【ブログ新規追加1091回】
美しい旋律と心に訴えかけるような至極のハーモニーが印象的な『ピアノソナタ 悲愴 第2楽章。
年齢を重ねたピアノレッスンでは、楽譜の見やすさが非常に重要だ。(だってぜんぜん見えないんだもん・泣)
片面A4判の楽譜からB4判へとコピー(122%拡大)をして練習に利用している。
さて、このピアノソナタ第8番『悲愴』は、年齢問わず人気の高い曲である。
ピアノ学習者にとっては第1楽章、第3楽章と合わせていつか演奏してみたい憧れの曲であることも多い。
わたしは、この曲を音楽大学1年の夏期末試験課題曲として頂いた。
もちろん、このピアノ曲は全3楽章からなる「ソナタ形式」となっている。
ここで簡単にソナタ形式の説明をしよう。
ソナタ形式(ソナタけいしき、英: sonata form、独: Sonatenform)とは、楽曲の形式の一つで、構成は基本的に、序奏・提示部・展開部・再現部・結尾部からなり、二つの主題が提示部・再現部に現れる。古典派の時代に大きく発展した。
この形式が、古典派ソナタ(交響曲、独奏協奏曲、弦楽四重奏曲、ピアノソナタなど)の第1楽章(および終楽章)に多く用いられたことから、「ソナタ形式」と呼ばれている。
ソナタ形式は、基本的に次のような形式をしている。
序奏 | 提示部 | 展開部 | 再現部 | 終奏(coda) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
第一主題 | 第二主題 | 第一主題 | 第二主題 | |||
主調 | 属調、平行調等 | 主調 | 主調、同主調 |
ソナタ形式は大まかに提示部(A)- 展開部(B)- 再現部(A’)とも考えられるため、三部形式でもある。資料→https://ja.wikipedia.org/wiki/(Wikipediaより)
と、なんだかわかったような、わからないような、まるで村上春樹小説みたいな説明文(笑)
10月はしっとりと「秋を感じる曲」を弾き込んでみたい!と選んでみた。
曲の難易度と、演奏の際に気を付けるべきコツを書いてみよう。
• 難易度
全音ピアノピースではDの中級上となっていますが、譜面上はCの中級あたりだと思う。
教本で言えばツェルニー30番後半くらいかしら。
「悲愴」を楽章別の難易度で考えてみると、簡単なものから第3楽章→第2楽章→第1楽章となるから、2楽章を弾く前に3楽章に挑戦しておくのも良いかもしれない。
歌心であったり、音色の多彩さであったり、本来は演奏における表現力も加味されなければならないね。
そういった面では、「悲愴」の中で一番難しいのは2楽章と言えるかも。
認知度の高い曲だけに、この曲で観客をうならせようと思ったら相当な表現力の高さが必要だとさえいえる。
でもさ、こんないい曲を弾きこなしておかねばピアノ道は進めないよ!
素敵に演奏できるよう精進したいものだ。
• 演奏のコツ
左手右手のバランスの話。
そもそも、ピアノの場合、二本の手腕(10本の指)で弾くから楽譜は二段だとは限らないし、メロディと伴奏と簡単に立て分けるだけじゃないんだ。
この曲では、右手・左手だけでなくもう一本の手が入り組んでいてめっちゃ複雑な譜面となっている。
その第二メロディーを奏でるために両方の空いた指を上手に使うのだ。そのためにピアノには厳しい運指法という技術がある。よ~するに指に番号が振ってある「アレ」よ。
アレをやり過ごして、ちゃんとした曲は弾けない。断言してもいい。だから運指を右手、左手とも別別に練習してから合わせるのがベターかしら。
その運指を覚えたら「いったいどうやって弾くの?」とはならないのよ(笑)
わたしの運指法との出会いは中学時代に習ったの。
「空いている指で補う」と知った時の衝撃は今でも忘れない!
こういった基礎的な話題は、音大では「絶対に聞けないあるある」のひとつ。要するにテクニックの部分は習得済みで入学してきたんでしょ?!と、とっても手厳しかった。
と、いうわけで補助の指を使い、二本の手で弾くというのが肝で、「どうやって譜面を読み、弾きこなすのか?」が最重要なのだ。
• 演奏のコツ ② 指と手首は柔らかくしておこう
ガッチガチの指や手首ではピアノで心地よい音を奏でたり、響きの良い音色にはたどりつけない。
肩、腕から手首にかけては十分に柔らかくしなやかに使うのが大事だ。
あたたかい音色を出したければ指はすこし寝かせ気味にするとよいだろう。
フレーズの終わりには手のひらも脱力させるイメージで硬さを排除する。
• 演奏のコツ(4点)まとめ
1 左右のバランス
2 手首と指を柔らかく
3 3連符の攻略
4 ペダリング
この4点に気をつければ、間違いなく素敵な「悲愴 第2楽章」となる。
ちなみに第8番「悲愴」第14番「月光」第23番「熱情」の3曲をベートーベンの三大ピアノソナタという。
どの曲も素敵よ。
では「ピアノソナタ第8番 悲愴 第2楽章」を辻井伸行氏の演奏でどうぞ。
それでは、また!
「夜の秋 やっと拝める 有難さ」 清流子
まだ湿度は高いものの、やっと夜の温度が落ち着いてきそうです。空気も爽やかさが加わり静かに響く虫の音が聞こええると秋のわびしさが募ります。夕暮れから宵が訪れ更けていくと夜半の秋となり、時への愛しさが伝わりますね。ちょうどベートーベン悲愴曲の流れのように。