【ブログ新規追加187回】
秋の七草・・・萩・すすき・オミナエシ・桔梗・撫子・葛・フジバカマ
「秋の七草」は、奈良時代の歌人、 山上憶良(やまのうえのおくら)が 万葉集において選定した。 「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」
※ 朝貌(あさがお)は桔梗。
春の七草は「七草がゆ」にして食を楽しむものだが、「秋の七草」は花を愛でて楽しむもの。
● 日本画で秋の七草を見つける
秋も終盤の15日は、我が街の美術館にて、日本画を堪能してきた。
そこで観た作品の映像から、ハッと!気づいたのが、「古の画家たちは、足元の季節を切り取って作品を作ってきた」という真実だ。
屏風画はその大きさからスマホで撮り切れず。残念。
左隻の「秋」だけを撮ってみた。今回の展示は撮影OKの作品が多く、それを目当てに来館される人も多そうだ。
【作品紹介】横山大観「春秋」
右隻に春のしだれ桜とたんぽぽ。左隻に秋の楓とりんどう、おみなえし、芒が描かれる。左右に季節の風趣を対比させて、没線主彩、たらしこみなどを用いながら、琳派風に描いたもの。
余白を大きく残すなかに、凛と咲くたんぽぽ、真っ青なりんどうが双方の画面を引きしめ、さらに落ちかかる一葉の楓が一瞬の時の流れを意識させ、静寂な雰囲気を与えている。
五浦時代に描かれた優品のうちの一つ。
一枚の屏風の右側に「春の花」、左側に「秋の花」を配置。このことからもわかるように、日本画の真骨頂は、反シンメトリー。左右対称ではない自由な画風が好まれたのだ。
今回の展覧会で秋花の魅力に感化されて、急いで、我が家の近所の自然公園に出向いた。
● 自然公園で見つけた秋の七草たち
もう、冬まじかで秋花も終盤。秋の七草のフジバカマはそこかしこに咲いていた。ノコンギクやオミナエシ、すすき、紅葉、竜胆(りんどう)を見つけることができた。大観の屏風絵にはやはり、桔梗ではなく竜胆(りんどう)が一輪描かれていた。
竜胆(りんどう)は公園内のある場所にまとまって咲いていた。ここは、毎年おさえている場所で、今年もその場所で可憐な青い花と出会えた。
とても幸せ。
大観の屏風絵にあった紅葉。公園でもばっちり紅葉していた。まさに同じ風景。屏風画と自然公園のマッチングを大いに楽しんだ秋の休日。
大観(水戸出身)もこの武蔵野に住んでいたのでは?と思わされる素晴らしい作品との出会いだった。
ぜひ、季節と美術作品のコラボを見つけてみて。
「帰り花 早速動けと 山のこゑ」 清流
返り花、初冬に季節外れの花が咲くことをこう呼んでいます。ちょうど展覧会に触発されて近くの里山に向かうのも一興ですね。
かっちゃんがズームで読んでくれました( ´艸`)