【ブログ1201回】
児童書・学参が主である教育出版社で書店営業を生業として働いている。
ほぼ、毎月発刊される、児童書やドリル、学習参考書などの見本が毎週末に送られてくる。
その新刊見本本を使って客先で商談するのだ。
1ヶ月間利用した見本本も、商談がすべて終了すれば、言葉は悪いが「ただのお払い箱」となる運命にある。
でも、ほぼ新品。
勤続17年の間、かなりの新刊見本を手にしてきたが、だいたいは数年持ちこたえて、一気に処分してきた。
きれいなままの新刊見本。「だったら売っちゃえば?!」とか言われそうだけど、それは諸々の理由からNG。(図書館、学校、病院など公共の場所へは社内で献本ルートがあるので対象外)
あくまでも社員の手元での消費に任されてきた。
で、知り合いのお子さんに差し上げたり、入院したお子さんへのお見舞いなど、迷惑にならない程度に差し上げてきたが、なかなか使いきれていないの。
新刊で、店頭では平積み状況にある本も多い。もっと知らせて読んでもらえるためにはどうしたらいいのか?
わたしが家にいくらため込んでもそれじゃあ、本の認知度は一向に上がらないでしょ。
もう、ずうっと頭の片隅に置いて悩んできた案件だ。
しかし、そんな小さな悩みの一端が解消される「目先の変わる行動」ができた。
先週、とある新聞(全国紙)の教育欄に今年3月に発刊された、我が社のシリーズ作品がレビューとともに紹介された。
その新聞では、だいたい1年で3回ぐらいの割合で我が社の新刊紹介がされる。
わたしは、その記事を見て「はっと!」した。
「レビューつきの新刊が新聞で紹介されている!」「これを使わない手はないわ!」と。
新聞、各メディアでの紹介であれば、記事そのものも読んでもらいやすいし、そこに見本本があればなおさらのこと、興味を持ってもらいやすい。
新聞や雑誌(かなり減ってはきたが)各WEBメディアなどで、自社の本が紹介されることは実は、とても多い。
「新刊紹介記事がメディアに載った本を献本する」という方針で見本本を利用することにしたら、何だかとてもスッキリとした気持ちになれたのだ。
さっそく、新刊見本本(生き物関連絵本)と新聞記事をきれいに透明のバッグに入れて、知り合いのお子さん(小学5年生だが長いこと不登校中)と、ご両親に差しあげてきた。
お子さんもご両親も「いいんですか?」と、とても喜んでくれた。
献本を少しでも意味のあることと感じて頂き、記事とともに絵本を読んでもらいたい一心でお渡しした。
後日、お子さんのお母さまから、「3人兄弟で、一緒に仲良く読んでいます!」「ありがとうございました!」と、嬉しい反応だった。
わたしが、仕事で使い終わった段階で、家の片隅に追いやっていた絵本が息を吹き返した瞬間だ。
単なる絵本1冊だが、わたし達の教育出版には、「個々の可能性を発見する手助けをする」というミッッションがある。
子どもたちの成長を助ける大きな役割がある・・・と、久しぶりに自社のミッションを思い出し、ちょっぴり貢献できた気持ちでいっぱいになった。
というわけで、清々しい献本の話を書いてみた。
それではまた!
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『SunTAMA Stye』2020年6月5日記事
『SunTAMA Style』2021年6月5日記事
『SunTAMA Style』2022年6月5日記事
『LifeTour21st』2016年6月7日記事「出版のこれからを沖縄で考える」
『みいこStyle』2018年6月7日記事 「女がキャリアを積む時」