【ブログ新規追加970回】
『経営は、焚き火のように Snow Peak飛躍の源泉』
簡単レビュー
~スノーピークの強さの理由を、社長自らが語り尽くす~
スノーピークをアウトドアメーカーと思っている人は多い。
しかし、今や、16期にわたる増収を続ける絶好調企業にして、「アパレル」「飲食」「住宅デベロッパー」「コンサルティング」と事業領域を急速に拡大している総合メーカーへと変貌を遂げつつある。
事業領域として「衣・食・住・働・遊・学」を掲げるのは、服飾デザイナーから3代目社長に就任した山井梨沙氏。その中心には、常に「野遊び」を軸にしたスノーピーク独自の経営論がある。
ここ最近、「ビジョン経営」「パーパス経営」「デザイン経営」といった、経営手法がもてはやされている。
スノーピークは1988年からビジョン経営、デザイン経営を続けるお手本のような企業だが、山井社長は、「自分たちがデザイン経営をしていると意識したことは一度もありませんでした」という。
企業が目指すべき方向性を言語化し、全従業員を目標へと導く経営はどのように行われているのか。『経営は、焚き火のように Snow Peak 飛躍の源泉』は、その要諦を明らかにしていく。
~スノーピークはもはやアウトドアメーカーではない~
キャンプで育った30代社長は、人として、経営者として何を大事にしているのか。また、今後どんな展望を持っているのか。
企業価値の源泉となる焚き火のように熱い経営とは。第1章ではデザイン経営について、第2章では、業績好調の理由、第3章ではキャンプで育った経営者について、第4章では、事業を支える社員たちを紹介していく。
本文より–
「東証一部上場企業の社長として、私はかなり異端の存在です。就任当時は最年少記録となる32歳で、しかも女性。経営を学んだこともありません。そして、タトゥーが入っている……。」
「スノーピークという会社は社員全員がキャンパーであるということが最大の特徴です。社員数が600人を超えた現在でも、採用基準ではキャンプが好きかどうかを重視しています」
「デザイン経営とは、端的に言うと、ビジョン、ミッション、バリューが順序立てられて、それを実現するためのプロセスをデザインするという経営手法です。ですが会長も私も、自分たちがデザイン経営をしていると意識したことは一度もありませんでした」
「社員たちも一人ひとりがデザイナーであるという意識を持ってもらうようにしています。そう考えたのには理由がありました。会社が大きくなり、社員が増えるにつれ、会社に「ぶら下がっている」印象の社員が増えているように感じていました」
「今後、スノーピークを象徴する広大なHQで展開したいのは『村』です」本書から抜粋。
【目次】
第1章 気づいたら「デザイン経営」だった
スノーピークの現在地
8年間で4つの事業が始まった
市場を想像するものづくり
改訂した経営理念
社長としてはアウトサイダー
未経験でも社長業ができている理由
スノーピークらしいのはC案
特許庁からデザイン経営企業として表彰
専門家も認めたスノーピークのデザイン経営
洋服のデザインと経営は同じ
言語をデザインする
社員全員が体験デザイナー
売り上げは提供した価値の対価
スノーピークの次世代育成プラン
私の経営に欠かせない焚き火ミーティング
熱狂的なファン「スノーピーカー」とは
ユーザーとのキャンプがすべてのはじまり
コロナ禍で急増中の新規ファン
継承されるスノーピーカーDNA
コラム:父と娘のモノローグ スノーピークの事業承継
第2章 ものづくりの先へ 業績好調の背景
16期連続で増収
本社の広大な敷地はスノーピークの象徴
体験価値を提供する
「衣・食・住・働・遊・学」の事業領域へ
何より社員の主体性
「ゆりかごから墓場まで」の村をつくります
総合展示会「ライフエキスポ」でできたネットワーク
新規の提案がひっきりなし
エキスポで実感した焚き火の力
社会人から地球人へ
次のエキスポを前に
コラム:スノーピークの海外展開
24年に売り上げ全体の40%を目指す、グローバル戦略
第3章 義務教育ではなくアウトドア教育で育った
小学生まで毎週末キャンプ
キャンプで学んだ状況判断とリカバリー力
アウトドアパーソン譲りの「お節介精神」
強みは妄想する力
人間らしさを取り戻す新潟での暮らし
焚き火をする理由
燕三条で培ったものづくりの精神
土地に根付いた文化を着る、体験する
自然界のラグジュアリーウェア「YAMAI」
自然由来の素材で必要な分だけをつくるモデル
コラム:社員アンケートで分かった
山井梨沙社長ってどんなヒト?
第4章 スノーピークを支える最前線の社員たち
衣 「スノーピークアパレル」前年同期比157%を生み出す2つの強み
衣 スノーピーク流のSDGsとは? 3軸で進める服づくり
食 スノーピーク「食」への挑戦 古来種野菜をキャンプ料理で提供
食 スノーピークが「白馬の王子様」になれた理由 リゾート閑散期を救え
住 スノーピークの街づくり 時代が求める“野遊びのある暮らし方”
住 スノーピークが作った一生ものの家具 変わる暮らしにフォーカス
働 大手企業も続々導入 スノーピーク「キャンピングオフィス」の効果
遊 スノーピーク流地方創生に依頼が殺到 カギとなる「2軸」とは
学 持続可能な世界をつくるキャンパー思想 教育現場に広がる
衣 食 住 遊 働 学 スノーピークのものづくりDNA 市場は「創造」するもの
衣 食 住 遊 働 学 舞台は大自然、前代未聞の超大型展示会を開催
衣 食 住 遊 働 学 「スノーピーク流DX」 5つの取り組み、ゼロから成果を出せたワケ
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2022年6月発刊の新刊本の紹介をしよう。
かの高額キャンピング用品メーカー「Snow Peak」の精神から経営スタイルに至る企業物語が出ているのを最近知った。
我が家もすっかり、日常にキャンプが根付いているこの数年。とはいえ、わたしは幼少からアウトドア派の両親と共に、キャンプにば行っていたから再燃ともいえる。
子どもの頃は、自分たちで設営したテントの時もあったが、多くはコテージやバンガロー(いわいる小屋・笑)に泊まるのが楽しみだった。
小豆島でキャンプをした時は浜辺にテントを張り、夜な夜な焚き火をし、明け方の日の出は忘れられない美しさだった。
キャンプの醍醐味はやはり、自分の城を立てるテント設営だろうし、焚き火を楽しむ余裕の時間だろう。
我が家では、Snow Peakのような高額テントとかはまったく持っていない。
自分たちのキャンプスタイルに合わせたテントや焚火台などの道具を見つけて、使うためにキャンプをするのが楽しいのだ。
太古の昔から人々を照らしてきた焚き火。
その火は道具の優劣に関わらず、暖かくて懐が深い。
また、焚き火のよさは、手元で小さな火を育てていく中に深い癒しを得られるのだ。
お寺さんのお炊き上げとは、ちと違う(笑)
そんな焚き火に魅せられた人は無数にいるだろう。
さ、今年も何回、キャンプに行くのか?まだ何も決めてはいない。
今は、こんなキャンプ関係の本で栄養を蓄えておこう。
それではまた!