「立冬」歳時記~冬の始まりの日【暮らし・立冬/旧記事更新176】

【ブログ新規追加1268回】

今週、急に寒さが襲ってきた。立冬か。なるほど・・・。

立冬(りっとう)二十四節気の全体をざっと調べて、書き出してみた。

日本古来の自然のリズム、二十四節気と、5日でめぐる日本の季節、七十二候をはじめ、旧暦の日付や雑節のお知らせである。

11月霜月の和の暦はこれ!
立冬 りっとう|二十四節気──11月7日~21日


山茶始開 つばきはじめてひらく第55候──11月7日~11日地始凍

 ちはじめてこおる第56候──11月12日~16日

金盞香 きんせんかさく第57候──11月17日~21日

[立冬]──11月7日~21日
【旧暦】──10月7日~21日

と、11月一か月の和暦となっている。

「立冬」とは?

そして、昼が短くなり、いよいよ冬の到来を迎える。

暦の上では、冬の始まりの日。日脚が短くなり、木枯らし一号や、山の初冠雪が報じられることも多い時季である。

富士山の初冠雪も、つい最近だった。

まだ秋らしい気配も残り紅葉の見頃の時季だが、朝夕冷え込み、日中の陽射しも弱くなる。木枯らしが吹きはじめ、冬の気配が感じられる頃。

和の暦の「冬」は初冬→仲冬→晩冬と3段階で進む。立冬と小雪の時季は「初冬」。暦の上では冬の到来だ。

初冬 11月7日~12月6日

時候の挨拶
この時季によく使われる挨拶文も調べてみたよ。

深秋の候 しんしゅうのこう
晩秋の候 ばんしゅうのこう
向寒のみぎり こうかんのみぎり

• 山茶始開 つばきはじめてひらく|第55候

※2020年11月23日 綾南公園(西八王子)で撮影した乙女椿。

[山茶始開]──11月7日~11日
【旧暦】──10月7日~11日

• 山茶花が花開くころ

七十二候では、この日から「山茶始開(つばきはじめてひらく)」になる。

つばきと読むが、ここでは山茶花(さざんか)を指している。

時雨が降るなか、垣根などでひときわ鮮やかに花開く様子は目を引く。

花の少ない、殺風景な冬枯れの季節に可憐に咲く山茶花は、寺院や茶室の庭木としても好まれる花のひとつだ。

• 地始凍 ちはじめてこおる|第56候 

[地始凍]──11月12日~16日
【旧暦】──10月12日~16日

大地が凍り始めるころ

七十二候では、この日から地始凍(ちはじめてこおる)になる。

夜間の気温が低くなり、朝には霜柱が見られるほど寒くなる頃。

空気中の水分が氷の結晶となって霜が降り、地中の水分が凍って霜柱が立つようになって大地が凍り始める。

11月15日は「七五三」のお参りの日。千歳飴は、江戸時代に浅草寺の境内で売り出されたのが始まりだとか。この飴を食べれば千歳まで健康で長生きできるという願いが込められているとされている。

• 金盞香 きんせんかさく|第57候 

[金盞香]──11月17日~21日
【旧暦】──10月17日~21日

冬を告げる花、水仙が咲くころ

七十二候では、この日から金盞香(きんせんかさく)になる。

「金盞」は金色の盃の意味で、冠の部分が黄色い水仙を指します。別名は雪中花(せっちゅうか)。

白い花が冬を告げ、芳しい香りを放つ。水仙の開花時期は11月から3月ごろまで。お正月の飾りにもよく使われる。

有名歌人の時雨(しぐれ)を詠んだものも。

神無月ふりみ降らずみ定めなき 時雨ぞ冬のはじめなりける(和漢朗詠集)

夕日かげ群れたる鶴はさしながら 時雨の雲ぞ山めぐりする(藤原定家)

初時雨猿も小蓑を欲しげなり(松尾芭蕉)

初冬は雨の多い季節。その思いがけない冷たさに、いよいよ冬の始まりを感じるだろう。

春時雨、秋時雨というが、時雨といえば初冬の季語。

走り抜けるようにぱらぱらと降っては止むことから、片時雨、村時雨、夕時雨、小夜時雨、山めぐりなど、さまざまな表現があるのも特徴的。

雨に濡れて鮮やかに燃え上がる山の錦繍は、ほの暗い闇に浮かぶ金屏風のように幽玄の世界を彷彿とさせる。

金屏、銀屏とともに、本来風を防ぐものであった衝立も冬の季語だ。

「山より出づる北時雨、山より出づる北時雨、行方や定めなかるらん」これは謡曲『定家』の冒頭の詞章。

藤原定家が百人一首を編纂したのは小倉山の「時雨亭」、また松尾芭蕉の忌日は旧暦十月十二日であることから「時雨忌」と呼ばれている。

二十四節気 和の暦

二十四節気とは

太陽が1年でひとまわりする道を「黄道」という。

二十四節気は、太陽が真東から昇り、真西に沈む「春分」を起点に、黄道を24等分したもの。

1年を約15日ごとに区切り、「立春」をスタートに、「雨水」「啓蟄」「穀雨」など、刻々と変化する自然を漢字2文字で表現している。

春夏秋冬の区切りを意識させてくれる言葉として、時候の挨拶や手紙の書き出しにも使われている。

冬の歳時記|二十四節気と十二候

七十二候とは

二十四節気をさらに3つに分け、約5日ごとに名前をつけたもの。

七十二候は、もともと古代中国で生まれたものといわれている。やがて日本に渡り、江戸時代の暦学者が、日本の気候に合わせて改訂したそうだ。

気候は地域やその年によって違うが、四季の風情を楽しむ目安になってくれることだろう。

というわけで、日本古来の季節の名前を全部覚えるのは無理だけれど、好きな時候をポイントにした、食事や装い、家のしつらいなどに取り入れてみてはいかがだろう?

なんとなく、素敵かもしれないね。

では、また!

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『SunTAMA Style』2020年11月8日記事

『SunTAMA Style』2021年11月8日記事

『SunTAMA Style』2022年11月8日記事

『SunTAMA Style』2023年11月8日記事

『Life Tour21st』2016年11月8日記事

https://lifetour.blog.jp/archives/1062227482.html 「命と向き合った10日間

『みいこStyle』2019年11月8日記事

https://miikostyle.blog.jp/archives/21960105.htmlこころの安全地帯

“「立冬」歳時記~冬の始まりの日【暮らし・立冬/旧記事更新176】” への2件の返信

  1. 「早々と 凍てつく世間 冬支度」 清流子
    最近の日本と世界では、不安定な要素が増えてきている。全く何が起こるかわからない、政治も経済もさらに環境も、予測できない情勢のまま2025年を迎えるのか。勝負は来年前半と思われる。標準を合わせ手を打っていかないと手遅れになりそう。昔ながらの風情がなくなりつつあり寂しいね。

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