【ブログ新規追加502回】
「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花 萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花」 万葉集 山上憶良
この詩は奈良時代の歌人「山上憶良」が詠ったものだ。
現在の秋の七草はこの詩をもとに選定されている。
詩中の「尾花」は「ススキ」の別名であり、「朝顔」は「キキョウ」を指しているといわれている。
「春の七草」も良く知られたお正月明けの風物詩だが、お正月食べ過ぎたお腹を鎮めるのが目的の食用植物なのだ。
そこへ行くと「秋の七草」は中秋の名月を見上げる頃、花が全盛期を迎える。
秋の七草は、見た目の美しさから「観賞」して楽しむのが主な目的である。
葛や萩、森にはナンバンギセルやツリフネソウ、ゲンノショウコ、ヤマトリカブト、アキノタムラソウ、アザミなど紫色の花を多く見かける。
そしてたいがいは、藤の花を思わせる芳香がある。
七草がだいたい枯れる時期10月下旬から11月には、森では青紫が美しい竜胆(リンドウ)や薄紫の釣鐘人参(ツリガネニンジン)が見られる。
秋の菊やアザミも品種がとても多く、一度では到底見つけられないから、秋の山はできるだけ回数を重ねて冬直前まで通うのが毎年の慣例になっている。
★★
さて、今日は山の中だけでなく、森の外にも目を向けて、木の実を写真に収めてきた。
• ゴンズイはきれいだけれど臭いがNG。
• ムラサキシキブの実は果実。
• クコの実は杏仁豆腐にちょこんと乗っているアレ(笑)
• リュウノヒゲの実だろうか?森の中、釣船草(ツリフネソウ)の群生地で見かけた漆黒の実。
と、秋の花や実には魅力がいっぱい。
しかし、意外なほどジャストタイミングでの出会いは難しい。
だから出会えると、無性に嬉しい。
一期一会かもしれない花や実との出会い。
また、来年も同じ所で会おう。
とか、言っちゃって(笑)
「金風や 心地良きかな 森林浴」 清流子
色なき風に爽籟が響く、古来西風とされる秋風。この体に心地良いイオンはまさしく金風と言える。心情をしみじみさせ詩心を誘いますね。
森林浴も涼しくなった( ´艸`)