【ブログ更新134回】
〇〇の秋は多々あるけど、今回は堂々、芸術の秋への挑戦をする。しかも、読書で!心を動かす芸術本の解説をしよう。
● アートのすすめ 秋元 康・著(美術出版社)
あの、名クリエイター秋元 康氏が、その時々で刺激を受けてきた著名な俳優、女優、歌手、画家、各界評論家など全29人の老若男女とのデートを実現させてきた。
その場所はすべて美術館だ。秋元康氏が選びセッティングする気合の入ったデートとなった。
先日、わたしも訪れたばかりの「東京都庭園美術館」にも(故)川島なお美さんとデートされていた。
まったく知らない美術館施設も多く、改めて行きたくなったところはインスタグラムのフォローをしたり、WEBで現在の状況などを確かめてあっという間に数時間が経ってしまった。
旅読本ともいえるね。
10月のGOTOキャンペーンにも使えそうな施設も多い。
● 秋元氏が一貫して読者に「伝えよう」としていることとは
まず、ひとつに「ものごとはシンプルに考える」ことだと。次いで、「偶然は必然」であるものだそう。
そして、デートのお相手を想像して、「ストーリーを追うこと」が最大の楽しみ。
さらに、「ストーリーを作り上げる」過程をこよなく愛するという名クリエイターの言葉には、端的で一切無駄のない思考の持ち主だと脱帽したのだ。
で、最後に、これだけは言っておきたいことは「わが道をゆく」ことだと。
- シンプルに考える
- 偶然は必然
- ストーリーを追え
- 作り上げる
- わが道を行く
秋元 康氏の思考が散らばった素晴らしい本。自分の思考の刷新をしたい!なんていう場合もいい教科書になるだろう。
また、日本中の素敵極まりない美術館でのデート対談はことのほか素晴らしい。
● デザイン思考とアート思考の違いを改めて書き出してみた
デザイン思考とアート思考。この二つはよく比較されるものだ。
近年イノベーションの手法として注目を集めているデザイン思考。 デザイン思考とは、利用者を深く理解することにより、利用者の潜在的な課題にアプローチし、解決策を生み出す思考法。
一方の、アート思考は、自分を起点に、価値観の再定義を繰り返しながら、自分なりの答えを描き出す、よりクリエイター色の出やすい思考法だ。要するにセンスのアップグレードが狙いだ。
より鮮明な考え方になるが、デザイン思考では、基本的にものごとの道筋さえ、しっかりと導ければ、誰でも同じ結論にたどりつけるという思考法。
たとえば、水道の蛇口をひねると水が出る→水を止めるのも蛇口を回すという一連の動作にデザイン思考はふんだんに含まれている。
暮らしや生きるための知恵や常識となる考え方。
一方、アート思考は徹底的にものごとの「違い」を作り出す思考法。アーティストといわれる人は、常に他人とは違うデザインや切り口で作品を創作している。
さらに、芸術といわれる作品の解釈は、観る人にゆだねられているものだ。だから、一つとして同じものはない。
ここで言えることは、アート思考では「同じ」を増やさず、「違い」を増やす思考法なのだ。
この誰でもたどれる道筋も、同じを増やさない考え方も、人間が生きやすくすることに重要な役目があるのだそうだ。
違いを知ることは、知識の泉を何倍にもしてくれる。
最後に紹介したい本をもう一冊。
建築士→アート研究者→大企業での新規事業立ち上げ→起業家
様々な領域を行き来し試行錯誤を重ねた著者。
答えのない時代を生き抜くための1つの答えにたどりついた。
それが、アート・シンキング。
なぜいまビジネスにも人生にも「アート」が求められているのか?
アートに精通し、ビジネスの現場にアーティストの思考を取り入れる話題の一書だ。
【お知らせ】
9月21~22日はブログメンテナンスのため、お休みします。再開の時にはどうぞ、よろしくお願いいたします。Miiko
基本的にビジネスはユーザのニーズ(課題)に応えることだが、起業など新しい発想が必要な時にはシーズ(革新)が必要になる。今後のビジネスではデザインとアートの融合によるシーズが本格的に求められる。これは既成の仕組みを打ち破る事だと思う。
既成概念の打破に必要なのは、こうした思考と圧倒的な結果だわ。