【ブログ新規追加1252回】
※Top画像 「種をまく人」ミレー作(山梨県立美術館所蔵)
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』能勢 博・著 (ブルーバックス 2113) 新書
簡単レビュー
放っておくと筋肉は年齢と共に衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたり、心の健康や、脳の認知機能にまで影響を及ぼすと言われている。
とはいえ、筋肉を衰えさせてはいけないとわかってはいても、運動をコンスタントに取り入れるのはなかなか難しい。
ジムに通い続けるにはお金も必要だし、一人でできないスポーツはその場所や相手を確保するのに手間やお金もかかる、ランニングはいきなり走っても大丈夫か不安など、運動に対するハードルはけっこう高いものだ。
そこでウォーキングの提案。
ウォーキングなら家の周りを歩いてもいいし、どこかに行くついでに1駅分歩くこともできるし、すぐにでも始められる。
ただ、なんとなく歩くだけでは体力アップはむずかしいことも事実だ。
著者は科学的に「どれくらいの速度で」「どれくらいの頻度で」「どれくらいの時間行えば」「どんな効果が得られるのか」を徹底的に研究し明確にした。
その根拠となるのは、10年余りで7000人以上のデータを取った結果と分析。それがわかりやすく示されているので、なぜどのように体にいいのか納得できる。
そのようにして確立した、効果的で継続しやすい方法「インターバル速歩」を紹介。
ややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを一定間隔で繰り返すだけのシンプルな方法だ。
第1章では、体力とはなにかについて、ミトコンドリアの働きなど細胞レベルの話も交えて解説する。
なぜちょっときつめの早歩きを組み込むのかがわかる。
第2章では、具体的なインターバル速歩のやり方を紹介し、多くのデータから明確になった、さまざまな効果について解説。
第3章は、インターバル速歩をさらに効果的にする方法や、腰痛・膝痛や体に不調のある人にもできる方法などを紹介する応用編となっている。
第1章 体力とはなにか
体力とはなにか/運動時のエネルギー源/体力が落ちると生活習慣病になりやすい!?/運動トレーニングによる持久力向上メカニズム/熱中症予防のために備わった驚くべき体のシステム/1日1万歩は体力アップになるか?/中高年者はトレーニングを明確に区別する必要はない ほか
第2章 効果的なウォーキング「インターバル速歩」とは
体力向上はウォーキングで十分だった!/体力向上が加齢による症状を改善する(生活習慣病を改善する/気分障害も改善する/睡眠の質も改善する/認知機能も改善する/関節痛も改善する/骨粗鬆症も改善する)/炎症反応を引き起こす遺伝子 ほか
第3章 「インターバル速歩」をより効果的にする科学
インターバル速歩後の乳製品摂取で(筋肉が太くなる ほか)/慢性炎症を抑制する/生活習慣病の症状が改善する/腰痛・膝痛の人にもできるインターバル速歩/水中インターバル速歩 ほか
★★★
10月からは、基本的に書籍の紹介レビューをたくさん書いて行こうと決めた。
元々、わたしはレビュー作家だったから、得意な分野でしっかりとブログを執筆して行こうと思う。
で、第一弾は「健康」がテーマ。
健康的によりリーズナブルに取り組める「ウォーキング」を科学的見地から書かれている実践本の紹介。
万歩計で歩数だけカウントしても一向に筋力は及び体力はつかない。そこで、即効性があり、実感がこもる書籍を見つけたので取り上げてみた。
だいたい、スポーツジムはとっても授業料が高い!これが続かない理由よね。
もっと庶民レベルのわたし達でも、気軽にできる体力向上のための運動プログラムはないか?
そこで、この課題を解決すべく10年あまり研究を行い、マシンを使わない「インターバル速歩トレーニング」(以下「インターバル速歩」)でも十分な効果が得られることを明らかにした!という記事を入手した。
記事の内容から~中高年者246名を対照群、1日1万歩群、インターバル速歩群の3群に分け、それぞれ5ヵ月間の介入を行った。
対照群は、従来の生活を続けていただく。1日1万歩群は、週4日以上、1日1万歩を目標に歩いてもらう。
そして、インターバル速歩群は、週4日以上、1日30分以上を目標にインターバル速歩を実施してもらうことにした。
その結果、インターバル速歩群では、膝伸展筋力(大腿の前の筋力)が13%、膝屈曲筋力(大腿の後ろの筋力)が17%、最高酸素消費量が10%向上した。
一方、1日1万歩群では、ほとんど体力は向上せず、対照群と変わらなかった~
◎ インターバル速歩、簡単に取り組める!
簡単だけど5つのポイントはしっかり守ろう!
記事の内容説明~みなさんお待ちかねの「インターバル速歩」のやり方を説明。
といってもやり方はとてもシンプルで、「これだけでいいの?」と拍子抜けするかも方もいるかもしれない。
「インターバル速歩」のやり方、それは、 「最高酸素消費量の70%以上の速歩と40%以下のゆっくり歩きを3分間ずつ繰り返す」 これだけ。
要するに、速歩3分とゆっくり歩き3分を繰り返していこう、ということだ。
速度の切り替えを3分間隔としましたが、これは大部分の人が、これ以上の継続を困難と感じるから。
したがって、3分間の速歩の後に3分間のゆっくり歩きを挟むと、また速歩をしよう、という気分になる。
この速歩3分とゆっくり歩き3分のセットを、1日5セット(速歩が計15分とゆっくり歩き計15分)以上、週4日以上を繰り返すことを目標とする。
やり方は簡潔だが、以下の5点に注意してウォーキングしてみよう。
(1)視線は25m程度前方に向ける
(2)背筋を伸ばした姿勢を保つ
(3)足の踏み出しはできるだけ「大股」になるように
(4)踵から足を着地させる
(5)歩く際、腕を直角に曲げ前後に大きく振る
さあ、歩き方に工夫をしながら、10歳若返る「インターバル速歩」を10月は取り入れて行こう!
それでは、また!
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『SunTAMA Style』2020年10月2日記事
『SunTAMA Style』2021年10月2日記事
『SunTAMA Style』2022年10月2日記事
『SunTAMA Style』2023年10月2日記事
『Life Tour21st』2015年10月2日記事
https://lifetour.blog.jp/archives/1041465708.html 「歩く、飲む、話しを聞く-ワインカントリーの旅」