№1 人間力を高める読書の秘訣~5つのカテゴリーで毎週2作品ブックレビューする / 1冊め・『努力論』幸田露伴・著(岩波新書)【書評/選書・自己啓発】

【ブログ新規追加244回】

この1月、東京都民のわたしは、仕事以外で不要不急と称する外出はほぼしていない。

近所の散歩や仕事ついでの買い物、ついでで訪問できる都立公園など、まったく無理ない程度で生活を楽しんできた。

元々、その程度で充分満足できるアクティビティで、心身ともに健康を保ってきたことで経済的にも圧迫せず、実に気持ちのいい習慣になっている。

不要不急の外出?そうね。ずっと前からあまり思いつきで出かけないの。

いつも不要不急を気にしてきたのかもしれない(笑)

で、今日も週末の買い出し終えて、不要不急の外出をしないから時間がたっぷりとある。

そこで、平日の疲れを取りつつ、平日は飲まないお酒を呑みつつ、人生において大事だと思う、「人間力を高める」ために役立つ書籍のブックレビューをていねいに書こうと思う。

5つのカテゴリーで、書く予定。

能力の活かし方

人間関係を築く

学び方

考え方・表現

どう生きるか

今のわたしが考えるカテゴリーで、今の言葉に置き換えて、要約レビューをする。

ずうっと、やりたかった要約レビューにやっと辿り着いた。嬉しい。

今日は、小説家・幸田露伴の自己啓発書『努力論』をひも解く。カテゴリーは「能力の活かし方」

「鳥は鳥を愛する家の庭に集まり、草は草を除き残す家の庭に茂るように、福というものもまたこれを尽くさない人のところに集まるものだ」文中より

努力論』幸田露伴・著(岩波新書)

さっそく、レビューをはじめよう。

大きく、3つの柱を立てた。興味のあるところから読んで行くのもいいかもしれない。

● 文豪が書いた人生論がなぜ、すごいのか

大文豪、幸田露伴といえば、不滅の名小説「「五重塔」がある。また、「頼朝」「平将門」などの史伝でも有名な小説家である。

しかし、露伴はたんなる小説家ではなった。

むしろ露伴の真骨頂が発揮されたのは、『努力論』に代表される幅広い教養と、深い人智に裏打ちされた実践=使える人生論を熱量も高く、執筆し切ったことにある。

努力論』の初版は今から約110年前の大正二年だ。

そんな、昔の本など令和に生きるビジネスパーソンには役にはたたないだろうと思いがちだ。

しかし、『努力論』にしたためられている、数々の露伴のエピソードから「人生を真剣に生きよう!」と願う人にとって最適であると考え、1冊めの登場となった。

現在、書店に並ぶビジネス本は、「稼ぐ」「スキルを積む」「ストレスを軽減する」など検索キーワードに上がる内容の書籍がずらっと並ぶ。

そこには、わずかだが教養が色濃く出ている書籍もあるが、どこか一過性であり、その場しのぎに必要なことがらテキストばかりなのもうなずける。

だから、「教養」や「人間力を高める」などを学ぶには、独自で古今東西の優良な書籍からひも解くしかあるまい。

110年前の露伴がそうだったように。

時代は変われど、人は変わらず

● 人生での3つの福とは

人の幸運・不運はどのようにしてきまるのか?

露伴が作中で、ずっと問いかけていることがらだ。露伴は独自で「幸福三説」という論を唱えている。

幸福三説

① 「惜福」・・・何かのはずみで頂いた福を,一度に使い切ってしまわない。冒頭の「鳥は鳥を愛す庭に集まる~~~」の通り、一生の内で何度か最高の福を手に入れても、調子に乗ってしまわないようにと、戒められている「福」だ。

② 「分福」・・・天から与えられた福を一人占めしないで、分けられるものは人に分けること。

例えとしてこんな風に文中では書いている。「大きな西瓜を一度に全部食べてしまわず、少し残しておくのは惜福だが、同じ西瓜を他人とシェアすることで、美味しさの共有が生まれ、相手からも感謝される。これが分ける「福」であると。

③ 「植福」・・・露伴が考える、惜福や分福より、「卓越して良いこと」を指す「福」だそう。

文中にはこうある「我が力や情や知を以て、人世に吉慶幸福なるべき物資、情趣、知恵を寄与すること」だと、解かれている。

つまり、新たな知恵でも、新しい商品でも、発明でも、世のため人のためになる行いを植える「福」だと言う。

また、こうも言っていた「福の創造を行い、それを丹精込めて世話をし、改良を重ねればさらに「福の増殖」となる」と。

まさに、クリエイティブな人はさらにクリエイティブに生きることで「植福」が叶うのだね。

『努力論』の具体性に驚きの連続。まったく今でも充分通用する内容ばかり。

使ってナンボの実用書籍~(笑)

● より具体的であり、実践的な人生論~精神論ではない

さらに、読み進めると、驚くのは、古今東西の名士の格言や箴言などを多数取り上げているのだ。

源頼朝、豊臣秀吉、徳川家康、ナポレオンなど、歴史上有名な人物に関する豊富なエピソードが満載。

露伴の並々ならぬ情報収集力には舌を巻くものだ。今の時代に生きていたなら、小説家だけでなく、トップブロガーまたはユーチューバーになっていたかもね(笑)

こうした、世間の役に立つ情報を取り揃えて作品を作るわけだから、説得力のある内容が際立つのは当然だろう。

世の中には、いつも幸運に恵まれる人がいる一方、いつもなぜだか不運に見舞われる体質の人もいる。

同じ人間なのに、どうして、天と地の違いが生まれるのか。

もし、こんなある意味、不公平感に苛まれている人にはこの『努力論』はうってつけの書籍だろう。

110年前の本だが、文語体で読みやすいと言えばまずそうはいえない。

しかし、さほど頭に汗をかくこともなく充分に誰でも理解できる、人間力を高める指南書となっている。

ぜひ、小説家の書いた自己啓発本をご覧ください!

古くて新しい、何かが発見できるかも。

温故知新は偉大



~自由であること~形式から抜け出し本物を目指すための一冊を紹介『春の海』宮城道雄随筆集【書評/文化・新年の雑感】

【ブログ新規追加232回】

1月4日 朝9時の月。

下弦の月

下弦は6時間進んでいて、0時にのぼり12時に沈む。そのため深夜過ぎや未明に見やすい。夜浅くに西の空に見える上弦の月は、弦の部分が上に見える。(Wikipediaより)

今朝の月は、澄み切った空気のせいか、くっきりと撮れた。

                  ☆彡

さて、2021年は「ノーストレス」を目指すことを決めて眠りについた12月31日。ベートーヴェン交響曲「第9番」の最後はうつらうつらとしながら、2020年にまみれたストレスのアレコレを反芻した。

身体の具合や人間関係や家計など、小さなわたしを苦しめるストレスはいくらでも思い出せるし、そのどれもが場当たり的な対処で乗り切ったものばかりだ。

中でも一番堪えたストレスは、「新型コロナウイルス感染防止対策からの緊急事態宣言発出」だった。

4月~5月のこと。

仕事に出られない・・・はじめての経験。それが、こんなに不安な気持ちにさせるものなのか。2か月の間、片頭痛や胃痛・腹痛などストレスの過大な影響を否応なしに受けてしまった。

そこから、今までのような希望的観測じみた浅い考えは、何一つストレスの解決にはならないという事実が分かった。

自分の浅い思考を立て直すには、巷のビジネス本などまったく役に立たない。永久不滅と言われる哲学や、絶望から這い上がった偉人のエッセイを貪り読んだ自粛期間だった。

それは、このブログでもまったく紹介はしなかった。わたし自身の咀嚼があまりすすまなかったのが一番の原因だ。

やっと、まとまった感じなので、この一冊を紹介しよう。

『春の海』宮城道雄随筆集 著・宮城道雄

お正月を代表する箏の名曲『春の海

作曲者として有名な盲目の箏曲家・宮城道雄氏の随筆集。(文春文庫)

日々の出来事や旅行、季節の移ろいや芸道について、盲目であるからこそ掴める奇跡の音。

毎日、耳にするすべての音を文字に起こし、文章を家族に口述筆記してもらい作品に仕上げた。日々の何気ないことから、こんな悲惨な出来事まで。

タンスの角に目をぶつけてしまい、眼球を潰してしまったので、それを取り出す手術を受ける著者は、自分の眼球を触らせてもらい、その感触までも文章にしている。

「まるで、大きな熟した葡萄が潰れた・・・」など。恐るべしだ。

内田百閒をはじめとする友人たちとの交流も語られ、盲目だから人生が楽しめないか?というとそんなことはまったくない!と豪語する著者に始終圧倒され続ける。

とにかく、その語り口から素直でおしゃれで意気揚々とした人物像が見えかくれする。

著者はもちろん邦楽への親しみも増していくなかで、ラベルドビュッシーの現代ピアノ曲に影響されていく。

また、日常や旅先の出来事などを描いたものには、見る夢も「全く声ばかり」という、音と触覚だけの世界を文章にしたためた、類を見ない傑作エッセイ集だ。

音楽家として、数々の演奏会へ出向く道雄氏だが、ある日、ヴァイオリンの演奏会に赴いた幸福な一夜を辿る「メニューヒンに魅せられて」がわたしは大好き。

                   ☆彡                                                                          

と、この本が一番、当時のわたしの心境に見合った一冊だった。

見えないから」ではなく、「見えないからこそ」最高の人生を手に入れたとまで書かれていた。

わずか、9歳で全盲となった宮城道雄氏

子どもの頃は見えていた目が、段々見えなくなることの恐怖や絶望感は、計り知れない。

翻って、現在、わたしたちが向き合いざるを得ない、新型コロナウイルスの脅威。

たかがコロナとはまったく言えないが、しかし、されどコロナだろう。

自分の置かれている状態を嘆いても、腐っても何ひとつ進展はない。

そんなストレスも、自分の謙虚なる気持ちに従って、淡々と新しい一年を越し続けて行くのだ。

浅い評論家からは、距離を取って、地味に強かにやって行こう。

【年末年始おススメの本・書評】『ファイブ・5年後、あなたはどこにいるのだろう?』ダン・セドラ著(海と月社)

【ブログ更新207回】

2013年日本版発刊。発売当初、書店頭でパッと目を引くビビットな赤の本が膨大な数で平積みされていた。

ファイブ 5年後、あなたはどこにいるのだろう?ダン・セドラ著(海と月社)

帯のことばに一瞬で気持ちが持っていかれる~先延ばしの人生は今日で終わろう!~とある。「見る」「読む」「書く」であなたの可能性に火をつける!と。

これは、デザインの本でもなく、絵本みたいな形だが児童書ではなく、完全な自己啓発の本なのだ。

冒頭にこうある。

「人生で次に起きることを決めるのは、わたし。それを実現するための戦略を立てるのも、わたし。」

これからの5年間で、本当にしたいことは何かを考えようと。これが大筋のテーマである。

7つの習慣」の「主体性を発揮する」「人生の脚本を書くのは自分」と似通っている。

過去の偉人たち(ヘレンケラーやピカソ)が5年という時間で成し遂げたことや、人生における基本的な価値を定める必要性についての説明がある。

【書籍概要】

この本の特徴は、Q&Aで書籍本体に書く行為で、行動を促す本だ。たとえば、こんな質問が著者から投げかけられる。

Q,あなたが人生で、もっとも高い価値を置いているものは何か?

  1. 自分自身について、いちばん気に入っているところを3つ、いちばん気に入らないところを3つ挙げよう。
  2. 知り合いのなかで、いちばん幸せな人は誰か?
  3. いちばん好きな人、尊敬している人を2人挙げよう。その理由は?
  4. わたしは何者か? 

より具体的に応えることで、自分自身の棚卸しが叶う。

この質問だけでも、軽く30分ぐらいはかかるだろうな・・・(ふぅ~~笑)それでも棚卸しだから、充分に自分のために時間をかけてあげたい。

もちろん、わたしも5年後をにらんでの自問自答をせっせとやろうと考えている。

冒頭で人生の軸となるキーワードがわかるのがいい。

「人生のミッションステートメント」「目標・夢」「自分にとっての成功の定義」といった質問にどんどん答えてみたくなった。

古今東西の著名人の「勇気が湧いてくる言葉」と「書き込み式の問い」が続くのだ。

「HOW WILL YOU(あなたならどうやって)」「CHANGE THE WORLD?(世界を変える?)」著者からのメッセージに気持ちも盛り上がる。

それから質問を答えていくうちに、今まで考えたこともなかった「見えなかった本当の自分」が自然に可視化されてゆくのだ。

実際にやってみなければ、この本の即効性や効果は実感できない。

特に「この先どうしよう・・・」と、未来について不安に思うなど、考えてることが多い人におすすめの一書だ。

最後に裏表紙のアブラハム・マズローの言葉から

人生は何のためにあるのか?それは、あなたのため

● 海と月社の書籍紹介

数年に一度は大ヒットを出す出版社で、わたしのこのブログもフォローして頂いている。

前回の書評のブログをもう一度ここに添付しよう。




★2024年11月18日更新 『FACT FULNESS』ファクトフルネス~学校では教えてくれない世界の教養【書評・文化】

【ブログ新規追加189回】

書籍「ファクトフルネス」は、TEDトークで、伝説のプレゼンテーションを行ったハンス・ロスリング氏が書いた書籍。

ハンス氏のプレゼンテーションは、TEDトークの数ある人気プレゼンの中でも、ダントツの視聴回数を誇る。

教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口問題などをテーマに、世界の正しい見方をわかりやすく紹介するハンス氏。

本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げている。

いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介している。


これらのテーマは一見、難しくて遠い話に思えるかもしれない。

でも、大丈夫。

著者のハンス・ロスリング氏の説明は面白くてわかりやすいと評判だ。

その証拠に、彼のTEDトークの動画は、累計3500万回も再生されている。

で、こちらが伝説のTED(You Tubeより)

【書籍概要】

ファクトフルネスとは データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。


世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキルが「ファクトフルネス」なのだ。

【もくじ】

イントロダクション
第1章 分断本能 「世界は分断されている」という思い込み
第2章 ネガティブ本能 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
第3章 直線本能 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
第4章 恐怖本能 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
第5章 過大視本能 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
第6章 パターン化本能 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
第7章 宿命本能 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
第8章 単純化本能 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
第9章 犯人捜し本能 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
第10章  焦り本能 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
第11章  ファクトフルネスを実践しよう
おわりに

かしこい人ほど囚われている10の思い込みはこれだ!1章~10章のもくじにすべての囚われる原因が膨大なデータとともに書かれている。

ここでは、11章の実践編を解説する。

● 11章 ファクトフルネスを実践しよう

著者のハンス氏の本業は医師である。長い間アフリカでの感染症予防対策と、新型の感染症の発見などを手掛ける研究チームで中心的な役割を果たしていた。

この時、とある村で新しい感染症「コンゾ」を発見し、チームは急いで、緊急対策チームとなり、村人が感染症に羅漢していないかを調べるために、村人の採血と診断の準備に入るのだが。

外で、50人ほどの村人が手にナタや刀を持ち、ハンス氏らのチームを奇襲してきたのだ。

彼らは、ハンス氏たちの注射を大量に用意する姿に「血液を抜き売りさばく業者」だと思い込んでしまったのだった。

ハンス氏のチームが、事前にしっかりと丁寧に村人に「新型の感染症が見つかったこと」「羅漢者が出ていないかを調べるために緊急でできる限りの村人に血液採取を願う要請」をせねばいけなかったのだ。

それを怠ったために、緊急チームのテントが奇襲されてしまった。

ハンス氏チームの修羅場を救ったのは、まだ10代のなんの学歴も無い小さな女子だった。

慌てて、すべての説明をするハンス氏の言い分をきちんと聞いて、村の血気盛んで優秀な男たちを一瞬で諭すのだ。

女子「この人たちは悪くない。この人の言う通りだよ。以前、はしかでたくさんの村の人が亡くなったよね。あれをまた、繰り返したいの?さあ、みんな、血液検査を受けて!」と。

以前、村中で苦しみ、悲しんだ記憶をたよりに「はしかの体験から正しいことを正しく判断し皆を導いた」この女子は、ファクトフルネスを大いに活用し、ハンス氏チームメンバーの命を救ったのだ。

このアフリカでの経験から、ハンス氏はデータ分析や人の思考の元になる教養、経験などを一つ一つ洗い出し、さらなる分析を重ねてTEDで発表。

世界的ベストセラー『ファクトフルネス』を生み出したのだ。

お金も権力も一切関係のない、思考と経験=脳内データという人間の持つ宝を自然に使いこなすことですべての問題は解決できる!

やり方は問題に対して→では、どうするか?すべての道すじ、英知を総結集させてものごとに向き合う。

ファクトフルネスをやることで、「勇気」「忍耐」「英知」が自然と身につき、悪いことを考えにくくする。良質な思考を積み上げてゆけば、常に正しい判断ができるのだ。

結論から言うと、この本は「全ての人」が読むべき本だと言える。

本の帯に「賢い人ほど世界の真実を知らない」とある。

いかに日々の報道や幼少期の教育によって、私たちが間違った事実を信じ込んでしまっているかという非常に分かりやすいデータがこれでもか!というぐらいに詰め込まれている。

データとケーススタディ三昧の本書。

ぜひ、一度手に取ってみて。

読むかどうか決めるのはあなた。

★2024年11月11日更新 自分に合った勉強スタイル→持続する~身につくブレイクスルーとは 【自己啓発・ブレークスル―術】

【ブログ新規追加183回】

● 自分に合った勉強スタイル→持続する→身につくブレイクスルーとは?

行き詰まりを突破する」~簡単に言うと、そういう意味のブレイクスルーという言葉がある。

科学的知識が飛躍的に発展したり雲間から太陽が出現するような、そんな意味がある希望の言葉だ。

割と、しょっちゅう、営業先でも難題にぶち当たったりして頭が煮詰まる。

逃げてしまうわけではないのにせよ、「どうやってブレイクスルーしようか?」と、考えを巡らせるもの。

そこで、思い浮かぶのが「勉強軸」でブレイクスル―して、角度を変えて問題を解決しようと。

ここで言う勉強するとは、状況を打開してくれる材料となる知識を得ること。

その知識の何を、どういう組み合わせて、どう自分にフィットさせていくか?を考えないと、ブレイクスルーは進まない。

学生的方法ではない大人の勉強スタイルとして、身に付きやすくストレスの少ないやり方で、しかも効率的に学びたいものだ。

プロセスにすると次のようになる。

◉ 自分に合った勉強スタイル→持続する→身につくブレイクスルー

と、こんな感じになる。

さて、ブレイクスル―する場面は、なにも仕事の現場ばかりではない。

大昔、こんなことがあった。ここに書き留めておこう。

                                                            ★                           

30年前、NYのレストランで、英会話の本を元に食事のコースを2人分頼んだはずだったが、どうみてもメインだけが3人分出てきた!

で、何度言い直しても、まったく動じない。要するに「ファーストで聞いた注文だ!」と、言い張るのだ。

結局、その3人前のエッグベネディクト風のビッグな肉料理を夫と二人でヒーヒーしながら食べた記憶が蘇ってきた。

なんて苦い経験(とほほ~)

                                                          ★


やっぱり英語ができなくちゃ!っと帰国後は意気込んでみたが、まったく続かず。すぐに撃沈となってしまった。

この場合のブレークスル―は、すぐに次の海外旅行を決めてしまう!これに尽きる。必然性とやる気を掛け合わせて、今後は失敗しない料理の頼み方を身につけよう!とか。

忙しい毎日に勉強軸を落とし込むのは本当に難儀中の難儀。

今まで何度も中断してきた英会話などは、やはり、仕事などで必然性が生まれなければ、全くやる気もしないもんよね。

 観光程度で海外へ行っても、単語を並べることでやり過ごしてしまえるし、ぶっつけ本番の緊張感を伴う旅もそれはそれで楽しいもので、身を入れてやる気が起らない。

しかし、先のエッグベネディクト風料理の話ではないが、こういった場面で、スラスラと英語で対話できたらどんなに楽しいだろうと想像する。あっ!妄想か(笑)

相手だってきっと同じ。東洋からきた言葉の通じない宇宙人みたいな人を相手にするのはさぞ、辛いだろう。

で、平和的解決=ブレークスル―は、できないほうが、できるようになる!たったこれだけ。

● 大人の勉強法~ブレークスル―だけではない基本的思考

自分の頭で考えて自分の意志で、自分に必要な勉強は何か❓を考察する。

やはり、こうしたことが学業終了以降の大人には断然必要だと感じる。

 当面のライバルがいるわけでもないし、他に何の縛りもない。

「何もやらない」という選択もできるのだが、期限をつけて大学課程でもう一度勉強し直す、なんてことも可能だ。

自分の強みは何か❓を見極めて、仕事の幅を広げ人生を豊かにしていくのも、すべて勉強次第。

勉強に取り組むスタイルは生き方の姿勢に通じていくものだろう。

 そこで、私は何を使ってどんなスタイルで勉強に取り組んでいこうか?と自分自身に問い直してみた。

何処かで誰かの講義を聴く時間と、身近なWEB記事や新聞からの極力加工されていない一次情報をしっかりと毎日頭に入れていくと決めた。

書籍紹介

僕らがやっている最強の読み方」東洋経済新聞社・池上彰氏×佐藤優氏が、新聞・書籍・ネットなどからの情報をどうやって有効に取り込むのが良いか?という秘訣を、惜しげもなく披露してくれている。2016年出版だが、自分の知見で正しい情報をつかむ、コロナ禍の今に断然フィットする内容だ。

【書籍概要】

まずは最低限、自分の読んでいる新聞の元の思想やニュース源がなんであるか?ということをしっかりと捉えておかないといけない。


新聞はWebを併用して1紙5分でざっと読む。雑誌は週刊誌中心でOK。ネットは使いやすいお気に入りサイトを選りすぐる。

 ◉ 世の中で起きていることを「知る」には新聞で。
 ◉ 世の中で起きていることを「理解」するには本で。

 結局、身近な新聞各紙で勉強する!と簡単な方法に落ち着いた。

知的好奇心を揺さぶる知識は自分を守るためのツールであると同時に、心が喜ぶ栄養だろう。


 さて、手始めにまず、新聞の4コマ漫画読むぞ!(笑)

 

〇〇力/キーワードで書かれた本を集めてみた~みんなが寄ってたかったネーミングの根拠はどこにある?【文化・影響力】

【ブログ新規更新181回】

● 「力」というタイトルが流行った背景とは

このブログで取り上げてきた書籍もゆうに100冊は超えているが、「〇〇力」とついた書籍の多いことに気づいてちょっと筆をとってみた。

2012年頃「聞く力」阿川佐和子氏(文春新書)がブームの火付け役になったんでは?と、推測する。

新書ブームが起こったことでも話題になった超ベストセラー。

実際にはご本人のインタビュアーとしての立ち位置に関する事柄が大半で、アイスブレークの仕方や人の本音、以外な言葉を引き出したエピソードが満載だったように記憶している。

さて、ここでは、「〇〇力」とタイトルに「」を入れた書籍の紹介をする。読んだ本だけ。

「断る力」勝間和代氏(文春新書)

「大人の精神力」斎藤孝・著(ベスト新書)

「群れない力」関口智弘・著(経済新書)

「いい加減力」竹村健一・著(太陽企画出版)

などまだまだあげれば切りがない!新書の ” 力ブーム ” が続いていた。

もう、本当に誰もが「」とつく本を書いている。

まるでトレンドキーワード、言葉の力に大きく左右されているなと大いに感じた現象だった。

● キーワードの持つ影響力とは

影響力・・・「他に働きかけ、動き、考えを変えて行く

確かに「聞く力」のように何週間もベストセラーのトップにランクインしていた本は、手に取った人の多さでは影響力を持って世間の新書を求める動向を変えたと思う。

しかし読んだ人が皆、動きや考えを変えたか??という点では分かり得ない。

また「力」に変わるキーワードが出てきたら、皆一斉に有名、無名に関わらず、キーワードに飛びついて執筆、出版されてきたのは明らかだ。

私としては個人の時代になって誰でも自分の記事、作品をアピールできる昨今では「話題の先取り」これに尽きるのではないか、と感じている。

テレビ、新聞などのメディア離れが叫ばれているが、どうしてまだまだメディアの持つ情報量の膨大さや、物事の真意など世間の圧倒的な支持を得ている現実がある。

そこで個人も横並びに勝負できるとすると、「先取り感」「」といったキーワードが一番世間が欲しているんでは?と常に考える。

要するに「誰よりも先に!」が必須で、競合していないかなどのマーケティングがしっかりとなされなければ、もう、個人の記事や無名の作家の作品は読まれない。

● 個人の時代の影響力はネット検索すればわかる

情報」という点で、日常的に私も検索をたくさんかけて情報を集めている1人だが、検索ほど個性がでるアイテムもそうないな、とこの頃感じていた。

例えば今回の「力」に関する情報を集めようとした時に何を中心に集めるのか?これって人によってすべて対照があるので100人いたら100とうりの検索方法がある!ということだ。

ちなみに私がどういう検索をかけていたかというと「〇〇力 キーワード 影響力」という言葉を切ってやってみた。実際は「影響力」のみにスポットが当たってそれに関する事柄がば〜っと羅列されて出てきた。

まあ、当然だろと思うが、捉えにくい言葉などは思いっきり省かれて出てくる。

それだけでは情報が足りない場合は辞典や過去の関連書籍をあたることとなる。

固有の場所などの検索は比較的簡単だが、キーワードを関連づけて検索をする場合のやり方は人それぞれ。

実はこのことは密かに面白いと感じていて、小説のネタやアイテムになるな、と思っている。

● まとめ 

今週後半は秋旅をする予定で、真新しい情報を集めている。

今では、紙のガイドブックは買わないし、だいたい持ち歩かない。だから、自分の頭に検索した最新情報を詰め込んで、あとはスマホ検索になる。

現場で出会う検索には反映されてはいない真新しい出会いはブログに書く。こういった生の情報は自分の目利きで調べていくしかないのであろう。

わたしは、現場に出て困る!分からないからやみくもに歩き回る!こうした行動がとても多い。

日頃から、正しく調べることに関して「なめてかかっている」のでそのぶん痛手が大きいのだ(泣笑)


自分の持っている情報が必要に応じて「更新」されているか、またそのことに気づけるかが重要だ。

それには普段から知性の土台を築いて(例えば文章やふるまいなどを磨く)、想像力を鍛えていくことが「情報の目利き」に通じていくことではないかと感じている。

流行ってるからって、何でもすぐ飛びつくのはカッコ悪いよね。

でも、真性の先取りだったら、一はやく伝えて行けば、影響力も倍増するだろう。

それが、メディアではなく、個人発信だったら。誰にでもチャンスは足元に転がっている。

※ 最後に斎藤孝氏の「大人の精神力」からの抜粋をひも解く。

「精神」というと、「鋼のごとく鍛えられた揺るぎないもの」をイメージしますが、環境が激変する現代ではむしろ「どんな変化にも対応できる柔軟な精神力」が必要です。

45歳〜60歳までに上手に精神を保つ環境を整える=ギアチェンジをすれば60歳から先が大きく変わる!   斎藤孝

★2024年10月28日更新 自分を捨ててどうなりたいか~最速でエゴを捨て去る方法 / こんな考え方があったのか!【書評・自己啓発】

【ブログ新規追加166回】

● 自分のエゴを捨て去る技術を書いた2冊を紹介

新装版 自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』石井朋彦・著(WAVE出版)

[概要]

著者、石井氏は一度は落ちたジブリに再度挑戦し、晴れて入社。

しばらくして鈴木敏夫氏と職場で出会う。憧れであり、いつかは一緒に仕事をしたいと願う石井。そこで戦略を練った。

それは、毎日深夜に行われる会議のコーヒー出し。そこで名前を憶えてもらった。

その後、名プロデューサー鈴木敏夫氏の下についた石井。

実はそれは鈴木氏に拾われたのだった。そこから鈴木氏の「3年間、自分を捨てて、オレの真似だけしてろ! 」の言を実行していく石井だった。

それを言語化したのが本書である。

あえていうならば、「何もない石井の意見は誰にも必要のないもの」鈴木氏の迅速かつ鋭く厳しい英断は、これも1つの仕事の仕方だと思った。

高畑勲氏や宮崎駿氏も凄まじいほど先人を真似してきたのだと。

先人の文字の形まで真似て、真似てゆく。「真似る」これは、表面的ではない、本音の部分まで見通す力を蓄えられるのだそうだ。

映画には、本当の主人公がいる・・・この話も相当面白かった。「千と千尋の神隠し」の主人公は、「えっ!?」「あの〇〇〇〇」だと。

そこに作者の本音が隠されているのだよ、と鈴木氏は石井を諭す。

しかし、チームの仕事で全員が真似だけをしたら、うまく行くはずはなく、その後は真似ではなく自分の得意技で生きていけるようになれ!と、アドバイスをされた。

アンガーマネジメント論「怒りを10段階に分ける」や「無闇に相槌しない」は誰にとっても参考、また手本となるだろう。

40を過ぎたらこれを捨てよう』中谷 彰宏・著(PHP研究所)

[概要]

思考と物の整理にばっちりなタイミングは40代だ!と語る著者。

捨てる? 捨てない ?これまでの自分が、こういった捨てる行為ができているかが確認できる一冊だ。

60項目もあるチェックを全部終えての感想・・・結構、柔軟にできるようになっていたと思っていたが、いいや、まだまだだ。

煮詰まる時点までTRYを続けよう。

何でも大切な気がして捨てるものを決められない、そんな決断できない自分を少しずつ捨てられる。

捨てる という言葉に罪悪感に似た感情をもつが、それこそ捨ててよい大きなもののひとつ 。

「力を入れないでできる仕組みをつくる」

「 負担に感じるのは努力しているから」

「努力している時点で好きな事ではない」

「 努力より工夫をしよう」

など、ハッとさせられるキーワードがいっぱいの一書。

まず、本書を手に入れて「60項目の捨てるべき」をやってみてほしい。

10月27日は「文字・活字文化の日」~本は無限の可能性を導くツール【文化・読書週間】

【ブログ新規追加165回】

10月27日は「文字・活字文化の日」

わたしは普段、某出版社にて出版物を書店等に営業をする法人営業職を担っている。

そのかたわら、書評や本の話を盛り込んだブログ(SunTAMA-Style) を毎日更新中だ。

本が好きで、月間約30冊~50冊ぐらいを読むハードな読書家でもある。

その中には、紙・電子のあらゆる書籍、新聞、雑誌、ミニコミ誌なども含まれて、いわば活字中毒ともいえる。

年齢とともに、目も相当疲労していて、かなりの老眼(泣)

それでも、活字に触れていないと、禁断症状がでるくらいの多読っぷり。

要するに活字を「与えて」おけば大人しい、いい子なのだ・笑

                                                 ★        

こんなエピソードを同僚から聞いた。

あの東日本大震災の直後、食料やガソリンを求めて、多くの人がスーパーやGSに押し寄せたが、書店はどうだったのか?

岩手県大船渡市の河口から4kほど離れた書店が震災後5日後、再開店をしたところ、大勢のお客様で溢れかえったのだそうだ。

まさに本も「生活必需品」なんだと店主はじめ、出版業界の誰もが感じたのだと。

人は水や食料だけでなく、活字がなくては生きてきけない。

しかも大変な時こそ、本を通して心の栄養を満たすことで人間らしい豊かな人生を送れるのだとつくづく感じている。

今年の新型コロナウイルスの感染拡大によってわたし達の生活様式は大きく変わった。

自粛生活を余儀なくされ、読書を始めた人も多いのではないだろうか。翻って、「活字離れ」「読書離れ」と言われて久しいわたし達の業界では、出版物の売り上げが増加傾向にある。嬉しい現象だ。

また、電子出版物は大幅な伸び率を出している。お家時間おそるべし!だ。

               ★

わたしはフリーライターとして書いてきた記事の80%がブックレビューだ。

今では、最新刊のみならず、既刊本でもブックレビューを先に読んでから購入する人が増えているそうだ。

ブックレビューの本意は、その本を購買に結びつけるための文章である。

主におススメの本を教え伝える→店頭で手に取って頂く、またはネットで検索→即購入・・・こういった導きをする。

特に、購買決め手になるレビューを丁寧に書いてきた。

ライター自身が読み込み、心を動かされた本は人に薦めずにはいられないものだ。

また、読書を巡って語りあう読書会などのネタに使ってもらうなどの利用をされてると漏れ聞いた。

ライター冥利に尽きる。

「本を開けば、遠い国まで一気に行けるし、入国できない場所でも楽々入れる」

こんな楽しい活字文化を楽しまない手はないね。

SNSは個人の信用を格付けするインフラ~自分の思考の転換を迫られた2冊 【書評・自己啓発】

【ブログ更新151回】

なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか?」山口揚平・著(ダイヤモンド社/2013年版)

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」山口揚平・著(プレジデント社)2冊をこの週末に読んだ。

驚きなのは、1冊目にはタイトルのピカソの話は一切出てこない

2冊目、3時間だけ働く具体的なやり方は最後まで、どこにも書かれていなかった

ちょっとお~~、タイトルから内容が連想できない、誇大表現じゃないの!?っと、いぶかしい面持ちで読み始めた。

著者の真骨頂というか、著作の目指す意図はここだ。「読者に考えさせる

わかった!よ~く考えてみるよ!と、難しいディケンズの話とか居眠りしながら読み切った・笑

では、まとめてみよう。

【本書2冊の概要と説明】

1、なぜゴッホは貧乏でピカソは金持ちだったのか

本書で、一般的なお金へのイメージを良くも悪くも新しい目線で読み取れる。


例えば、お金がなくても価値を交換できる→この発想は現在でいえばメルカリかなあ。

自分には価値がなくなったモノをメルカリの様な「金銭」を介しての「仕組み」に流通させる。なかば物々交換みたいな古来からある方法に、取って代わっただけなんだろう。

著者の山口揚平氏は、こういった物々交換的なネットショップ、仮想通貨、インターネットのフォロワーなど、何でも金銭価値、より経済的な目線で時代の先を読んで執筆されているようだ。

過去に外資系M&Aコンサルタント会社に勤め、現在は独立して新しい複数のビジネスの試みを行っているそうだ。

本書では、お金の持つ本来の意味、また在り方について、過去~現在、そしてこれからの日本や世界の状況を見据え、考察・実践している事がらをエッセイとしてわかりやすく書かれている。

近年インターネットの発達と、金融システムの IT化によって、お金の在り方はスピードアップ、より抽象化し、流動的になっている。

資産運用術に長けた大手外資大資本はそれにいち早く気づき、他国の経済に踏み込み一部は大儲けし、その他大勢は損を被る歪んだ経済状況になってしまっている・・・と、著者はいう。

前半では、その歪みとはいかにして生み出されたのか?わたしたちがやり取りしているお金の本質とはなんなのか。

お金の何が価値を創造しているのか、それらについて自身の体験談も含め、丁寧にお金の本質、在り方について解説している。

後半では、お金の本質を定義した上で、お金を用いて事業を行うとはどういう展開なのだろう?そして、それは人々の幸せといかに関連してくるのか、を解説。

つまり、生きる事とはなんなのか。

結論は『生きる事とは創造する事』

ここでやっと、芸術家を使ったタイトルの所以が出てくるのだ。

しかし、ゴッホとピカソをタイトルに使い、「その由縁は創造」そこに着地して、独自の論理を繋ぐ一連の流れはとても明快だった。

まあ、ちょっと思考の回路がめんどうくさいタイプかも・笑

働く事に例えようのない疑問や、不安を抱える人に最適な一書だ。

それで、この著者が書いていたのが、SNSのフォロワー数を経済価値として強烈に認めているのだそうだ。

今では、SNS関連の会社が増え、フォロワーを大量に持つインフルエンサー(ネット上で影響力を放つ人)を雇うのだ。

ちなみにわたしの勤め先でもフリーランスのインスタグラマーやユーチューバーが働いてくれている。本の解説に戻る。

例えば、こんな文章に出くわした。

2013年当時「SNSは個人の信用を格付けするインフラになる」と、未来展望的に記されていた。

まさに、2020年の現在はその通りになった。(と本書には書かれている)

そして、さらに付け加えると、「フォロワー数とつながりの密度は偏差値として換算され、個人の時価総額や時間単価の計算に利用される」と。

もう、この一文にびっくり!だって、ちょっと前までSNS自体を遊びの延長というか、通信機器を使って繋がり合う、そうね・・・やっぱり遊びだと思っていたのだもの。

どんなに「大事」なSNSであっても、どこか真剣に向き合うのではなく、軽くストレスにならない程度がいいと、今でもちょっと思う。こういう思考が甘いのかしら?

よって、フォロワー数の価値とかって確かにの数だけれど、リアルに個人の時価総額に触れたり、偏差値に置き換えて考えるなんて思考は、まったくなかった。(わたしはね)

※偏差値とは何者?/https://www.youtube.com/watch?v=-0cwkyEhkqI

2,1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法(プレデント社)

※ かなり仮想でシュミレーションされた近未来の話がすごかった。

もう一冊は、概要ではなく、本文から、どれくらいぶっ飛んでいるか抜き出してみよう。

未来予想的に、「フォロワー数が3000人以上いないとこのイベントには参加できません」といった、大学入試センターが試験対策の足切りに利用するようなことが、様々な場面で見られるようになるだろう」って。

「へっ?」

「何それ?」

「SNSとかの数基準を入試に持ち込むか?」って、疑心暗鬼になった。

確かにちょっと前までは、こんなに中学生や高校生がSNSにいたっけ???というほど爆発的に増えている感じ。

わたしのツイッターやフェイスブックでは「高校生や中学生」はフォローしないように気をつけている。そのあたりに対しての分別は持っている。

しっかし、今の高校生や中学生が一心不乱にフォロワーを必死で増やしているのはなぜ?

上記に書いたような、フォロワ―数がその子を決める基準値になっている場面があるのかな。そうだとしたら歪んでる~。

彼らが何と戦っているのかちょっと知りたくなった。

今では、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどで、個人の信用残高なるものが計れてしまうらしい。

でも、そんなことはまったく思考の先にもなかった。

わたしが、ある意味本気でコミットしている「ブログ」は資産価値としてはとても高いものだそうだ。(本書から)

例えば、現在では、就職活動で個人ブログを上手く使って履歴書に花を添えるアピールポイントとして活用している学生も多いと漏れ聞く。

まさにブログ履歴書だ。

文体からその人なりが見え、嘘や偽りは一切書けないから、かえって信憑性があるということだそうだ。

また、反対に大学入試や就活時にすべてのSNSアカウントを抹消する学生も。

単なるコミニュケーションツールが、生きるための生活インフラに取って代わった。

今後、それを使うユーザー側のリテラシーが整っていなければいけなくなった。

                                                                  

取り留めなく書いたけれど、誰かが、いっていた言葉を。

人間の不幸には2種類ある。それは「自分に降りかかる不幸」と「他人に降りかかる幸福」だと。

SNSはこの2番目の不幸を誘う。

最後に、パスカルの言葉を。

「幸せとは物量のことではなく、一体性のことである。人と心がつながった時、もしくは期待と実態が一致した時、人はこの上ない幸福感を感じる」

(2800文字)

男と女の理不尽な愉しみ~これを読んで壇蜜さんのミステリアスな謎がわかりました【書評・自己啓発】

【ブログ新規更新142回】

何とも、地味な新書だが、女流作家林真理子氏とエロチシズムと才覚がミックスされた、全男性のミューズと謳われる壇蜜氏のベストセラー対談集。

圧倒的な聞き手に徹した真理子氏と、どんな質問にもさらりと打ち返す頭の回転が速く鋭い壇蜜氏。

最後まで、お二人のトークは情報満載で読み飽きることなどない。

特に、女性の生き方や男性とのお付き合いやら、思考の違う次元で生きる男性のことを、より深く洞察する内容は必見。

そして、一番の読みどころは最後の章。ここで、壇蜜氏の「妖艶×賢い×ミステリアス×静謐さ」これらすべてをなぜ、持つことになったのかがわかる本。

読み飽きない書籍とは、こういうものだ。最後まで読んだ人にはちゃ~んとご褒美を用意しているのよ。

恐るべし。

しかし、新書という地味な形態はいったい誰が箴言したのだろう。そして、中に申し訳程度に挟まれたお二人のモノクロ写真。

ごめんなさい。ちっともきれいじゃない。

紺色の着物と紺色のドレス。色を絞った写真でこんなに黒が多いと、どんなに素敵な人でもみ~んな沈んで見えてしまう。

真理子氏の(たぶん相当高価な) お着物や壇蜜さんのレーシーなドレスも、ちゃんときれいな色なんだろうに。なのにどうして・・・?

と、いろいろと冒頭から本の作られ方に異論を呈してしまった。だって、あまりにも残念だったから。

それと、最後のあとがきは壇蜜氏なのだが、急に言葉づかいが普通になっていて、それまでの丁寧語から発せられる上品な爆弾トーク(笑)を楽しんで読んでいたのに、急に安っぽく書かれている感じも至極残念。

しかし、今回は中途半端な出だしだったのにも関わらず、素晴らしい内容だったので、2回通読して書評にした。まず、簡単にこの本の概要を。

男と女の理不尽な愉しみ 林 真理子壇蜜 集英社新書(2017年1月初版)

【書籍概要】

下衆不倫叩きから、熟年離婚まで・・・。

世の中は、かくも男女の問題に満ち溢れている。甘美で魅力的なはずの関係はなぜ、今でも絶望的なまでに我々を追い詰めているのか?

男女の機微を知り尽くした女流作家と、タレント兼エッセイストのお二人が、男女の出会いから恋愛の作法、不倫の在り方、看取りの瞬間まで、男女を取り巻くあらゆる問題を徹底討論!

しなやかでありながら、したたかでもある男女の愉しみ方を提言する。古典的な男女観ともフェミニストとも異なる視点を持つお二人が、世知辛い今の日本社会を喝破する。

【もくじ】

まえがき・林真理子氏

第一章 結婚したい女たち

第二章 男と女の利害関係

第三章 女は「損」なのか?

第四章 人はなぜ不倫を許さないのか

第五章 女はどう育つのか

第六章 死ぬことと、生きること

あとがき・壇蜜氏

ここで、読後感を少し抜粋して書いてみよう。

● 第三章 女は「損」なのか?について / 林 真理子氏の凄さ

わたしが、何度も読み返してしまったのは第三章 女は「損」なのか? だ。なぜなら、女は男より「らしさ」を未だに求められているというか、強制される場面ってあるよね。

そういった理不尽さをお二人が論破してくれている。

また、ベッキーの不倫騒動では世間からの風当たりは相当なものだったはず。

しかし、意外なほど、有名人や文化人の不倫騒動はあっけらかん!と萎んで行っちゃう。

ベッキーは完全に世間から血祭りの生贄にされたも同然なのに。

このあたりは、わたしが思うに、「週刊文春」という大規模メディアが絡んだ不倫だったからだと当時推測した。

やはり、お二人も同意見で、「センテンス・スプリング」という言葉が独り歩きしたキーワードとLINEが生み出した現代版不倫劇。

あの宇野元総理大臣の「指三本不倫劇」もやはりキーワードが先行した形だった。ちなみに指三本とは、月30万円という隠語だそう。

しかし、この章でわたしが、圧倒されたのは、林真理子氏が言う、「ハイリスク×ノーリターン」から蘇る真理子氏の凄さだ。

例えば、真理子氏、ある方から「作品が売れるようにお祈りするから家にいらっしゃらない?」と誘われたのだそう。かなり怪しい・・・。

普通なら胡散臭い案件はスル―でしょ?

いやいや、真理子氏の場合は違う。彼女の心の声が「いいよいいよ、たまには人に騙されてみよう」っとなる。

要するに「清濁併せ呑む」行動。これが、彼女の作風だし、作品の魅力なのだとわかった。

机上の空論やフェイクじゃない部分を大量に持つことで作品が光輝き、損して得を取る究極の方法なのだ。でも、ほとんど騙されないそうだ。

ああ、すごいな。

それだけ、人としての器が大きくあるのだろうな。

わたしなどは、超合理的になり過ぎて、無駄なことだとつい思いがちだしスルーが得意だ・笑

その無駄かもしれない出会いに馳せ参じる真理子氏はやっぱり、只者ではなかった。

第六章 死ぬことと、生きること/ なんで壇蜜なのか?壇蜜氏の謎に迫る!

さて、クライマックスは、壇蜜氏のミステリアスな謎解きから対談は始まる。

20代の頃、壇蜜氏は夜、銀座でホステスをしながら、昼はまったく異次元の職場で働いていた。そこは、大学病院の研究室。主な仕事はエンパ―ミング(遺体衛生保全)ご遺体の組織を保存する仕事!

臓器を切り刻むのが日常で、ご遺体の洗浄や死装束のお仕度などもしていたのだそうだ。

亡くなった方の爪のお手入れをして差し上げる時が、もっとも、この仕事をして良かったと、優しい温かな気持ちになったという部分がとても印象的。

ご本人いわく、あの世とこの世の境目にいつもいるようで、半分死んでいたのだと。昼間は死んで、夜は蝶となる人生だったのだ。

そこで知った人として生きることの本質、死生観をある意味達観されてしまったのだろう。

しかし、すごい仕事をしていたのね。驚き。

● 最後に

この本では、真理子氏の絶妙な問いかけで、壇蜜氏の持つユニークな世界観がそこかしこに現れていて、真理子氏、話の引き出し方がすごく上手いなあ~と感じた。

一流の書き手は一流の聞き手でもあった。

謎の多い壇蜜氏、3年前は独身だったが、今年、一般男性とご結婚されたばかり。

この本によると、壇蜜氏のお好きな男性は 辺 真一氏。ワイドショーでおなじみの在日コリアン三世。

そして、看取り受け人まで、ご用意されているのだと。その人は芥川賞作家の羽田圭介氏。飲む機会があった時に、お願いしてみたら即答で「いいですよ」と言って下さったのだそうだ。

こういった人生最後の話から子ども時代の話。今では連載も持つエッセストの壇蜜氏。物書き論トークも尽きることはなかったようだ。

壇蜜氏と同じ匂いのする芸能人さんは2人いると思っているのだそう。

お一人目は、長身でクールな「菜々緒」さん。

お二人目は、みんなのみな実の「田中みな実」さん。

たまにはこんな、下衆や人情満載な「本」の紹介をしてみました。

あ~~楽しかった🎶

写真は2018年9月 京成バラ園で撮影。