本だけ。

「断る力」勝間和代氏(文春新書)

「大人の精神力」斎藤孝・著(ベスト新書)

「群れない力」関口智弘・著(経済新書)

「いい加減力」竹村健一・著(太陽企画出版)

などまだまだあげれば切りがない!新書の ” 力ブーム ” が続いていた。

もう、本当に誰もが「」とつく本を書いている。

まるでトレンドキーワード、言葉の力に大きく左右されているなと大いに感じた現象だった。

● キーワードの持つ影響力とは

影響力・・・「他に働きかけ、動き、考えを変えて行く

確かに「聞く力」のように何週間もベストセラーのトップにランクインしていた本は、手に取った人の多さでは影響力を持って世間の新書を求める動向を変えたと思う。

しかし読んだ人が皆、動きや考えを変えたか??という点では分かり得ない。

また「力」に変わるキーワードが出てきたら、皆一斉に有名、無名に関わらず、キーワードに飛びついて執筆、出版されてきたのは明らかだ。

私としては個人の時代になって誰でも自分の記事、作品をアピールできる昨今では「話題の先取り」これに尽きるのではないか、と感じている。

テレビ、新聞などのメディア離れが叫ばれているが、どうしてまだまだメディアの持つ情報量の膨大さや、物事の真意など世間の圧倒的な支持を得ている現実がある。

そこで個人も横並びに勝負できるとすると、「先取り感」「」といったキーワードが一番世間が欲しているんでは?と常に考える。

要するに「誰よりも先に!」が必須で、競合していないかなどのマーケティングがしっかりとなされなければ、もう、個人の記事や無名の作家の作品は読まれない。

● 個人の時代の影響力はネット検索すればわかる

情報」という点で、日常的に私も検索をたくさんかけて情報を集めている1人だが、検索ほど個性がでるアイテムもそうないな、とこの頃感じていた。

例えば今回の「力」に関する情報を集めようとした時に何を中心に集めるのか?これって人によってすべて対照があるので100人いたら100とうりの検索方法がある!ということだ。

ちなみに私がどういう検索をかけていたかというと「〇〇力 キーワード 影響力」という言葉を切ってやってみた。実際は「影響力」のみにスポットが当たってそれに関する事柄がば〜っと羅列されて出てきた。

まあ、当然だろと思うが、捉えにくい言葉などは思いっきり省かれて出てくる。

それだけでは情報が足りない場合は辞典や過去の関連書籍をあたることとなる。

固有の場所などの検索は比較的簡単だが、キーワードを関連づけて検索をする場合のやり方は人それぞれ。

実はこのことは密かに面白いと感じていて、小説のネタやアイテムになるな、と思っている。

● まとめ 

今週後半は秋旅をする予定で、真新しい情報を集めている。

今では、紙のガイドブックは買わないし、だいたい持ち歩かない。だから、自分の頭に検索した最新情報を詰め込んで、あとはスマホ検索になる。

現場で出会う検索には反映されてはいない真新しい出会いはブログに書く。こういった生の情報は自分の目利きで調べていくしかないのであろう。

わたしは、現場に出て困る!分からないからやみくもに歩き回る!こうした行動がとても多い。

日頃から、正しく調べることに関して「なめてかかっている」のでそのぶん痛手が大きいのだ(泣笑)


自分の持っている情報が必要に応じて「更新」されているか、またそのことに気づけるかが重要だ。

それには普段から知性の土台を築いて(例えば文章やふるまいなどを磨く)、想像力を鍛えていくことが「情報の目利き」に通じていくことではないかと感じている。

流行ってるからって、何でもすぐ飛びつくのはカッコ悪いよね。

でも、真性の先取りだったら、一はやく伝えて行けば、影響力も倍増するだろう。

それが、メディアではなく、個人発信だったら。誰にでもチャンスは足元に転がっている。

※ 最後に斎藤孝氏の「大人の精神力」からの抜粋をひも解く。

「精神」というと、「鋼のごとく鍛えられた揺るぎないもの」をイメージしますが、環境が激変する現代ではむしろ「どんな変化にも対応できる柔軟な精神力」が必要です。

45歳〜60歳までに上手に精神を保つ環境を整える=ギアチェンジをすれば60歳から先が大きく変わる!   斎藤孝

★2024年10月28日更新 自分を捨ててどうなりたいか~最速でエゴを捨て去る方法 / こんな考え方があったのか!【書評・自己啓発】

【ブログ新規追加166回】

● 自分のエゴを捨て去る技術を書いた2冊を紹介

新装版 自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』石井朋彦・著(WAVE出版)

[概要]

著者、石井氏は一度は落ちたジブリに再度挑戦し、晴れて入社。

しばらくして鈴木敏夫氏と職場で出会う。憧れであり、いつかは一緒に仕事をしたいと願う石井。そこで戦略を練った。

それは、毎日深夜に行われる会議のコーヒー出し。そこで名前を憶えてもらった。

その後、名プロデューサー鈴木敏夫氏の下についた石井。

実はそれは鈴木氏に拾われたのだった。そこから鈴木氏の「3年間、自分を捨てて、オレの真似だけしてろ! 」の言を実行していく石井だった。

それを言語化したのが本書である。

あえていうならば、「何もない石井の意見は誰にも必要のないもの」鈴木氏の迅速かつ鋭く厳しい英断は、これも1つの仕事の仕方だと思った。

高畑勲氏や宮崎駿氏も凄まじいほど先人を真似してきたのだと。

先人の文字の形まで真似て、真似てゆく。「真似る」これは、表面的ではない、本音の部分まで見通す力を蓄えられるのだそうだ。

映画には、本当の主人公がいる・・・この話も相当面白かった。「千と千尋の神隠し」の主人公は、「えっ!?」「あの〇〇〇〇」だと。

そこに作者の本音が隠されているのだよ、と鈴木氏は石井を諭す。

しかし、チームの仕事で全員が真似だけをしたら、うまく行くはずはなく、その後は真似ではなく自分の得意技で生きていけるようになれ!と、アドバイスをされた。

アンガーマネジメント論「怒りを10段階に分ける」や「無闇に相槌しない」は誰にとっても参考、また手本となるだろう。

40を過ぎたらこれを捨てよう』中谷 彰宏・著(PHP研究所)

[概要]

思考と物の整理にばっちりなタイミングは40代だ!と語る著者。

捨てる? 捨てない ?これまでの自分が、こういった捨てる行為ができているかが確認できる一冊だ。

60項目もあるチェックを全部終えての感想・・・結構、柔軟にできるようになっていたと思っていたが、いいや、まだまだだ。

煮詰まる時点までTRYを続けよう。

何でも大切な気がして捨てるものを決められない、そんな決断できない自分を少しずつ捨てられる。

捨てる という言葉に罪悪感に似た感情をもつが、それこそ捨ててよい大きなもののひとつ 。

「力を入れないでできる仕組みをつくる」

「 負担に感じるのは努力しているから」

「努力している時点で好きな事ではない」

「 努力より工夫をしよう」

など、ハッとさせられるキーワードがいっぱいの一書。

まず、本書を手に入れて「60項目の捨てるべき」をやってみてほしい。

10月27日は「文字・活字文化の日」~本は無限の可能性を導くツール【文化・読書週間】

【ブログ新規追加165回】

10月27日は「文字・活字文化の日」

わたしは普段、某出版社にて出版物を書店等に営業をする法人営業職を担っている。

そのかたわら、書評や本の話を盛り込んだブログ(SunTAMA-Style) を毎日更新中だ。

本が好きで、月間約30冊~50冊ぐらいを読むハードな読書家でもある。

その中には、紙・電子のあらゆる書籍、新聞、雑誌、ミニコミ誌なども含まれて、いわば活字中毒ともいえる。

年齢とともに、目も相当疲労していて、かなりの老眼(泣)

それでも、活字に触れていないと、禁断症状がでるくらいの多読っぷり。

要するに活字を「与えて」おけば大人しい、いい子なのだ・笑

                                                 ★        

こんなエピソードを同僚から聞いた。

あの東日本大震災の直後、食料やガソリンを求めて、多くの人がスーパーやGSに押し寄せたが、書店はどうだったのか?

岩手県大船渡市の河口から4kほど離れた書店が震災後5日後、再開店をしたところ、大勢のお客様で溢れかえったのだそうだ。

まさに本も「生活必需品」なんだと店主はじめ、出版業界の誰もが感じたのだと。

人は水や食料だけでなく、活字がなくては生きてきけない。

しかも大変な時こそ、本を通して心の栄養を満たすことで人間らしい豊かな人生を送れるのだとつくづく感じている。

今年の新型コロナウイルスの感染拡大によってわたし達の生活様式は大きく変わった。

自粛生活を余儀なくされ、読書を始めた人も多いのではないだろうか。翻って、「活字離れ」「読書離れ」と言われて久しいわたし達の業界では、出版物の売り上げが増加傾向にある。嬉しい現象だ。

また、電子出版物は大幅な伸び率を出している。お家時間おそるべし!だ。

               ★

わたしはフリーライターとして書いてきた記事の80%がブックレビューだ。

今では、最新刊のみならず、既刊本でもブックレビューを先に読んでから購入する人が増えているそうだ。

ブックレビューの本意は、その本を購買に結びつけるための文章である。

主におススメの本を教え伝える→店頭で手に取って頂く、またはネットで検索→即購入・・・こういった導きをする。

特に、購買決め手になるレビューを丁寧に書いてきた。

ライター自身が読み込み、心を動かされた本は人に薦めずにはいられないものだ。

また、読書を巡って語りあう読書会などのネタに使ってもらうなどの利用をされてると漏れ聞いた。

ライター冥利に尽きる。

「本を開けば、遠い国まで一気に行けるし、入国できない場所でも楽々入れる」

こんな楽しい活字文化を楽しまない手はないね。

SNSは個人の信用を格付けするインフラ~自分の思考の転換を迫られた2冊 【書評・自己啓発】

【ブログ更新151回】

なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか?」山口揚平・著(ダイヤモンド社/2013年版)

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」山口揚平・著(プレジデント社)2冊をこの週末に読んだ。

驚きなのは、1冊目にはタイトルのピカソの話は一切出てこない

2冊目、3時間だけ働く具体的なやり方は最後まで、どこにも書かれていなかった

ちょっとお~~、タイトルから内容が連想できない、誇大表現じゃないの!?っと、いぶかしい面持ちで読み始めた。

著者の真骨頂というか、著作の目指す意図はここだ。「読者に考えさせる

わかった!よ~く考えてみるよ!と、難しいディケンズの話とか居眠りしながら読み切った・笑

では、まとめてみよう。

【本書2冊の概要と説明】

1、なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか

本書で、一般的なお金へのイメージを良くも悪くも新しい目線で読み取れる。


例えば、お金がなくても価値を交換できる→この発想は現在でいえばメルカリかなあ。

自分には価値がなくなったモノをメルカリの様な「金銭」を介しての「仕組み」に流通させる。なかば物々交換みたいな古来からある方法に、取って代わっただけなんだろう。

著者の山口揚平氏は、こういった物々交換的なネットショップ、仮想通貨、インターネットのフォロワーなど、何でも金銭価値、より経済的な目線で時代の先を読んで執筆されているようだ。

過去に外資系M&Aコンサルタント会社に勤め、現在は独立して新しい複数のビジネスの試みを行っているそうだ。

本書では、お金の持つ本来の意味、また在り方について、過去~現在、そしてこれからの日本や世界の状況を見据え、考察・実践している事がらをエッセイとしてわかりやすく書かれている。

近年インターネットの発達と、金融システムの IT化によって、お金の在り方はスピードアップ、より抽象化し、流動的になっている。

資産運用術に長けた大手外資大資本はそれにいち早く気づき、他国の経済に踏み込み一部は大儲けし、その他大勢は損を被る歪んだ経済状況になってしまっている・・・と、著者はいう。

前半では、その歪みとはいかにして生み出されたのか?わたしたちがやり取りしているお金の本質とはなんなのか。

お金の何が価値を創造しているのか、それらについて自身の体験談も含め、丁寧にお金の本質、在り方について解説している。

後半では、お金の本質を定義した上で、お金を用いて事業を行うとはどういう展開なのだろう?そして、それは人々の幸せといかに関連してくるのか、を解説。

つまり、生きる事とはなんなのか。

結論は『生きる事とは創造する事』

ここでやっと、芸術家を使ったタイトルの所以が出てくるのだ。

しかし、ゴッホとピカソをタイトルに使い、「その由縁は創造」そこに着地して、独自の論理を繋ぐ一連の流れはとても明快だった。

まあ、ちょっと思考の回路がめんどうくさいタイプかも・笑

働く事に例えようのない疑問や、不安を抱える人に最適な一書だ。

それで、この著者が書いていたのが、SNSのフォロワー数を経済価値として強烈に認めているのだそうだ。

今では、SNS関連の会社が増え、フォロワーを大量に持つインフルエンサー(ネット上で影響力を放つ人)を雇うのだ。

ちなみにわたしの勤め先でもフリーランスのインスタグラマーやユーチューバーが働いてくれている。本の解説に戻る。

例えば、こんな文章に出くわした。

2013年当時「SNSは個人の信用を格付けするインフラになる」と、未来展望的に記されていた。

まさに、2020年の現在はその通りになった。(と本書には書かれている)

そして、さらに付け加えると、「フォロワー数とつながりの密度は偏差値として換算され、個人の時価総額や時間単価の計算に利用される」と。

もう、この一文にびっくり!だって、ちょっと前までSNS自体を遊びの延長というか、通信機器を使って繋がり合う、そうね・・・やっぱり遊びだと思っていたのだもの。

どんなに「大事」なSNSであっても、どこか真剣に向き合うのではなく、軽くストレスにならない程度がいいと、今でもちょっと思う。こういう思考が甘いのかしら?

よって、フォロワー数の価値とかって確かにの数だけれど、リアルに個人の時価総額に触れたり、偏差値に置き換えて考えるなんて思考は、まったくなかった。(わたしはね)

※偏差値とは何者?/https://www.youtube.com/watch?v=-0cwkyEhkqI

2,1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法(プレデント社)

※ かなり仮想でシュミレーションされた近未来の話がすごかった。

もう一冊は、概要ではなく、本文から、どれくらいぶっ飛んでいるか抜き出してみよう。

未来予想的に、「フォロワー数が3000人以上いないとこのイベントには参加できません」といった、大学入試センターが試験対策の足切りに利用するようなことが、様々な場面で見られるようになるだろう」って。

「へっ?」

「何それ?」

「SNSとかの数基準を入試に持ち込むか?」って、疑心暗鬼になった。

確かにちょっと前までは、こんなに中学生や高校生がSNSにいたっけ???というほど爆発的に増えている感じ。

わたしのツイッターやフェイスブックでは「高校生や中学生」はフォローしないように気をつけている。そのあたりに対しての分別は持っている。

しっかし、今の高校生や中学生が一心不乱にフォロワーを必死で増やしているのはなぜ?

上記に書いたような、フォロワ―数がその子を決める基準値になっている場面があるのかな。そうだとしたら歪んでる~。

彼らが何と戦っているのかちょっと知りたくなった。

今では、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどで、個人の信用残高なるものが計れてしまうらしい。

でも、そんなことはまったく思考の先にもなかった。

わたしが、ある意味本気でコミットしている「ブログ」は資産価値としてはとても高いものだそうだ。(本書から)

例えば、現在では、就職活動で個人ブログを上手く使って履歴書に花を添えるアピールポイントとして活用している学生も多いと漏れ聞く。

まさにブログ履歴書だ。

文体からその人なりが見え、嘘や偽りは一切書けないから、かえって信憑性があるということだそうだ。

また、反対に大学入試や就活時にすべてのSNSアカウントを抹消する学生も。

単なるコミニュケーションツールが、生きるための生活インフラに取って代わった。

今後、それを使うユーザー側のリテラシーが整っていなければいけなくなった。

                                                                  

取り留めなく書いたけれど、誰かが、いっていた言葉を。

人間の不幸には2種類ある。それは「自分に降りかかる不幸」と「他人に降りかかる幸福」だと。

SNSはこの2番目の不幸を誘う。

最後に、パスカルの言葉を。

「幸せとは物量のことではなく、一体性のことである。人と心がつながった時、もしくは期待と実態が一致した時、人はこの上ない幸福感を感じる」

(2800文字)

男と女の理不尽な愉しみ~これを読んで壇蜜さんのミステリアスな謎がわかりました【書評・自己啓発】

【ブログ新規更新142回】

何とも、地味な新書だが、女流作家林真理子氏とエロチシズムと才覚がミックスされた、全男性のミューズと謳われる壇蜜氏のベストセラー対談集。

圧倒的な聞き手に徹した真理子氏と、どんな質問にもさらりと打ち返す頭の回転が速く鋭い壇蜜氏。

最後まで、お二人のトークは情報満載で読み飽きることなどない。

特に、女性の生き方や男性とのお付き合いやら、思考の違う次元で生きる男性のことを、より深く洞察する内容は必見。

そして、一番の読みどころは最後の章。ここで、壇蜜氏の「妖艶×賢い×ミステリアス×静謐さ」これらすべてをなぜ、持つことになったのかがわかる本。

読み飽きない書籍とは、こういうものだ。最後まで読んだ人にはちゃ~んとご褒美を用意しているのよ。

恐るべし。

しかし、新書という地味な形態はいったい誰が箴言したのだろう。そして、中に申し訳程度に挟まれたお二人のモノクロ写真。

ごめんなさい。ちっともきれいじゃない。

紺色の着物と紺色のドレス。色を絞った写真でこんなに黒が多いと、どんなに素敵な人でもみ~んな沈んで見えてしまう。

真理子氏の(たぶん相当高価な) お着物や壇蜜さんのレーシーなドレスも、ちゃんときれいな色なんだろうに。なのにどうして・・・?

と、いろいろと冒頭から本の作られ方に異論を呈してしまった。だって、あまりにも残念だったから。

それと、最後のあとがきは壇蜜氏なのだが、急に言葉づかいが普通になっていて、それまでの丁寧語から発せられる上品な爆弾トーク(笑)を楽しんで読んでいたのに、急に安っぽく書かれている感じも至極残念。

しかし、今回は中途半端な出だしだったのにも関わらず、素晴らしい内容だったので、2回通読して書評にした。まず、簡単にこの本の概要を。

男と女の理不尽な愉しみ 林 真理子壇蜜 集英社新書(2017年1月初版)

【書籍概要】

下衆不倫叩きから、熟年離婚まで・・・。

世の中は、かくも男女の問題に満ち溢れている。甘美で魅力的なはずの関係はなぜ、今でも絶望的なまでに我々を追い詰めているのか?

男女の機微を知り尽くした女流作家と、タレント兼エッセイストのお二人が、男女の出会いから恋愛の作法、不倫の在り方、看取りの瞬間まで、男女を取り巻くあらゆる問題を徹底討論!

しなやかでありながら、したたかでもある男女の愉しみ方を提言する。古典的な男女観ともフェミニストとも異なる視点を持つお二人が、世知辛い今の日本社会を喝破する。

【もくじ】

まえがき・林真理子氏

第一章 結婚したい女たち

第二章 男と女の利害関係

第三章 女は「損」なのか?

第四章 人はなぜ不倫を許さないのか

第五章 女はどう育つのか

第六章 死ぬことと、生きること

あとがき・壇蜜氏

ここで、読後感を少し抜粋して書いてみよう。

● 第三章 女は「損」なのか?について / 林 真理子氏の凄さ

わたしが、何度も読み返してしまったのは第三章 女は「損」なのか? だ。なぜなら、女は男より「らしさ」を未だに求められているというか、強制される場面ってあるよね。

そういった理不尽さをお二人が論破してくれている。

また、ベッキーの不倫騒動では世間からの風当たりは相当なものだったはず。

しかし、意外なほど、有名人や文化人の不倫騒動はあっけらかん!と萎んで行っちゃう。

ベッキーは完全に世間から血祭りの生贄にされたも同然なのに。

このあたりは、わたしが思うに、「週刊文春」という大規模メディアが絡んだ不倫だったからだと当時推測した。

やはり、お二人も同意見で、「センテンス・スプリング」という言葉が独り歩きしたキーワードとLINEが生み出した現代版不倫劇。

あの宇野元総理大臣の「指三本不倫劇」もやはりキーワードが先行した形だった。ちなみに指三本とは、月30万円という隠語だそう。

しかし、この章でわたしが、圧倒されたのは、林真理子氏が言う、「ハイリスク×ノーリターン」から蘇る真理子氏の凄さだ。

例えば、真理子氏、ある方から「作品が売れるようにお祈りするから家にいらっしゃらない?」と誘われたのだそう。かなり怪しい・・・。

普通なら胡散臭い案件はスル―でしょ?

いやいや、真理子氏の場合は違う。彼女の心の声が「いいよいいよ、たまには人に騙されてみよう」っとなる。

要するに「清濁併せ呑む」行動。これが、彼女の作風だし、作品の魅力なのだとわかった。

机上の空論やフェイクじゃない部分を大量に持つことで作品が光輝き、損して得を取る究極の方法なのだ。でも、ほとんど騙されないそうだ。

ああ、すごいな。

それだけ、人としての器が大きくあるのだろうな。

わたしなどは、超合理的になり過ぎて、無駄なことだとつい思いがちだしスルーが得意だ・笑

その無駄かもしれない出会いに馳せ参じる真理子氏はやっぱり、只者ではなかった。

第六章 死ぬことと、生きること/ なんで壇蜜なのか?壇蜜氏の謎に迫る!

さて、クライマックスは、壇蜜氏のミステリアスな謎解きから対談は始まる。

20代の頃、壇蜜氏は夜、銀座でホステスをしながら、昼はまったく異次元の職場で働いていた。そこは、大学病院の研究室。主な仕事はエンパ―ミング(遺体衛生保全)ご遺体の組織を保存する仕事!

臓器を切り刻むのが日常で、ご遺体の洗浄や死装束のお仕度などもしていたのだそうだ。

亡くなった方の爪のお手入れをして差し上げる時が、もっとも、この仕事をして良かったと、優しい温かな気持ちになったという部分がとても印象的。

ご本人いわく、あの世とこの世の境目にいつもいるようで、半分死んでいたのだと。昼間は死んで、夜は蝶となる人生だったのだ。

そこで知った人として生きることの本質、死生観をある意味達観されてしまったのだろう。

しかし、すごい仕事をしていたのね。驚き。

● 最後に

この本では、真理子氏の絶妙な問いかけで、壇蜜氏の持つユニークな世界観がそこかしこに現れていて、真理子氏、話の引き出し方がすごく上手いなあ~と感じた。

一流の書き手は一流の聞き手でもあった。

謎の多い壇蜜氏、3年前は独身だったが、今年、一般男性とご結婚されたばかり。

この本によると、壇蜜氏のお好きな男性は 辺 真一氏。ワイドショーでおなじみの在日コリアン三世。

そして、看取り受け人まで、ご用意されているのだと。その人は芥川賞作家の羽田圭介氏。飲む機会があった時に、お願いしてみたら即答で「いいですよ」と言って下さったのだそうだ。

こういった人生最後の話から子ども時代の話。今では連載も持つエッセストの壇蜜氏。物書き論トークも尽きることはなかったようだ。

壇蜜氏と同じ匂いのする芸能人さんは2人いると思っているのだそう。

お一人目は、長身でクールな「菜々緒」さん。

お二人目は、みんなのみな実の「田中みな実」さん。

たまにはこんな、下衆や人情満載な「本」の紹介をしてみました。

あ~~楽しかった🎶

写真は2018年9月 京成バラ園で撮影。

 

★2024年9月27日更新 苦しかったときの話をしようか~ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」【書評・ワークスタイル】

【ブログ新規更新136回】

昨年2019年の春。この本に出会った。

その時、わたしがいた場所は、「出禁」を喰らった書店。

まあ、「出禁」の話はおいといて、「苦しかったときの話をしようか」このタイトルに釘づけとなった、新刊コーナー。

悪いとは思ったが、一気に立ち読みさせてもらった。なにしろ、法外な言い分で「出禁」を出すような支店はこちらこそ御免だから。

もう二度と立ち入らないと決め、最後の滞在をした苦い経験。

さて、本題に入ろう。

苦しかったときの話をしようか~ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」森岡 毅・著(ダイヤモンド社)

この本の背景をまず、ざっくりと紹介する。

外資系で働く40代~50代前後だろう著者には、4人の子どもがいる。その中で大学2年になる娘の人生就活働くということの本質などを時間を見つけては、雑談などを入れながら話すことを楽しみにしていたのだ。

ある週末の午後。リビングでスマホを見ていた娘ににいつものように、エリートビジネスマンたらしく話かける著者。(ここから本書を引用する)

               ★

父「大学も2年を過ぎた。大学を「出たらどうするつもり?」といきなり切り出す。

娘「えっ?うん・・・」と、とっさに言われたせいなのか何も返せない。

父「就活とか大学院とか、そういう目先のことを聞いているのではないよ。将来はどんな仕事がしたいの?」

娘「うん・・・」ゆっくりと見ていたスマホを置いて、困った表情を父親に向けた。

そして、小さな声で「何がしたいのか、よくわからない・・・」と。

畳みかける父「じゃあ、自分が何をしたいのか、どうすればわかるようになると思う?」

娘「うん・・・」「そういうことも、よくわからない・・・

父「じゃあ、誰かに相談してみたのかな?」

娘「・・・」

さらに厳しく畳みかける父「そんな大事なことがよくわからないのに、放っておくのは一番まずいよね!わからないならわからないなりに行動を起こさないと。今まで何かしてみたの?」

娘「・・・・・・・・・・」

父「昨日と今日で全く差がない毎日を100年続けたって、問題は何も解決しないよね?どうしたらいいと思う?」

娘「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

娘「だから、言う事はわかるけど、わからないんだよ!!」と出て行ってしまった。

                  ★                     

と、こんな冒頭。

著者は沈黙との戦いではいつも分が悪いのだそうだ。

いわゆる「瞬間湯沸かし器」ついついガンガン畳みこんで、何とか相手の口を割ろうとする悪いクセが出てしまう。

それでも、この長女をはじめ、4人の子どもたちが巣立つ前に、ビジネス=仕事の本質を伝えなければ!という親としての使命感がムクムクと湧いた。

激務の中、丸一年も書きためてきた迫真極まるビジネスの本質を子どもにもわかるように言語化された素晴らしい教科書だ。

この娘に対する答えは一人一人が出さねばなるまいが、自分の将来や仕事を考える際の「考え方=フレームワーク」は知っておいたほうが良いのは間違いない。

この本から得られる考え方は言うなれば、子どもたちがキャリアの判断に困った時にひも解き、役立つ虎の巻を作ろうと思い立ったのだそうだ。

ビジネスの最前線で生きてきた実務家としての著者の視点を、子どもたちの人生の上での成功を願う、父の執念で書き出した名書である。

ここで、この本の目次を紹介する

【もくじ】

はじめに 残酷な世界の希望とは何か?

第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ

第2章 学校では教えてくれない世界の秘密

第3章 自分の強みをどう知るか

第4章 自分をマーケティングせよ!

第5章 苦しかったときの話をしようか

第6章 自分の「弱さ」とどう向き合うのか?

おわりに あなたはもっと高く飛べる!

● 苦しかった時の話をしようか~著者自らが最大の苦境を脱出する場面が圧巻

第5章「苦しかった時の話をしようか」は、何回読んでも泣ける。世界的大企業P&Gのブランディングマネージャーとして、海外本社勤務となった著者が、企業幹部に昇格、血尿を出しながら大奮闘するも、売り上げも人望もすべて失いかける場面が壮絶だ。

毎日の激務に、4人の子どもたちの進路や生活基盤のすべてを取り仕切る著者。己に対する過信からか、職場でのあらぬ囁きが耳に入る頃にはすべてを失いかけていた。

職場では上司となった日本人の著者のことを「無価値な人間」だと言われていた。それも影でだ。

著者曰く、彼らほど、本音と建前を絶妙に使い分ける人種はいない。だって、普段はおどろくほどフレンドリーだから。

著者の評価は日に日に落ち込み、アルバイトにまでバカにされるようになってしまう。

大事な会議に呼ばれないのは日常茶飯事。常に根回しは完璧にされている。職場に新鮮な情報が入れられないもどかしさが続く。

意外なほど、海外であっても、卑怯な足をひっぱる輩が多くドリームなんかまったく見当たらない。しかも、いつでも影でその陰謀は深々と進んでいた。

このことを知った著者は激しい劣等感と低評価に苛まれて、不眠症と鬱を患う。

一番苦しかったのは、自分が自分に正当な評価を与えられず、自信喪失してしまうことだった。

また、自分がいいと思えないものや、信じられないものを、人に信じさせなければならなかった海外ビジネスの手法も著者を苦しめるものだった。

無能で存在自体が無価値とまで言われて、職場で孤立無援となってしまった上司。

しかし、このあと、一瞬で場面を変えてしまうのだ。著者は苦しみの境地の中で一筋の光を見つけた。それは、己の自信だった。そう、自信だけだったのだ。いろ鮮やかな変化の朝を迎える。

会社からは、これで最後だと言われた日の朝。布団を蹴って飛び起きた。そして、元気漲る笑顔で出社する。

まわりの誰もが、昨日までの著者とは打って変わった雰囲気に圧倒され、皆が、どんどん、著者の指図で動き出す。

この光景を見たP&Gの役員は、その日の晩、著者に留まるようにと。それから詫びを入れてくるのだ。

すべては、自分の中にあったのだ。

自分が変われば、すべてが変わる。

変わることを恐れるな!と、この虎の巻は教えている。

そして、この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!と結ばれる。

               ★    

わたしは、ビジネス書が大好きで、ビジネス書から様々な問題解決の方法や、生き方などの処世術を学ぶのがライフテーマだ。

一般的な表現で書かれた本や記事はつまらないが、こうした著者自身の生き生きとした体験、喜び、苦しみ等、息ずかいまで感じられる本にはなかなか出会えない。

ビジネスの世界で生き抜いてきた超一流の猛者だ。

※以前書いたブログ「なぜ、ビジネス本を読むのか」も掲載しておこう。https://aystrategy.wordpress.com/2020/03/28/ビジネス本を好んで読む理由。/?preview_id

休日にはこうして、ビジネスモードの羽を休めて、ゆったりと読書するのがいい。

でも、せっかく読んで、いい本だったら、すぐにアウトプットしたくなるってもの。

これで、読書筋×執筆筋のワークアウト終了。

さ、飲むぞ・笑

● 森岡 毅 著者プロフィール

戦略家・マーケター。
高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイディアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化し「森岡メソッド」を開発。

経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建した。

1972年生まれ、神戸大学経営学部卒。
1996年、P&G入社。日本ウィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネジャー、ウェラジャパン副代表等を経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。

革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったUSJをV字回復させる。
2012年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。2017年にUSJを退社し、マーケティング精鋭集団「刀」を設立。


「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、数々のプロジェクトを推進。著書多数。

★2024年9月20日更新 読書と芸術の秋到来!芸術本の紹介~アート思考とデザイン思考の違いも学ぶ【書評・文化】

【ブログ更新134回】

〇〇の秋は多々あるけど、今回は堂々、芸術の秋への挑戦をする。しかも、読書で!心を動かす芸術本の解説をしよう。

● アートのすすめ 秋元 康・著(美術出版社)

あの、名クリエイター秋元 康氏が、その時々で刺激を受けてきた著名な俳優、女優、歌手、画家、各界評論家など全29人の老若男女とのデートを実現させてきた。

その場所はすべて美術館だ。秋元康氏が選びセッティングする気合の入ったデートとなった。

先日、わたしも訪れたばかりの「東京都庭園美術館」にも(故)川島なお美さんとデートされていた。

まったく知らない美術館施設も多く、改めて行きたくなったところはインスタグラムのフォローをしたり、WEBで現在の状況などを確かめてあっという間に数時間が経ってしまった。

旅読本ともいえるね。

10月のGOTOキャンペーンにも使えそうな施設も多い。

● 秋元氏が一貫して読者に「伝えよう」としていることとは

まず、ひとつに「ものごとはシンプルに考える」ことだと。次いで、「偶然は必然」であるものだそう。

そして、デートのお相手を想像して、「ストーリーを追うこと」が最大の楽しみ。

さらに、「ストーリーを作り上げる」過程をこよなく愛するという名クリエイターの言葉には、端的で一切無駄のない思考の持ち主だと脱帽したのだ。

で、最後に、これだけは言っておきたいことは「わが道をゆく」ことだと。

  • シンプルに考える
  • 偶然は必然
  • ストーリーを追え
  • 作り上げる
  • わが道を行く

秋元 康氏の思考が散らばった素晴らしい本。自分の思考の刷新をしたい!なんていう場合もいい教科書になるだろう。

また、日本中の素敵極まりない美術館でのデート対談はことのほか素晴らしい。

● デザイン思考とアート思考の違いを改めて書き出してみた

秋ならではの「ニンジンと豆腐のスープ」

デザイン思考とアート思考。この二つはよく比較されるものだ。

近年イノベーションの手法として注目を集めているデザイン思考デザイン思考とは、利用者を深く理解することにより、利用者の潜在的な課題にアプローチし、解決策を生み出す思考法。

一方の、アート思考は、自分を起点に、価値観の再定義を繰り返しながら、自分なりの答えを描き出す、よりクリエイター色の出やすい思考法だ。要するにセンスのアップグレードが狙いだ。

より鮮明な考え方になるが、デザイン思考では、基本的にものごとの道筋さえ、しっかりと導ければ、誰でも同じ結論にたどりつけるという思考法。

たとえば、水道の蛇口をひねると水が出る→水を止めるのも蛇口を回すという一連の動作にデザイン思考はふんだんに含まれている。

暮らしや生きるための知恵や常識となる考え方。

一方、アート思考は徹底的にものごとの「違い」を作り出す思考法。アーティストといわれる人は、常に他人とは違うデザインや切り口で作品を創作している。

さらに、芸術といわれる作品の解釈は、観る人にゆだねられているものだ。だから、一つとして同じものはない。

ここで言えることは、アート思考では「同じ」を増やさず、「違い」を増やす思考法なのだ。

この誰でもたどれる道筋も、同じを増やさない考え方も、人間が生きやすくすることに重要な役目があるのだそうだ。

違いを知ることは、知識の泉を何倍にもしてくれる。

最後に紹介したい本をもう一冊。

閉塞感を打ち破る自分起点の思考法

建築士→アート研究者→大企業での新規事業立ち上げ→起業家
様々な領域を行き来し試行錯誤を重ねた著者。


答えのない時代を生き抜くための1つの答えにたどりついた。

それが、アート・シンキング

なぜいまビジネスにも人生にも「アート」が求められているのか?

アートに精通し、ビジネスの現場にアーティストの思考を取り入れる話題の一書だ。

【お知らせ】

9月21~22日はブログメンテナンスのため、お休みします。再開の時にはどうぞ、よろしくお願いいたします。Miiko



読書の秋「運命の一冊」を探す旅~読書で人生は変えられる 【書評・自己啓発】

【ブログ更新125回】

● さまざまな人生問題の95%以上は本で解決できる

今の現状に満足している人はほとんどいない。

もっと、収入があれば・・・

もっと、やりたいことがあるし、天職をみつけたい・・・

もっと、家族や同僚・友達との関係もよくしたい・・・

このもっともっともっと・・・の希望はいくらでも上げられるし、キリがないだろう。

このもっとを解決する唯一の方法は読書だ。今、もやもやする生活から速攻で脱出するには読書をおススメする。

なぜなら、「本」の世界は驚くほど深淵なもの。この世のありとあらゆる問題を解決できるのではないだろうか?

この「本」で、さまざまな問題を解決できる!論は精神科医/樺沢紫苑氏の論説だ。しかも氏、曰く95%にも及ぶのだそうだ。

驚き。

自分の頭でいくら状況を打開しようと首をひねっても、それには、今までの蓄積が足りてなければ、すぐに限界値が見えてしまうもの。

わたしも経験豊富な人を頼る場面がないわけではないが、大抵のことは「本」で解決できてきた。

それは、人の知恵と本の知恵を掛け合わせて問題解決を続けてきたともいえる。

たった1500円前後の本に何千、いいや、何万という人たちの経験や事例、失敗した、上手く行ったなど、いくらでもお手本例を引き出せるものだからだ。

先人の知恵は本屋に行けばいくらでも売っているのよ・笑

ただ、フロー情報という新しい流れてしまうものはネット検索など、いわゆる一次情報で充分かもしれない。

しかし、手元にストックして置きたい知識や先人の知恵は、本でしっかりと押さえておきたいものだ。

● 知識の貯蓄してる?

お金の貯蓄ならどんな人でも興味津々で、話を聞くだろうが、いざ、知識の貯蓄って?はて?と、首をひねるだろう。

ここでいう、知識の貯蓄の源もやはり「本」だ。数々の困難も、本の知恵の貯蓄で乗り越えて来れたと自負している。

今まで、相当の数の「本」を読み続けてきて、「本」のあれこれを詰め込んだ特化ブログを継続中。

わたしのやりたいことはこれだったんだと「本」が教えてくれた。

わたしの知識の貯蓄法3選

① 純粋に今の仕事に活かせる本を選ぶ。(仕事が変われば読む本も変わる)

② 物語や小説の類(これは、文体の好み、趣味し好に準じている。わたしは片岡義男氏&村上春樹氏&村上龍氏の作品は、表面的にはほぼ読み尽くしてきた。けっして男性的思考ではないが)

③ 運命の一冊 (文字通り、己の人生を変えた!揺るがす!一冊。人により複数冊ある場合もあり)

と、こんな3つの「本」から得る知識の貯蓄を、かれこれ40年近く重ねてきた。

この3つにすべてが収まっているとは、自分で書いてみて驚きだ。

● わたしの「運命の一冊」

さて、わたしの運命の一冊を紹介しよう。

さあ、才能(自分)に目覚めよう

コロナ禍で不安定な今だからこそ、自分を知ろう

【書籍概要】

累計96万部突破。

隠れた才能を開花させるための戦略やアイデア、ヒントが満載!

あなたは毎日、最も得意な仕事をする機会に恵まれているか?

全世界で2,351万人が活用したストレングスファインダー考案。

ウェブテストで、あなたの強みを「見える化」しよう。

巻末にストレングスファインダーテストコードが添付されている。

このコードを使って、あなた個人の強みを知る事ができる。

それは、一つではなく、多角的に強みを導いてくれる優れたテストなのだ。

人生で、様々なテストを受けてきたであろうが、自分の強みを知るテストはほとんどの人は受けてはいない。

であれば、今すぐにでも自分の強みを知って、仕事や家庭、人間関係などに活かしてみてはいかがだろうか?

毎日、自分の強みを使うチャンスがあるだろうか。おそらくないだろう。

多くの場合、才能は未開発のままだ。ゆりかごから職場まで、私たちは強みを伸ばすよりも欠点を直すために多くの時間を割いている。


人が才能や強みなど「その人の良いところ」を見出すには、まず、それらについて自分自身やまわりの人たちに説明できるように「言語化」する必要がある。

2001年に出版し、人々が持つ「34の資質」を明らかにした『さあ、才能に目覚めよう』は国内で累計50万部のベストセラーとなり、世界中で話題となった。

あなたの強みを「見える化」してくれるツール〈ストレングス・ファインダー〉を使って「トップ5の資質」を発見した人の数はいまや数百万人に及ぶ。

著者について

トム・ラス
優れたビジネス思想家であり、ベストセラー作家のひとり。

著書に、本書のリーダーシップ編にあたる『ストレングス・リーダーシップ』や、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストで第1位を獲得した『心のなかの幸福のバケツ』(いずれも共著、日本経済新聞出版社)、『幸福の習慣』(共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

ミシガン大学とペンシルベニア大学で学位を取得。現在はワシントンDCで家族と暮らす。

● なぜ、「運命の一冊」なのか

なぜ、わたしの運命の一冊になったなのか。それは12年前の脳出血発病後、退院し家に帰った時のこと.。

これから、この麻痺がある身体と共に、一生、どうやって生きていけばいいのか?すべての仕事にどうやって戻るか?一日中うなされるように考え続けていた。

その時、本棚に倒れる前に買っていた、「さあ、才能に目覚めよう」が目に入ったのだ。ピン!ときて、もう、貪るように読んだ。

そこには、数々の困難を独自の方法で乗り越えた人達のレポート集が載っていたのだ。

そのレポートの中に、ひとりの弁護士(男性・40代)がいた。

彼は、ある日突然脳の病気で倒れた。症状はわたしとよく似ていて、運よく命は取り留めたっものの、重度の言語障害を患ってしまう。50音の「か」行が発音できず全滅だったと。

その後、燃えるような激しいリハビリを自分に課して、見事、法廷の現場に弁護士として戻る。

彼の言語障害の克服方法は「すべての言葉をゆっくりと話す」これだけだった。そして、その後、彼はすべての弁護で勝訴を勝ち取るのだった。

1音1音ゆっくりと話すことで勝訴できる!言語障害をどう克服するかがすべての課題だったわたしは、一筋の光明を見出したのだ。

彼独自のスピーキングで、身振り手振りを入れながら、向き合う相手に真摯な言葉かけをしていったそうだ。

その姿に周りは感動する。話を聞き逃さないようにしながら一生懸命聞いてくれるのだ。

こういった、周りを巻き込みながら、自分の主張を伝えていく過程は、その後のわたしの大きな礎となった。

わたしは、この方法を自分の仕事復活の第一に応用しようと決め、その日から彼の取り組んだ方法を日本語に変換して、まず、50音をひとつ、ひとつ、ゆっくりと大きな声で発音することから始めた。

猛然とというか狂ったように、一日何時間も言葉を紡ぐ練習をした。

現実に弁護士が職場に戻っている!と。この事実に圧倒されたし、希望の未来を描けるようにわたし自身が生まれ変われたのだ。

そして、彼の体験を信じて圧倒的に練習に取り組むことで、会社との約束であった6ヶ月後に営業に復帰できた。

たった一冊の「運命の本」との出会いで、わたしの人生は開かれた。

やはり事実に勝るものはない。「事実は小説よりも奇なり」だと。また、ネットとは違う本の持つ信憑性の高さにも評価がなされるものだ。

さて、この秋、新たな運命の一冊を探す旅をはじめよう。

文体を知るには本をしっかりと読むことから始まる~村上春樹氏の文体をひも解く 【書評・文化】

【ブログ更新111回】

クラウドソーシング「ランサーズ」

昨日の某新聞のコラムにこんな記事があった。

このところの読書量の低下が危惧されているという記事。しかも読書量の低下は年代を問わずだということだ。

現代は60代でも本を読まなくなった

20代から60代で1ヵ月に紙の本を読むのは「0冊」と答えた人は、平成25年時には28,1%だったのが、同30年には48,8%に増加。約半数の人が「1冊も読まない」という結果だったと。(国立青少年振興機関調査による)

まったく、本を読まないのではなく、本屋にも行かないのだろうか、また、電子書籍やオーディオブックなどの利用者、そのあたりの動向も合わせて調査してほしかった。

今となっては、書店で身銭を切って読みたい本を買う、このこと自体、精神的に贅沢な習慣であり、文化の継承を担う大切な行為なのだ。

わたしの仕事は書店営業だ。書店へ訪問し、担当という人間を相手に自社の書籍を紹介し売る。書籍は事前に配本制度によって、様々な本が店舗クラス別に数字が定められ、取次から搬入される。

少ない数字なら棚に入ってしまい、売れなければポスで落とされて返品されてゆく。そこを、数の調整をして平積みにしてもらうことや、売れ筋作家のフェアを組んでもらうなど、平常の在庫チェックやストックの管理以外にもやることは膨大だ。

で、昨日も感じたのは、今、店頭には第163回芥川賞受賞の2作品が、だいたいどこでもど~んと平積みされている。その中に混じって、今月の売れ筋、例えば村上春樹氏の新刊2冊がこれまたど~んと積まれている状況。

しかし、売れるも売れないも、すべて書店のプロ級の売り場担当のセンス一つだ。本の席は売れる順番がある。このマーケティングの基本を押さえているのがプロなのだ。

京都・三条 丸善書店にて

しかし、以前も書いたことだか、本は売れないのに、書きたい人は爆発的に増えている。なぜなら、SNS効果で、皆が文章に親しんで、ちょっとしたことから深い内容のことまで文章で表現し始めたからだ。

だから、書きたい人はどこかで己の文章を発表するためにSNSを海遊する海遊魚になっているのだと言われている。

アマチュア小説のサイトカクヨム、noteのような独自のセンスを元にアマチュアから一部のプロ達の作品を集め、企業コラボで作品賞を公募するサイトなど、SNS機能をふんだんに利用して沸きに沸いたサイト運営をされている。

思うに、時代は変われど、心に読書と思索の暇を作るのが、書く前の先決ではないかと。

要するにネットであれ、紙であれ、もっともっと本を読もう!という話だ。もう、秋だしね。

● 文体の基本で悩んだらこれ

さて、ここで、文体の話を。

今まで5年ブログを運営してきているが、ごくたまに質問を受ける。

例えば「SNSで何か書きたいのだけど、です・ます調?だ・である調?ここでつまずいてしまい、なかなか書けない」と、自分らしく書けないもどかしい思いを、先日ちょっとした会話の中で聞いた。

この一見基本的な部分でのつまづき、多くのSNS慣れした人ならば、な~んだ!そんなこと!と思うかもしれないが、とても当人にとっては「一大事」な部分。

で、わたしはその質問にこう答えた。

どういった内容で誰に向けて書きたいのか?によります」と、お応えした。小さな子どもにでもわかるように書くなら、「だよね」でもいいが、対大人であれば、「ですよね」となる。この違いを見分けながら書くのが基本だ。

わたしはブログ第1回からずっと「常体」(だ・である調)で書いてきた。はじめは気恥ずかしかったが、慣れるもので今ではこの書き方で統一している。

もし、書き方で悩みがあるなら、編集者と呼ばれる人たちの文章に触れるとよい。彼らは文章のプロだ。わたしもお気に入り編集者3人の記事やブログ、書籍をすべて読んでいるが、本当に役立つ発信ばかり。

限られた時間を無駄な発信を読むことに費やすことはできない。それほど編集者の発信は有益であり、主張でもある。

こうした何気ない勉強と、普段から書籍をしっかりと読み込むことで、文体のあれこれに囚われずに書けるようになるものなのだ。

頭で考えるよりも、触れて感じろって・笑

軽~い内容の文章の末尾が「・・・だ」「である」では重い。そういうことが肌でわかるようになるだろう。

要するに軽いしゃべり言葉の延長なら「だよね!」で充分。

● 書き手と文体の関係性がわかった

文体とはなんだろう・・・ここが自分の頭の中にすっと、浸透するレベルで理解が進んだ時があった。

きっかけは、京都の天王山で頂いたウイスキーを味った同時期に、スコットランドのアイラ島を舞台に書かれたウイスキーと言葉の話という作品に出会い旅先で読んだのだ。

ひとことで言えば、わたしは村上春樹氏のエッセイを旅先でなぞりながら(お酒を頂きながら)の読書旅をしたのだ。アイラ島ではなく真夏の京都で。

サントリー天王山・山崎蒸留所にて

春樹氏の持つ、文体の魔力に一気にやられてしまったのだ。

村上春樹氏がシングルモルトを好んで飲むのは言葉しかない世界で生きるために「自分をほどくため」に飲むのだ語る。また、こんな文章が。

もし僕らのことばがウイスキーであったなら」村上春樹・著

~「もし僕らのことばがウイスキーであったなら、もちろんこれほど苦労することもなかった」はずだ。

ぼくは黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って靜かに喉に送りこむ、それだけですんだはずだ。

とてもシンプルで、とても親密で、とても性格だ。

しかし、残念ながら、僕らはことばがことばであり、ことばでしかない世界に住んでいる。僕らはすべてのものごとを、何か別の素面(しらふ)のものに置き換えて語り、その限定性の中で生きていくしかない。でも例外的に、ほんのわずかな幸福な時間に、僕らのことばはほんとうにウイスキーになることがある~文中から

~真夏の京都。

ビールは喉に染みわたるも体に素通りしていく水のようなものだ。

しかし、ウイスキーは喉をある意味こじ開け、体の隅々にまで浸透し行き渡る熱を楽しむ飲み物なのだ~

ビールとウイスキーの喉ごしの違いを村上春樹風文体で書いてみた・笑

そして上の文章が、村上氏の書く文章から読みとった感覚だった。

自分流に解釈し、飲み込むことで、そこはかとなく流れる、わずかな幸福の時間を過ごせた。まるで文体がここまで、わたし達を連れてきてくれたような気分。

書きたいことよりも、己の文体=伝わる力を最優先する文章。やはり天才的な書き手だ。

村上春樹氏の作品すべてが、こうも読みやすいものばかりではないことは、世間で多くのハルキストが語れるであろう。

どんな長編小説でもプロットを立てずに一気にどんどん書き、推敲に推敲を重ねる独自のスタイル。文章のリズムが悪い場合は、わざわざ英語で執筆し、それを翻訳する手間を使い、まったく別ものを生み出す。

しかし、わたしのようなハルキストではない、普通の人間であっても、氏の書く豊潤な文章に酔いしれることができた。

すべてが文体に始まり、文体に帰着していることが体でわかったのだ。

それは、氏の持つ緻密な文体構築戦略にハマれるかどうかが勝負だったのかも・笑