夏期合宿の思い出と演奏会の話【風景・音楽エッセイ/旧記事更新97】

【ブログ新規追加1221回】

わたしの高校生時代。夏の音楽修行の場は、長野・新潟のスキー場だった。

毎年、合唱部の夏合宿では志賀高原か越後湯沢が定番。

合宿所は音楽専用のホールや練習室のあるお得なホテルでだいたい2泊3日で行われた。

最終日だけは、スイスの山小屋を模したホテル「シャレー志賀」の大型窓から、夏のスキー場の青々とした山並みを眺めながらの朝食が頂けて、ことのほか素晴らしいものだった。

早朝のホテル周辺のトレッキングも体力づくりを兼ね、それなりの高度を上げた歩きをしつつ、発声練習にもなる呼吸法などを学んだ。

清涼な空気、心地良い香りに包まれる森、そして美しく可憐な植物にかこまれた国立公園、志賀高原。


一の瀬の豊かな森に面するスキー場では、新緑や白銀、季節ごとの自然が目の前に広がる。


自然の中で過ごす時間は、自分と向き合い、心が穏やかに整う時間となっていた。

そんな昔々の記憶を彷彿させてくれたのは、ヨガで知り合った同世代の女性とのやりとりから。

彼女は、毎年8月には「岳都・楽都・学都」のキーワードを掲げる都市の長野県松本市に滞在しているのだそう。

かの、長野県松本市の夏の風物詩「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」の総監督であり、松本市名誉市民である小澤征爾氏。訃報に接し、奈良県への本拠地移転との話もあり、信州の経済関係者から悼む声があがった。

生前、小澤氏は『ずっと松本が本拠地だ』とも言われていたしね。

その後、紆余曲折がありながら、今年も演奏会が開かれる。

発売からわずか数分で完売する大人気演奏会で、今年も運よくゲットできた!と。

そんなマエストロを偲ぶ演奏会に参加するのだそう。

なんて素敵な夏の予定。

と、彼女と話をしているうちに、懐かしいスキー場合宿のことを思い出したんだ。

また、夏合宿だけでなく、冬季のスキー本番になった時のことも。

わたしの家族は、両親と弟の3人はスキー愛好家だったが、わたしはなぜだかスキーをやらずに生きてきた(笑)

たぶん、ピアノや歌曲のレッスン、予備校の勉強など音大進学のために高校時代があったようなものだったから、時間がなかったというのが本音だ。

今思えば、あの時、時間を惜しまず予備校も休んで家族のスキー旅行に行っておけばよかったな・・・と、思う。

スキーは何しろ初期投資がかかるので、親まかせで揃えてもらえばよかったとも思うわけ。

今となっては、もう歳もとり、スキーを登山にかえて山を楽しんではいるけれど。

経験という、逃した魚は大きかったかも(泣)

というわけで、夏の予定に合宿があった時代の話を書いてみた。

わたし達の夏スキー場巡りももうすぐ。

昨日は、都内で開催された某管弦楽団、夏の定期演奏会にも行ってきた。

曲目は、「エグモント序曲」ベートーヴェン・「交響詩 中央アジアの草原にて」ボロディン・交響曲第3番「ライン」シューマンなど。

夏らしいさわやかな風が吹き抜ける演奏会だった。

演奏会と夏山に行く、わたしの夏が来た。
それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年7月22日記事

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『Life Tour21st』2016年7月22日記事

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