【ブログ新規追加1107回】
鏡のような水面が四季折々の風景を映す美しい池
標高1,500mの山の中にある風光明媚な池。
静かな水面には背景の山々の風景が逆さに映り込み、幻想的な光景を創り出す。
その姿は多くの人のインスピレーションを呼び覚まし、日本を代表する画家、東山魁夷氏の有名な作品《緑響く》のモチーフにもなったことでも知られている。
周囲のカラマツ林は、季節ごとに大胆に色を変える。春には新緑、夏には深い緑、秋には黄金色に黄葉し、そして冬には真っ白な雪と氷に閉ざされる。
そうしたそれぞれの季節の風景を御射鹿池の水面が静かに映し出し、日々違った顔を見せるのが隠れた魅力と言えよう。
同じ日でも、時間帯によって全く違う顔を見せてくれるので、何度も足を運んでしまいそうな衝動に駆られる。
こんなに美しい池だが、実は、農業用のため池で、冷たすぎる八ヶ岳の水をお日様に当てて稲作に利用するために、昭和の初めにつくられたものだそうだ。
池の水は今でも麓の笹原地区で大切に利用されており、池の周囲も笹原の人たちによって整備されている。
※堤防内は立ち入り禁止で、池に近づくことはできない。
地元で大切に利用されている農業施設で、環境維持にと協力をお願いする看板があった。
INFORMATION
住所 長野県茅野市豊平奥蓼科 駐車場 あり30台 大型バス駐車場 あり5台 お車でのアクセス 諏訪ICから約18km・約30分
公共交通機関でのアクセス JR茅野駅 →(アルピコ交通・奥蓼科渋の湯線約45分) →明治温泉入口バス停下車 備考 近くに、コンビニエンスストアや自動販売機なし。最寄りのコンビニエンスストアまでの距離は10km。
★★★
10月25日、駒ヶ根のホテルで朝食を頂き、8時30分にはチェックアウト。
ここから、40分ほどドライブして、長野県茅野市に入った。
途中、八ヶ岳エコーラインで風光明媚な八ヶ岳の姿を見ながらのドライブ。
蓼科高原があまりにも美しく、「ここなら住んでもいいかも・・・」なんてぼんやり考えながら、次の目的地「御射鹿池(みしゃかいけ)」に向かった。
かの、東山魁夷画伯の『緑響く』の作品モチーフとなった池を訪ねてきた。
≪緑響く≫1982年 / 蓼科高原・御射鹿池
一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え 去った―そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなく第二楽章の旋律が響いているのを感じました。
おだやかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち昇る嘆 きとも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬 はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです。~東山魁夷画伯の言葉より~
『東山魁夷館所蔵作品集』1991年
本来なら、新緑の頃が最も美しい。6月の白馬登山の帰りにも行き損ねてしまった。
紅葉の時期はどうなんだろう?行ってみよう!と思い立って調べたのはつい最近。
紅葉の池も素晴らしかった。
確かに季節によって、何度も行きたい場所かもしれない。
というわけで、長野紅葉旅の〆めは、蓼科高原・御射鹿池。
しばらくは、今回の旅の写真を見ながら回想に耽る日々になるだろう。
そのぐらい、旅の濃度が上がった。
旅の基準値(美しい山と周辺の風景をとらえる・地産地消の美味しい物を食べる・歴史を知る)を上げられた今年の長野旅。
とっても満足している。
それでは、また!
※ 東山魁夷コレクションはこちら→https://nagano.art.museum/hkg-collection 長野県立美術館