潜在意識を掘り起こす呼吸法~吐き切ることで身体も気持ちもスッキリ【健康・呼吸法】

朝目覚めた時、今日も呼吸ができている事実に安堵したことが度々ある。数日間ご飯を食べられなくなったとしても生きてはいけるけれど、もし、呼吸を止められてしまったら・・・背筋が寒くなる。

我が家から望む早朝の光

そう、呼吸は生きていく上で欠かせないもの。身体や心が疲れている時、何か不安な要素や問題を抱えている時は呼吸は浅く、小刻みになっている。

一方で、身体が健康的でやる気が漲っていて、色々なものごとに目が向き意識的に行動できる、こんな時は、深く長い良い呼吸ができている。

呼吸は無意識に起こる身体のリズム。その呼吸を司るのは、目に見えない潜在意識なのだと、世界的コーチングアドバイザー アンソニー・ロビンは語る。

腹式呼吸と胸式呼吸の違い

わたしの音大受験の時のこと。受験を決めたのが1年を切った高3の6月。当時、ピアノの個人教授を受けていた先生に、音大を受験する!という相談をした時に、まず、ピアノの受験専門の先生を1人、もうひとり声楽の先生を紹介してもらった。

はて?声楽?そう、音大はピアノを専攻しようが、他の楽器を専攻しようが、最低線の声出しができていないと、将来的に大変!だ。

わたしは、その日、家に帰って速攻で始めた特訓が、腹式呼吸だった。まず、畳の部屋にあおむけに寝転ぶ。お腹に手のひらを当てて、鼻から大きく息を吸い込む。その時に肩で息をせず、鼻から入れた空気をお腹に溜め込むのだ。

そして、もう、これ以上吸えないというぐらい身体中に空気を蓄えた感覚ができたら、やっと空気をゆっくり、ゆっくりと吐き出す。この時、一気に吐き出してしまわず、口をすぼめって、もったいながってゆっくり、ゆっくりと出すことで、お腹全体の横隔膜が開くのだ。

コツは目いっぱい吸う→ゆっくり、ゆっくりと吐き出す、見た目の特徴は、目いっぱい吸うとお腹が膨らむ。膨らまないようなら、膨らむように訓練する。わたしは初日に2時間かけてこの腹式呼吸法を会得した。

腹式呼吸ができないと、音大受験は難しい!とまで言われている。ピアノ科であっても、学内ではオペラも歌うし、教師の資格を取得して、教壇に立つには、腹式呼吸でしっかりとお腹から声を出さねば、授業はできない。

というわけで、複式呼吸を習うのが受験の入口だったという懐かしい話。おもに男性は基本的にお腹から声を出す腹式呼吸法が自然と身についているのだそうだ。一方の女性は肩と胸で息をする胸式呼吸の場合いがほとんど。

横隔膜を鍛えること=音楽で食べて行くことに繋がるくらい大事な身体の器官がお腹周りと横隔膜なのだ。

その後、腹式呼吸ができて入学したら、まわりはまだまだ自分の身体の横隔膜を開いておらず、お腹に空気を溜め込めなくて苦労する人が続出。音大の体育の授業は主に呼吸法やランニングがメインだった。

最初に腹式呼吸法をしっかりと叩き込んでくれた恩師には感謝、感謝が尽きなかった。

また、横隔膜を鍛える梅雨時期などの不安定な季節にも身体の不調を自分で治すことができるのだ。(リンク先は横隔膜を鍛えるの文字下に。)

多摩地域の夕陽

さて、お腹に空気を溜め込むことで、吐く息を長くする健康法 ロングブレスのことを少し。

ロングブレスとは、お腹の下おへその上、いわゆる丹田を鍛えて、スリムで美しい身体になろう!という俳優三木良介氏が考案した健康法だ。

めいっぱい鼻から空気を吸い込み、強く・ゆっくり・長く吐き出すのがロングブレスの特徴だ。概ね腹式呼吸法となんら変わりはないように思うが。

長く吐き出すためにふう~~~と大きな声を出すのが特徴だ。これ以上息が出ないところまで吐き出すのも腹式呼吸法と同じ。ダイエットやひ弱なカラダに喝を入れるロングブレス。

ちょっとおしゃれな感じだし、生活の中に取り入れるのもよい習慣になるだろう。最近では、仕事のストレスなどから、呼吸の浅い男性が増えているのだそう。

しっかりと腹式呼吸、ロングブレスなどで身体の芯から鍛えると、呼吸が深くなり、精神的にも落ち着き、自信が漲ってくる。良いことしかないからぜひ、取り入れることを検討するといい。第一無料だし(笑)

● 息を吐くことで潜在意識をきれいにできる?

呼吸が身体に及ぼす良い影響は計り知れないものだが、たぶん腹式呼吸法を意識的にやっていると、まずおこりっぽくなくなる。それは頭に血が昇っても、呼吸は丹田、お腹まわりにどっしりとあることで、己の留飲を下げやすくなるというものだ。

お腹に息がある時は、自分が何をしたらいいのか?どう考えたらいいのか?など、理論的な行動ができるのだ。

自分の役割をしっかりと全うするためにも、腹式呼吸法を身に着けておきたい。そこで、潜在意識と顕在意識の違いを話そう。

1、顕在意識・・・表面意識のこと。普段、己が直接意識することが可能な部分である。顕在意識で可能なことがらは、ものごとを深く思考したり、判断したりする時に発揮される意識である。

また、古い記憶を思い出したりする働きに優れているのだそう。何しろ、自分でコントロールできる意識層だというのがいい。

2、潜在意識・・・これは、人間の脳の神秘的な部分で、自分で自覚できないものなのだ。

本当の心の奥底に隠された気持ちや、信じていることが潜んでる部分である。本能のままに行動してしまった時に心や身体に深く影響するのだそう。自分でコントロールできない部分なのだ。

学術的に見るとわたし達人間では、顕在意識部分はたった3~5%で、残り95%が潜在意識なのだ。この割合いを氷山の一角に表現している図を引用しよう。

潜在意識と顕在意識;引用先リンク

わたし達人間の意識層では、意識できるのは氷山のたった3割なのだ。意識のほとんどは無意識層の潜在意識に支配されていることがわかった。

人生に大きな影響を与えているのは潜在意識なのだ。
 

● 思いどおりの人生にするには呼吸が大事
 

車窓から望む富士

我が人生が思いの通りになっていないのならば、まず、自分の潜在意識を知り、潜在意識を顕在化させる必要がある。

まず、潜在意識の洗い出しのやり方は、普段、嫌で仕方がないことや嫌いなモノやコト、人などを腹式呼吸法の吐き出す時に一緒に唱えてみることだ。

悪い潜在意識を徹底してクリーニングすることで、好きなコトや人、やりたいことや叶えたいことへの意欲が増してくるはず。

やり方毎日、起床時と就寝時の2回、布団にあおむけでお腹に空気を目いっぱい入れて、ゆっくり、ゆっくりと吐き出す。その時にネガティブなことはきれいさっぱり吐き出すことで、身体も心もスッキリするはずだ。

要するに、いつでもどこでも呼吸法をやれば、一瞬で身体の不調も色々な不安や不満も不思議と吹き飛ぶ。しかもコントロールできない潜在意識を顕在化できるのだから、いいことづくめ。続けていくうちに思い通りの人生が開けたら素晴らしいではないか。

呼吸は偉大なのだ。