【エッセイ・願ったとおりに生きる】
わたしには、盲目の知人がいる。彼は現在、NYでJAZZピアニストをしながら暮らしている。
18年前、彼の帰国中にわたしの所属する、某コミュニティのセミナーがあり、そこでNY仕込みの演奏をして頂けることとなった。当日、用意したピアノが不具合を起こし使えない状態に。会場の近所の友人から、76鍵の電子ピアノを急遽借りて、演奏に間に合わせた。
どうしよう・・・76鍵だなんて、普通のピアノは88鍵。演奏家はすべての鍵盤を使い縦横無尽に音楽を操るものだ。到着した彼に、真っ先にピアノの不具合と76鍵の電子ピアノに代えたことをお詫びしたら「ノープロブレム」と一言。
満面の笑みを返してくれた。そして、最高にハッピーなNYスタイルのJAZZ演奏を30分披露下さったのだ。
足りない鍵盤の部分をどうやって演奏したのか?
答えはシンプル。指を外して弾かないってことだった。
そこは無音であっても、それも演奏の一部なんだと。
本物って、どんな状況であっても、愚痴ひとつこぼさない。なんてかっこいいのだろう。
そして、演奏のお礼を言ったら、「こちらこそ、ありがとう。僕は、NYでピアニストになると決めたのは、失明した19歳の時。だから、願ったとおりの生き方をしてるんだよ」と。
圧倒された一日。あれから、わたしも、どんなことがあっても、へっちゃら(笑)
「万緑や 人も熟せば 民度アップ」 清流
ようやく自粛解除となりましたが、まだまだ油断できません。今回の試練で少しずつ人間革命が進み、民度もアップ。しかしこれからが正念場、緑が濃くなるように第2波へと備えなければなりませんね。