アドレナリン中毒・・・このことをいつか書こうと思っていた。
人間にはそれぞれ、自分にとって最も心地よく、最も生産性が高まるリズムとサイクルがある。それを自分の制限速度だと理解することは正しい判断である。
その制限速度に反し生活の中で、自然のリズムを越えて最高速度ギリギリで走ったり、速度オーバーをしている人をたまに見かける。
制限速度を大幅にオーバーすると、思わぬミスや忘れ物をしたり、大事なモノや人との約束などを失いかねない。
しかも、この制限速度オーバーは、医学的にはアドレナリン過多=アドレナリン中毒の症状で、アドレナリンやドーパミンなどのホルモンを脳が大量に出す指示をしてしまう事で、場合によっては死亡する恐れもある、大変怖い病に発展する可能性があるのだ。
● わたしのアドレナリン中毒体験
なんどか、ブログにも書いてきた12年前の脳出血を起こした時、運よく命を取り留めて症状が落ち着いたころ、主治医から言われたある一言で、ああ~わたしの病気の原因はここだ!と、はっきりわかった。
それは、主治医が毎日の検診の時、わたしが、いつここから出られるのか?この先、後遺症が元通りに治るのか?など、矢継ぎ早やに聞きまくるのに辟易したのか、そんなに慌てて聞くと、ドーパミンを出にくくする薬を打つよ!と言ったのだ。冗談とは思えなかった。
● わたしの日常
わたしは、元来、仕事でも地域活動でも子育てもすべてやり切るのが当然だと思い込んでいた。そして、考えられないくらい無理を重ねてきたようだ。
要するに、能力があるからどんどん詰め込めるのではなく、ホルモン過多による、身体の症状から覚醒されていたのだ。ひとつやり切ったら満足ではなく、時間の許す限りどんどん詰め込むのが快感だった。完全に能力だと過信して、ひとりくるくる回る、まるでくるみ割り人形。
だから、自分自身への過信から、人の言う事をちっともまともに聞かなかった。自分の長所でも能力でもなく、あえて言えば欠点だった、アドレナリン中毒。
主治医の一言でハッと気がつき我に返れたのだ。自分の病気の原因だけでなく、慌ただしい性格をも矯正した12年前の話。
今では、丁寧に人の話も聞き、簡単に鵜呑みにせず良く考えるようになったし、だいぶおっとりしてきたから、友達は今の貴方のほうがいい感じ(笑)と言ってくれている。
● アドレナリン中毒時の身体の中
アドレナリン中毒は心拍数を急激に上げ、血圧を上昇させる。そして、脳や内臓で余分になった血液を筋肉に送る。この連鎖によって、動くスピードや力が増大するのだ。
さらに、アドレナリンは痛みを感じにくくする。アドレナリンはストレス反応に対して、体内で作られる化学物質であり、自己高揚感をもたらして、知らず知らずのうちにアドレナリンの効用を自己肯定に利用してしまう。
強烈な感覚を作り出すことで潜在的に抱えている喪失感や絶望感といった辛い感情も抑え込んでしまうのだ。
普通は自然のバランス感覚で上手にスイッチを切り替えることができるのだが、この症状に陥ると常に全力で立ち向かってしまい、仕事ではワーカホリックになって自虐的で危険な命取りになりかねないのだ。
● アドレナリン中毒 セルフチェック
次にあげるものはアドレナリン中毒の兆候。セルフチェックしてみよう。
1つでもあてはまるものが有れば要注意!
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①プレッシやーが大きいほど、いいパフォーマンスが出せる。
②「やること」リストの項目を消すと、達成感と興奮を感じる。
③日中に休憩することに罪悪感を感じる。
④携帯電話、インターネットが手近にないと不安になる。
いつも誰かとつながっていたい。
⑤ぎりぎりの時点になるまで仕事に取りかからない。
期限に追われないと何もできない。
⑥歩く、食べる、話す、どれも早い。
⑦こんなに忙しくなければ人と会う時間ができるのに、と思う。
⑧1日の終わりには疲れてぐったりしている。
⑨生活に興奮がなければ、満足できない。
⑩友人や家族は私の忙しさを理解するべきだと思う。
⑪何もしないでボーットしていることは居心地が悪い。
⑫車の中で食事をしたり、職場のデスクでランチを食べたり、
キッチンのカウンターで立ったまま食べることが良くある。
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「忙しすぎる毎日から抜け出す習慣術」 日本実業出版社 より
わたしは今でも5つあった。喉元過ぎれば暑さ忘れる・・・。
これではいつか来た道に逆戻りだ。仕事も家庭も犠牲にしない生き方は、①落ち着いて行動する。②よく考える。③生産的でなければいけない!とは思わない。この3つを自己暗示にかけるぐらい唱えて暮らしてきた。
そうそう、アドレナリンを減らす薬は一度も投与されなかった。自分の意識革命をすることで症状はおおかた改善された。
なにしろ、闘う相手(ライバル)は、自分
以外どこにもいないのだから。