【ブログ新規追加1054回】
6月29日、標高1515mに位置する 白馬五竜高山植物園 と小遠見山(2007m)トレッキングへ行ってきた。
五竜岳登山の起点となる小遠見尾根を有する小遠見山は、スイスアルプス地方との気候が似ているところから高山植物の宝庫として植栽を続けてきたのだと。
一般的な花シーズンよりも遅い6月中旬から10月まで、約300種200万株の高山植物が咲き誇る広大な庭園が散策できる。
しかも、五竜岳(標高2814m)や白馬岳(標高2932m)唐松岳(標高2696m)など雄大なアルプスとの競演を楽しめる。
高山植物を探しながら、北アルプスを見ながらトレッキングするという二大アクティビティが叶う。
かねてから検討を重ねてきた憧れの地だ。
朝、8時30分。五竜岳登山口(エスカルプラザ)から五竜テレキャビン(ゴンドラ)に乗り込んで、北アルプス空中散歩を8分楽しむ。
ゴンドラはアルプス平(1515m)駅(360度展望)に着いた。ものすごい濃霧で真っ白。さっそく植物庭園を散策。あの「ヒマラヤの青いケシ」が霧の中から浮かびあがって見える。
幻想的な青いケシを慌てて写真に収めた。
植物園の入口を100mほど下るとアルプス平展望ペアリフト乗り場がある。
深い濃霧でリフトが止まってしまわぬうちにアルプス平自然遊歩道~地蔵ケルンまで行きたいので急ぐ。(五竜テレキャビン+ペアリフト往復2600円)
山の天気は刻一刻と移り変わる。ゴンドラに乗っているうちは大晴天で心躍るトレッキングにワクワクしていた。
ところが、ゴンドラを降りたら、当たり一面というか、視界のすべてが濃霧という名のガスに包まれる。
ペアリフト乗り場まで数々の高山植物を、愛でながら写真を撮りつつ濃霧が晴れるのを待つ。
で、20分ほど、高山植物園の散策をしながらペアリフトへ乗る。
ペアリフトを降りた所から、小遠見山山頂~地蔵ケルンまでは距離120m!意外と近い!と小躍りしていたが、木道がやっと敷いてはあるが、そのまわりを岩や石で埋めるだけの急登だ!
両端につかまるロープやハシゴ、鎖などはなく、落っこちたらどうしよう!?と、ちょっと不安になった。
かなり厳しい120mだ。
「登れるかな?」と登山道を横目にどうするか迷うわたしに、夫はすかさず「一人で行く?自分は膝がヤバイんでリフト乗り場で待ってるから~」と、アッサリ。
ここで、初のソロ登山になっちゃた(泣笑)
ま、ガッツだして「一歩・一歩」着実に足を岩や拍子木にかけて登って行った。
時おり、地蔵ケルンに到着したことを知らせる鐘の音が響き渡る。その音に励まされて登った。
120mを約15~20分ほどかけて山頂の地蔵ケルン(1676m)に到着。
ケルンでは、お優しい年配女性たちのパーティに遭遇し、お互いの写真を撮り合いながら、しばしおしゃべりを楽しんだ。
皆さん、北アルプスは初めてだそうで、雄大な景色に圧倒されて、見入っていた姿が印象的だった。
女性パーティは、次の目的地「地蔵の沼」へ出発し、わたしは登って来た木道をゆっくりとピストン下山して、夫の待つリフト乗り場へ急いだ。下山では登山のコツがつかめてコースタイム通り10分で到着(笑)
めっちゃ嬉しかったけれど、一人だと本当に心ぼそいもの。
風がヒューヒューとわたしを通り越して行く瞬間や、知らない野鳥が飛び交う高山ならではの静けさにおののいた。
ここで「ケルン」の意義を載せておく→「ケルン」とは人によって石を積み重ねたもの。作成する目的は様々であるが、ルートや山頂を示すための道標として、または埋葬場所・慰霊などの目的でも作られる。
資料元;https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/word.php?wid=2(ヤマレコ)
さて、目的の登山の次は高山植物園の散策。数が途方もなく多いので絶対に見たい!と思っていたヒマラヤ・アルプスゾーン「ヒマラヤの青いケシ群生地」を見つけるのと、ロックガーデンで高山植物の女王「こまくさの群生地」を見つけることに集中。(ま、すぐに見つかったけど・笑)
ヒマラヤの青いケシ・群生地では夫が動画用カメラで撮影に夢中。
何しろたくさんの高山植物があり、しかも小高い山を登りながらの花見では、名前をうっかり忘れた花も多く、とても一日では見きれない。
名前を忘れた花。可憐できれいだったのでここに。
で、小一時間ほど庭園内を歩き回って、青いケシもこまくさも制覇したので大満足。
で、最後に「牧野富太郎展」が白馬五竜植物園ビジターセンターにて6月24日から始まったので、帰りのゴンドラ乗り場に行きつつ展示(無料)も見てきた。
(日本中を植物採集に周った博士。白馬では60種類以上の新種を発見し名前をつけてきた。庭園内には博士の名づけた植物には「牧野プランツ」というプレートが立っていて知ることができる)
現在、NHK連続TV小説「らんまん」の内容そのものの展示物、牧野富太郎博士と植物の歴史が豊富に展示されている。(とってもイケメン・笑)
やはり、興味深いのは発見者の博士が作成した、新種の「植物標本」現物が見られることだろう。
というわけで、登山と高山植物の宝庫を愛でた白馬旅。
梅雨の晴れ間に恵まれて、北アルプスの雪渓が美しかった。
それでは、また!
明日は「松本十帖」の訪問旅をまとめる予定。
「天光る 白馬山麓 碧深し」 清流子
一昨日からの暑さと梅雨を避け、念願の北アルプスの白馬山麓・白馬東急ホテルに滞在した。幸いうまく梅雨の晴れ間に合い、さわやかで緑豊かな空間で休暇を満喫できた。その日差しの眩しいことこの上なく、6月末で家族の暮らしも一段落し、心深く安らぎを覚える時を得た。牧野プランツとの出会いもさらにほのぼのとして励まされる。
牧野プランツ( ´艸`)