【ブログ新規追加778回】
このところずっと雨が続き、仕事から帰ってひと休みしたら、You Tubeでショパンコンクールのファイナルステージを何度も聴いていた。
特に日本人3人の演奏は、観て良し!聴いて良し!のオンパレードだ。
「あ~!今の若い人の演奏方法はこんなにも違うものなのか?!」と、思い知らされたし、大いに刺激を受けた 。
わたしも早速、その若きピアニストたちの華麗な演奏スタイルを自分なりに再現してみたくて、ピアノの前に座ったんだが。
ピアノの奏法は、ただ指で鍵盤を押せば音は出るけれど、何しろ、弧を描く腕の回し方、肩の寄せ方など、まったく身体の使い方ひとつで音はどこまでも自由奔放に広がるものなのだ。
私は、昔から素晴らしい演奏を観て聴いて真似ることで、演奏エンジンをかけていたのだなあ・・・と、今さらながら実感した。
仕事の疲れが少々残っていても、どんどん弾くうちに体の細胞がプツプツと活性化されているような気分になり至極しあわせな気持ちになれる。まるでサウナ効果みたい(笑)
昨日もまだ雨っぽかったので、モイスチャーな空気を楽しみながら演奏を聴き続けていた。
湿度が高いせいだろう。聴いているだけなのに、じわじわと汗をいっぱいかいちゃった。
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先日、Youtubeで、ピアニストの反田恭平さんと、田村淳さんの対談を観た。
反田恭平さんといえば、今年のショパンコンクール第二位!
元々、ピアニストを目指していたわけじゃなかった?!らしい。現在は、オーケストラを株式会社化し、経営者としても活動しているそうだ。
番組の中の話の論点は「いかに他人と違うのか?他人の意見を聞けるのか?」に絞り込まれていた。
しかも、そのオーケストラ会社の拠点は奈良県だ。
日本だけではなく、世界を視野に入れ、外国の方が訪れたいと思う場所=奈良だったという。
「奈良にいる鹿の数より、楽器を持って歩いている人の数を増やしたい」
「奈良をイタリアみたいにしたい。たとえば、タクシーの運転手さんがクラシックを聞いているとか
お年寄りが、演歌を歌うかわりにクラシックを歌うとか」なんてことをずらずら~~~と、言われていたんだ。
「ソリスティアーデ」というオンラインサロンも運営されている。
その活動のどれもが、今までのクラシック界の常識を打ち破る新しいことばかり!
印象的だったお話が、「オーケストラ」の在り方。
今までは、指揮者が絶対で、各楽器のパートの奏者は指揮者の言う通りに演奏するものだった。
しかし、反田さんは、たとえばバイオリニストが、「ここはこう弾いた方がいいんじゃない?」と提案したり、他の人が「そこはそうじゃない方がいいんじゃない?」と、意見を交換しあって作り上げていくことがもっとも大事だと言われていた。
すると、「その時」「その場」の音楽が新たに、広がっていくのだ。
最近この「隣の人と違う」ということがとても大事なんじゃないかと思うようになったのだ。
私はずっと「違い」って怖いものだと思っていたのかもしれない。
誰かが私と違う意見を言うって、なんだか自分を否定されているみたいだと。
でも、「違い」って、「自分が持っていないものを相手からプレゼントしてもらう行為」なんだ。
これから、もし誰かと意見が合わなかったり、違いが見えてきたら、「お~~、それだったらどうする?」と、同じ土俵に乗ってもらい話をどんどん広げるのを楽しみにしよう!っと、対談を聞いて思った次第。
しかしさ、反田恭平さん、まだ27歳だって!
しかも、秋に初エッセイも出る予定。(すでに3万部重版決定だそう!)
なんだか、すごい人の演奏や話をどっぷり聴いた至福の時間だった。
最後にショパンコンクールのファイナル演奏をここに。
「英雄ポロネーズ」