★2024年8月28日更新 山野草ハンターのわたしが度々訪れる裏山とは?~『牧野富太郎と、山』牧野富太郎・著(山渓文庫)も紹介♪【植物・裏山考察】

【ブログ新規追加1080回】

わたしの超マイナーな趣味である山野草ハンター歴は8年。

ほぼブログと同じくらいの月日を草花を探すことに費やしてきた。

ハンターと言っても、珍しい植物やきれいな植物を採取するわけではなく、ただ見つけて記録のために写真を撮り、家で植物図鑑やWEBで調べるいわゆる「植物オタク」なのである。

山野草にハマったきっかけは、以前住んでいたところで出会った老婦人のお庭の山野草がとても美しかったから。

(※山野草とは→国内外の平地から高山に至る野外に自生する観賞価値のある草本、低木及び小低木の一部を含む幅広い意味を持つ植物のこと。

日本国内における近代的な山野草の歴史は100年程度と浅く明確な定義はなされていない。Wikipediaより)

老婦人はお店で山野草を購入して、お庭で丹精込めて育てていたのだ。

それはそれはとても美しく、どこか儚い植物たちだった。

当時、SNSで知った「山野草を愛でるコミュニティ」というのに入ったことから、山には季節ごと、場所ごとの山野草が生息していることや、その分布を知り、そうした山野草を見つける人を山野草ハンターと呼ぶことを知ったのだ。(アウトドア専門誌でも山野草ハンターという名称は載っていた)

そして、山野草にも「希少種」なる草花があることを知った。

~本来はその場所にあるはずもない花がある季節にだけぽっと咲く~

コミュニティでは、そんな希少な草花を惜しげもなく写真や文献で披露されていた。

こうなると、珍しい草花を見に行きたくなるわよね。

で、だいたいが山に生息しているから、山好きにならざるを得ないというわけ。

現在、NHKで放映中の朝ドラ「らんまん」では、主人公の牧野万太郎(牧野富太郎)が新種(まだ誰も解明していない植物種)を探すことに人生をかける壮大なドラマだ。

万太郎が新種を探すのに夢中になるのはわかるわ~~~(笑)と、大共感しているのよ。

そして、牧野富太郎が植物採集に訪れた山は日本中の名峰ばかりだが、こと高知県出身のせいだろう、愛媛県の石鎚山・徳島県の剣山(日本百名山)など西日本を代表する高山に度々訪れている。

しかし、牧野富太郎が幼い頃に草花に目覚めたのは、家の裏山だった。

その裏山で毎日朝から晩まで植物を採取し、まだ見ぬ新種を探しては研究に明け暮れていたのだ。

何でもない裏山が植物学者・牧野富太郎博士を生んだ。

ちなみにわたしにも裏山がある。徒歩5分で行ける近所のひよどり山(東京都立小宮公園)だ。

60mあまりの低い山だが、毎月これは!と、思える山野草に出会える場所なのだ。

1月にはひよどり山山頂から三段広場をぐるりと蝋梅の林が囲む。よく晴れた日には富士山も見える。

4月上旬には、森に咲く妖精「フデリンドウ」を見つけに行くのも楽しみ。(2019年撮影)

4月にはこの山での希少種「ワダソウ」(長野県和田峠が原産)が森の中でひっそりと咲く。(2023年撮影)

5月~8月には花畑で一面に咲く園芸種が圧巻だ。(2019年~2022年撮影)

クリスマスリースでおなじみの「山帰来」の実だが、今年は見つけられなかった。(2022年撮影)

9月にも、ひよどり沢を埋め尽くす「ツリフネソウ」が見ごろを迎える。

昨日早朝、思い立って「ツリガネニンジン」をさがしに行ったがみつけられず(画像拝借)

そのかわりに「オミナエシ・女郎花」の仲間の「オトコエシ・男郎花」を見つけて写真に撮ってきた(TOPの写真)

と、こんな風に家の裏山で山野草ハンターになっているという話を書いた。

              ★★★

牧野富太郎の書籍紹介

牧野富太郎と、山』牧野富太郎・著(山と渓谷社文庫)

簡単レビュー

利尻山、富士山、白馬岳、伊吹山、横倉山。
愛する植物をもとめて山に分け入り、山に遊んだ。
山にまつわる天衣無縫のエッセイ集。

日本の植物学の父・牧野富太郎氏は植物を観察・採集するために日本各地の山々を訪れ、そのときの様子をエッセイに残した。
幼少期の佐川の山での出来事を綴る「狐の屁玉」、植物を追い求めるあまり危うく遭難しかけた「利尻山とその植物」、日本各地の高山植物の植生と魅力を存分に語る「夢のように美しい高山植物」など山と植物にまつわる39のエッセイを選出。

エッセイに登場する山のデータも収載し、牧野富太郎が登った山を訪ねるガイドとしても楽しめる。

解説/梨木香歩

■内容
なぜ花は匂うか?

*北海道から東北
利尻山とその植物[利尻山]
シリベシ山をなぜ後方羊蹄山と書いたか[羊蹄山]
マルミアスナロ[恐山]
ニギリタケ[恐山]
秋田ブキ談義[秋田の山野]

*関東甲信越から中部
山草の分布[釧路雌阿寒岳、八甲田山、栗駒山、鳥海山、早池峰山、駒ケ岳、戸隠山、越後清水峠、大山]
長蔵の一喝[尾瀬]
アカヌマアヤメ[日光山]
アケビ[筑波山、高尾山]
日本に秋海棠の自生はない[清澄山、那智山]
萌え出づる春の若草[日本の山野]
用便の功名[箱根山]
箱根の植物[箱根山]
富士登山と植物[富士山]
富士山の美容を整える[富士山]
美男かづら[富士山]
夢のように美しい高山植物[岩手山、立山、八ヶ岳、御岳山]
越中立山のハギ[立山]
二三の高山植物に就て話す[白山、金精峠]
山草の採集[白馬岳、八ヶ岳]
ナンジャモンジャの木[神崎森]
馬糞譚は美味な食菌[飛騨山脈]
火山を半分に縦割りにして見たい[小室山]

*近畿から中四国、九州
東京への初旅[伊吹山]
『草木図説』のサワアザミとマアザミ[伊吹山]
アセビ[六甲山]
紀州高野山の蛇柳[高野山]
石吊り蜘蛛[三段峡]
万年芝[三段峡]
地獄虫[佐川の山]
狐の屁玉[佐川の山]
火の玉を見たこと[横倉山]
いわゆる京丸の牡丹[横倉山]
シシンラン[土佐の奥山]
桜に寄せて[奥の土居]
豊後に梅の野生地を訪う[井の内谷]

植物と心中する男の話である。

それでは、また!