『お金の減らし方』森 博嗣・著(BS新書)【選書・文化/旧記事更新119】

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『お金の減らし方』森 博嗣・著(BS新書)

簡単レビュー

「お金がないから好きなことができない」
人はとかく、できない理由ををお金のせいにしがちだ。
一方、お金持ちは「お金は使えば使うほど増える」という。
人生や価値観を左右する「お金」とは一体なんなのか。
どうすれば、お金の不安が消えるのか?


本書は、著書『作家の収支』でその収入を明らかにするなど、忌憚なく本質を突く作家・森博嗣が「お金の減らし方」と題し、人生とお金の付き合い方を解き明かす。

投資家やFPでは決して語ることのできない「お金」への思い込みをひっくり返す1冊だ。

本書のポイントを一行でまとめてみた。

お金を他人のために使ってはいけない

・お金はもともと仮想のもの
・お金は社会が保証したもの
・お金は価値を測る物差し
・価値は誰のためのものか? ・自分の欲求をよく知ることが基本
・値段が価値ではない
・ものの値段に左右されない
・お金がないからできない?
・自分の満足を得ることが最終目的
・他者のためにお金を使う人たち
・価値を見極めるためには?
・自分の欲求をよく知ることが基本


目次

第1章 お金とは何か?
第2章 お金を何に使うのか?
第3章 お金を増やす方法
第4章 お金がないからできない?
第5章 欲しいものを買うために
第6章 欲しいものを知るために

            ★★★

本当に世間には、「奇想天外な考え方=極端な思考」で日々を普通に暮らしている人がいるんだなあ・・・と、深いため息が出てしまった一書を紹介しよう。

読んでみないと、わかりにくいので、当時、わたしが単純に「いいなと思って生活に取り入れた部分」をお伝えする。

それは、「収入の二割は完全に遊ぶために使う!」というくだり。

わたしはすぐに自分の収入を思い描いた。

わずか、月にして数十万のお給料の二割を遊びに投資できるか?

わたしが?

絶対に無理!!

と、自分の収入と遊びを天秤にかけることすらできずにいたのだ。

そんな時、会社員でありながら、某出版社からのスカウトで兼業作家として始めていたWEBライター(ブックレビュアー)の仕事と、2冊の著作の印税が入ることに。

見事に森氏のおっしゃる「収入の二割を遊ぶために使う」が叶った。

副収入あっぱれ(笑)

そこから、好きで仕方がない「旅」に夫と二人で出まくった。

でも、遊んでばかりじゃあつまらないから、しっかり働いて今では「収入の一割」を無理のない範囲で旅に充てている。

本書の中では、奥さんにこう言っている場面があった「欲しいものは何でも買えばいい。収入の一割を遊ぶために使いなさい」と。

あれれ?収入の二割じゃないの?(種明かしすると夫婦二人で二割だそう)

そして考える。書籍に書かれている作家の収入と自分の収入の格差が非常にあっても、自分の物差しに置き換えさえすれば、作家のように「遊びをちゃんと生活に取り入れる」ことができるのだ。

一見、無駄に見える遊びの喜びを毎月同じ額で用意できる幸せを知った。

我慢はいらないことを教わった一書だ。

             ー----

さて、ここでいう収入とは森氏の大学教授としての収入と作家としての印税を指すらしい。

(森氏の印税は総額20億円あったそうだ)

どうやっても使い切れないお金。

作家自身が、投資や財産を増やすことに一切興味がなく、使い切れないお金に立ち向かう作家とその家族たち(笑)の行方が記されていて、なんとも面白い。

そして、「お金ってなんだろう?」「お金の価値って?」と、様々考えて行くうちに読了を迎える筋書きが見事だ。

つくづく「事実は小説よりも奇なり」だ。

さあ、読書の秋。

自分の欲と向き合いながら、「収入の二割を遊びに使って」みてはいかが?

それでは、また!

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『SunTAMA Style』2020年9月11日記事

『SunTAMA Style』2021年9月11日記事

『SunTAMA Style』2022年9月11日記事

『SunTAMA Style』2023年9月11日記事

『Life Tour 21st』2015年9月11日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1039287536.html 「品川今昔物語」

“『お金の減らし方』森 博嗣・著(BS新書)【選書・文化/旧記事更新119】” への1件の返信

  1. 「雷鳥や 未知との遭遇 氷河かな」 清流子
    雷鳥は氷河時代に生き残ったキジ目ライチョウ科の鳥。猛鳥を警戒して朝夕の薄明時また雷雨などがきそうな荒天を利用して採餌するのでこの名がある。繁殖期の夏季に雛をつれた親鳥を稀に見かけるという。活かせるお金との遭遇も運次第!

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