美容界の重鎮、佐伯チズさんが亡くなれた。享年76歳。
4年前のとあるセミナーで元気いっぱいにお講義されていたことを思い出す。セミナー会場をぐるぐる回り、自分の磨き上げたお肌を触らせてくれる。その白さ、柔らかさにびっくり!お話しも、知己に飛んでいて、お金をかけない美容術に大変に共感し、ずっと伺っていたいほど有意義なお講義だった。
そんな無料セミナーのことを書いた当時のブログ記事からの抜粋をする。
「あっぱれ!72歳 佐伯チズさん」
今、振り返っても「美容革命」そのものだった。
佐伯チズさんの出現と常識を覆す主張。お金をかけなくても、熱意と理にかなった方法で人はいくらでもキレイになれるし幸せになれる!!何より定年退職後のデビューにたちまちの大ブレークは、大人の女をいったいどれだけ勇気づけたことか! 美容ジャーナリスト 齋藤 薫氏
先週の土曜日、事前申し込みをしておいた日経新聞・日経BP主催 「WOMAN EXPO TOKYO 2016」 にワクワクしながら参加した。毎年東京ミッドタウンで開催されているこのショーは今年で3回目。
昨年は2日間で1万人を突破、今年も朝早くから長蛇の列で、年々参加者は増える一方。展示会・セミナーへの参加は事前申し込みできるとは言え、当日でなければ入手できないチケットもあり大変な混雑ぶりである。
会場は大きく分けて一般向けとビジネス向けに二分され、例えば一般向けには、プロの手のよるハンドマッサージや占い、食品のプレリリース体験にJALの最新エアシート体験、シードコンタクトレンズ体験など盛りだくさん。
おまけに、プロの撮影によるプロフィール写真撮影や人気の壁ドン(笑)、イケメンとのツーショット体験もできる。これらは早く行って当日券を手に入れなければならない。
一方、ビジネス主体のセミナーは別会場で、有料カンファレンスとして開催されている。キャリアアップ・金融・婚活などはそちらへ、という具合だ。
人気エッセイスト 犬山紙子さん、会場内でもフラッシュなしの撮影OK。
私はまず、EXPOのコアになっている1日30コマの有識者セミナーを重視し、Web上の会場内地図で事前に場所や時間を確認、予約を3~4つほど入れておいた。
メインの池上彰氏のセミナーは抽選に漏れたので、当日のキャンセルを待って入場。人気エッセイストの犬山紙子さんによる 「イタイ女子にならないためのプレミアムな処世術」 は、ちょっと遊び心があって、まあまあ面白く拝聴できた。
それにしても20~50代の女性のパワーには圧倒される。会場内ではあちらこちらで仕事女子の内輪話に花が咲いている。
漏れ聞いてみると、ダメな上司か同僚の話がほとんどで、あとは結婚・出産の話しだ。みんな焦りを感じながらも、多少厳しい環境をあえて望んで乗り越え、やりがいを見出しているようだ。
展示会場回りでは30以上もある各企業ブースのサンプル配布ですぐに入口でもらった専用バックがいっぱいになるほど。食品・飲料の関連ブースでは野菜ジュースに亜麻仁油やオリーブオイルを足して飲む新飲料が目新しく、豆腐ヨーグルトにフルーツグラノーラなど、かなり美味しかった。
お昼を待たず、新製品の試食や試飲で、すでにお腹いっぱい。グッズでは化粧品の新製品サンプル等があり、夏の旅行用になりそうで、ほんと有難い。
会場内を回りながら話す佐伯チズさん。こちらでも撮影はOK。
午後一番の佐伯チズさんのセミナーは、実は池上氏までの時間つぶしに申し込んでおいたものだが、意外や意外、その内容は今まで受けてきたどのセミナーよりもパワフル、参加者は皆満足気で楽しい雰囲気が漂っていた。
佐伯チズさんは、登壇してすぐ短くあいさつをしてから会場内に降り、マイク片手に「今日は時間がないの!だから大事なことだけ徹底して話すから、よ〜く聞いて!」っと1000名の参加者の間をかいくぐりながら、自分の今までの体験を語っていった。
時々、自分の肌(ほほ)に触れさせながら、キレイな肌を保ちながら「願いを叶えるスキンケア」のやり方をしつこいくらいに伝授して回る。私も佐伯チズさんのほほに触れさせてもらったが、その柔らかいこと!白くてキレイでしみもほとんどない!リアルに真近で見て「すごいな」と感じた。
若い頃から肌がキレイだったわけではない。そばかすだらけだった自分の肌を徹底的に手入れしてきた10代があってこそ、今の佐伯式美容法が生まれたという・・・コンプレックスを成功に変えた話は鬼気迫るものだった。
ともかく仕事も肌もしっかりと整えて幸せになりましょう!もっと前頭葉から女性ホルモンを出してみて(笑)と。食事の工夫がお肌のためには一番。工夫とちょっとの手間を惜しまず、自分のために美しくなりましょう!などと、分の50分のセミナーで、徹底して肌がキレイなことはイコール幸せなんだということを語っておられた。
他にも佐伯式ローションパックのやり方をロールプレイングしてみせ、皆覚えて帰ってほしいと訴えていた。
佐伯チズさんの全力講演は終始感動の嵐。来月には73歳になるそうだが、現在は80歳の現役美容家を目指し日々努力している毎日だそう。海外ではアメリカ、中国などでのセミナーも入っていてほとんど休みはない。
本当に素敵な佐伯チズさん。72歳にしてこの動きに、やっぱり健康第一で活躍できるのが一番だとつくづく思う。彼女の「お金をかけずにキレイになる」というコンセプトは著書が何冊も出 ているので、具体的な美顔術など参照してみてみるとよい。
特に 美肌革命 キレイの躾 美肌バイブル の3冊がおすすめ。
セミナー後、聞き終わった人達のお風呂上りのようなさっぱりとした笑顔が、すこぶる印象的であった。
今回のイベントで私が思ったことは、人生 「芯がしっかりとしていて真っすぐなこと」を長年貫いてきた人は、思ったこと、話すこと、やっていることすべてが一貫しているんだなということだ。
私自身の美容にかける熱意はちょろちょろで、この歳になってもまだ、鼻タレ小僧とチズさんには言われそう(笑)。ちっとも進化していない。これからはやった「つもり」じゃなく、もうちょっときちんと女性ならではの美容法を楽しんで、キレイな肌と幸せを手にいれたい。
今日もローションパックから1日をスタ~トしよう!
⦿ 最後に、注目の新刊、あの「嫌われる勇気」の執筆者、岸見一郎氏渾身の新書版。老・病・死に向き合うための哲学書「今ここを生きる勇気」の紹介。
過去・未来はない。あるのは「今」だけ。
本書は、ベストセラー『嫌われる勇気』の岸見一郎氏のNHK文化センター講座「よく生きるための哲学」にプラスして、再編集された“幻の第6回講義”を加え書籍化されたものだ。孫をもつ年齢に達した著者が、同世代の読者に向けて、「老・病・死」にまつわる自らの体験を軸に、人生の分岐点をポジティブにとらえる思考法を解説する。
そうして年齢を重ねた著者は50歳のときに、今度は自らが心筋梗塞で倒れ、死の淵をさまようことに。九死に一生を得た著者が後世に選んだたテーマが老・病・死についてだった。老いる、病気をする、死ぬは絶対に避けられないし、変えられない。では変えられるものは何かと問えば、それは自らの意識以外にはないことに思い至る。絶望するのではなく、希望をもつこと。「どのような状況にあっても生きられるという希望があるからこそ、死という現実を前にしても人は生きられる」と著者はいう。
結論は、今ここに目を向け、一瞬一瞬を真剣に、丁寧に生きること。「生きているだけで素晴らしい」――そう言える「勇気」を本書から学びとりたい。