【ブログ更新114回】
● あらためて「ことば」のことを考える
最近つくづく、「ことば」はおもしろいと感じている。だから、ちょっと立ち止まって考えてみた。
普段、なにげなくしゃべっている会話も、すべて「ことば」のつらなり。日本国憲法も、そこから派生する法律も「ことば」である。
時には国際問題に発展したり厳しさを迫られたりと、「ことば」のもつ意味は深くて難しい。
だから以前、「作法」の記事でも書いたのだが、人に何か大事なことを伝えるためには、きちんとした言葉遣いと振る舞いが大切なのではないだろうかと思う。
● ボキャブラリ(語彙)が少ない!には、こんな対処法がある
10年前、同期入社の同僚が 「うちの娘、ボキャブラリがすごく少なくて」といい、
「自分の言いたいことが言えていないと思うのよね」っと。
つまり、「ことば」で表現することができていないのが同僚の母としての悩みだった。
丁度中学3年生、受験生の夏だ。
そんな話を聞きつけた、新入社員で30代の後輩が割込み口を挟んだ。
「国語辞典を読ませたらいいんじゃない?」 という。
これは後輩の実体験で、後輩自身も物事や感情を「ことば」で表現することが苦手であった。そんな彼女に、中学時代の国語の先生が辞書を読むことを勧めてくれたという。
それを、言われた通り、しっかりと読み込むことで、意外にも、ことばの使い方例文や反対語の面白さに目覚めてハマってしまったというから驚きだ。
今では、ボキャブラリ豊富な彼女の発するトークはイベントなどでも、大きな魅力のひとつになっている。
なるほど、みんな「ことば」で苦労しているのだなと、改めて考えさせられたのだった。
● よく使う「ことば」をわざわざ辞書で調べてみると発見がいっぱい!
”可愛い”—この言葉に注目してみた。
今、老いも若きも男も女も超越して誰もが当たり前のように使っていることばである。国際標準?とも言われる「可愛い」 は、クールジャパンの一つの表現だ。
旺文社版の国語辞典では「愛らしい、ちいさいこと」などの一般的な表現。
三省堂の新明解国語辞典を引いてみると「かはゆし」から来た、原義は「放っておけば悪い事態になるのをそのまま見過ごせない。自分より弱い立場にある者に対して保護をしてやりたい」と思うのが「かわいい」ということ。
例文があるものや無いもの、2冊の辞書でも内容に差異があることに、いまさら!というか改めて驚きを禁じ得ない。
これだけ 「可愛い」 という言葉の持つ感性や価値が世界で評価されているなんて、ちょっと意外ですごいことだなと実感している。
● 紙でも電子でもいい。辞書をうんと引いてみよう。まだ見ぬ世界がきっとみつかる
「ことば」を辞書で調べる。
電子辞書も手軽だが、わたしはやはり紙の辞書が好きだ。辞書を引くという言葉の表現や振る舞いが物語る、丁寧な時間の流れを感じられるからかもしれない。
でもね、あの文字の小ささがたまにきず!そのうちルーペで拡大して見るようになるのかしら・笑
それでも辞書が好き。
最後に三浦しをん氏・著「小説・船を編む」から、編集者「荒木」の抱く辞書への思いを一説。
~荒木ももちろん、勉強よりも外で友達とあそぶほうが好きだったから、小学生のころは、教室に1冊だけ置いてあった国語辞典のことなど、たいして気にもとめていなかった。
たまに背表紙が視界にはいるだけの、置物にすぎなかった。
実際にめくってみた辞書のおもしろさといったら、どうだろう。
ぴかぴかの表紙、どのページにもびっしりと印刷された文字のつらなり、薄い紙の感触。すべてが荒木を虜にした~
(船を編む)文中より
「辞書引きで 不知火明かす 夕べかな」 清流
かはゆしという古語、万葉の昔から存在していたのかと驚きを隠せない。現代、特に世界的に広まったのは、おそらくキャリーを中心とした原宿文化のせい。SNSの力恐るべし!