【ブログ新規追加163回】
一昨日、職場のオンライン研修で、同僚の勤続20年を祝った。
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彼女は、わたしの1つ年上だが、仕事上では大先輩な存在だ。
ただ、可愛らしい見かけによらず、言いたい事をズバッと言ってしまうのが難点だ。天然なんだろう。
例えば、会議で隣りの席になった時、いきなりこんなことを言う。
「もっと、真面目にLINEして!あなたのことが知りたいのよ。普段の・・・」とか。
とうのわたしは、「へっ?知りたい?」
「知られたくないわよ」と、へーきで返していた。
これまで12年間、すいぶんと、言いたい事を言われて、それをバ~ンと跳ね返してばかりだったな。
彼女の振り絞った要求など、ただの一度もちゃんと聞いてあげてこなかった。でも、いつでもそばにいて、いいアドバイスを投げてくれた。
感謝している。
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12年前、入社したばかりのわたしは、出版社で働くという喜びもさることながら、自分が長い事、しっかりとした社会事業の一部に存在していなかったため、ついていけるか不安だった。
入社14日目、初の大阪出張。そこでは、わたし達営業部の研修がメインだった。初めてメンバーと新横浜駅から新幹線に乗り込んだ。
先輩からの質問攻めにあいながらも、「なんて素敵な時間なんだろう」と、年上の女性4人に囲まれて、幸せな気持ちが充満していた。
誰も、足を引っ張らない、おべんちゃらもなく、しかもとても優しい。
こんな風になれたらいい・・・と、この職場を選んだ自分を心底褒めた。
今では、そんな素敵な女性たちもほぼ退職された。
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言いたいことをズバっという彼女も実は、苦境の真っただ中にいた。彼女の苦境は、重度の更年期障害。
電車営業中に、何度も、電車に飛び込みたくなったと言う。うつ病も併発していたのだ。
どうか、無事でいてくれるようにと、祈っていた。
一緒にランチをすることもなくなって、しばらくは寂しい気持ちだった。しかし、更年期はいつか終わるとみんな周りは分かっていて、身体や気持ちが収まるまで靜かに待っていた。
で、今では、仕事では誰かれとなく、いつもの言いたい放題で歯切れがよく、一緒にご飯も食べられる。
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わたしは、常々思っている。こういったある意味「空気を読めない」「空気をあえて読まない」人を、遠ざけるんじゃなくて、そばに一人はおいておきたいと願ってきた。
だって、本当のことを誰が言ってくれる?しかも利害関係なしで。これって天然じゃないとできない崇高なことだろう。
これから、どうなるんだろうね。わたし達は。
歳を取って弱る、仕事の上でのちっちゃな気持ちなんか放っておいて、わたし達は70歳まで、ブイブイやって行こう!と、エールを贈った一昨日。
成人式を迎えて、晴れ晴れとした彼女の笑顔が圧巻だった。
やっぱり、年上の同性にはかなわないや・笑