【ブログ新規追加238回】
昨日は、のっけから「つまらない本」のこなし方などを滔々と述べてみた(笑)
今日は「小説を最後まで読み切る最良の方法」をお伝えする。
またまたぁ~~~~そんなことが簡単にできるの?
はい!できます。
それは、読もうと思っている作家自身の書いた、エッセイをまず読むのだ。
できれば、2~3冊ぐらいがいいだろう。
● なぜ小説の前にエッセイを読むのがいいのか~人の思考を覗き見て相手を知ることで興味が倍増するから
エッセイ(随筆)とは、何か特別なテーマがあるわけではない。その時、思いついたことや考えたこと、妄想などをつれづれに書く、という文章だ。
私は、エッセイ好きだが、その昔は、他人の書いたつれづれの散文というか雑文を読む価値があるのだろうか・・・?などと、生意気に思っていたものだ。
ただ好きな小説家、例えばわたしの場合、「スローなブギにしてくれ」の著者・片岡義男氏や「西郷どん」の著者・林真理子女史など、小説自体も抜群に面白いのだが、彼らの書いたエッセイはさらに群を抜いて面白い。
そこから作家の日常を知りたくて、「エッセイ→小説」を読む読書方法をひたすら続けてきた。
で、気づけば、片岡義男氏と林真理子女史の小説作品はほぼ、全巻網羅するぐらいの読書数となった。
別に全巻読破!を掲げていたわけではないし、それを誰かに話したり、共有することもなかった。
あえて言うなら、ブックレビューライター時代に、「レビューが読みやすいのは、何か書き方に秘訣があるのでしょうか?」との編集者の問いかけに、「エッセイを読みまくってきたからかしら?」と答えた記憶がある。
一方で、エッセイにハマった小説家も何人か(笑)おひとり上げるとすると、この方だ。
村上春樹氏。氏の名立たる小説の多くは、未だ未読だ。ただ、氏の書く日記のようなエッセイが、それはそれは面白い。
【書籍概要】
いま、世界が渇望する稀有な作家──
村上春樹が考える、すべてのテーマが、ここにある。
自伝的なエピソードも豊かに、待望の長編エッセイ。
「目次」
第一回 小説家は寛容な人種なのか
第二回 小説家になった頃
第三回 文学賞について
第四回 オリジナリティーについて
第五回 さて、何を書けばいいのか?
第六回 時間を味方につける──長編小説を書くこと
第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み
第八回 学校について
第九回 どんな人物を登場させようか?
第十回 誰のために書くのか?
第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア
第十二回 物語があるところ・河合隼雄先生の思い出
あとがき
「MONKEY」大好評連載の<村上春樹私的講演録>に、
大幅な書き下ろし150枚を加えた長編エッセイだ。
物書きを目指す人も、そうでない人でも誰でも楽しめる内容に驚き。
☆
小説という、ある意味「風景や情景をことごとく説明する文章」を面白い!と感じて最後まで読み終えるのは、実はすごく大変なことなのだ。
だから、せっかく読もうと思う小説家の作品があるのであれば、その作家が書いたエッセイを読み、その人の思考を覗き見る楽しさをプラスするといい。
すでに、作家の日常をかいま見る楽しさを知っているからこその、充実した読了が叶うかもしれない。
さあ、読了を習慣にしよう!
「つれづれに まばゆき鏡 開きかな」 清流
鏡を開くように随筆を読み下しその人となりを知る。何気ない知識が深みを加え独特の味を醸し出すのだ。でもくれぐれも、固定観念に捕らわれないよう対応したい。
一日早い鏡割りでした。
お汁粉美味しかった🎶