【ブログ新規追加378回】
わたしは、年間だいたい300冊近い本を読む。
本格的な大量読書に踏み切ったのは、ピアノ講師から出版社での営業職に代わった40代中盤の頃。
速読はやってはいないし、第一やり方を知らない。
以前より時間が取れるようになった今は、できる限り熟読するように心がけている。
● 大量の本をどう読んでいるのか?タネ明かししよう
年間300冊の本を隅から隅まで読み込んではいない。
3割ないし5割程度は必ず目を通しているが、ハズレだった場合は即撤収してしまう(笑)
個人のニーズに合わせた「読みたい・読むべき」本を教えるサービスをWEBで展開中の方が言われていたのが、「せっかく選んだ本だからと、無理に読まなくてもいいんです」「目次と見出しだけ」「導入とあとがきだけ」これだけでも充分に内容は伝わるハズですと。
わたしもこの発言に同感だ。
さらには頭から100ページは我慢してでも読もう!と、言いたい。
身銭を切った本なら絶対にまず、100ページ読み倒す。表紙、奥付けの1ページも入れて、とにかく買ったらすぐ読むのがいい。どこかお茶が飲めるcafeとかがいい。
で、100ページ読んだら、この先読み続けるか決めておこう。
積読が溜まるのは「すぐ手をつけない」のが大きな原因なのだ。
書店では、あの手この手で面白そうな本に感じてもらえる仕掛けがいっぱいだ。紹介文のボードや書店員さんの熱い手書きメッセージのポップなど。
どれも、これも読みたい!と、読みたい気持ちも手伝って手に取ってしまうものなの。
しかし、一旦自宅へ帰れば、その本をおススメするポップもメッセージもない。そこから重い腰をエイ!と上げて読み始めるだろうか?
たいがいは熱が下がっているから、「まあいい。後で読もうっと・・・」となる。
もうひとつ、なぜ、最初の100ページ読みをおすすめするのか?といえば、これまただいたいだが、本の急所(重要ポイント)って、最初の方に80%書かれているのだ。
残り20%は補足に過ぎない。
でも、あれ?ミステリーや長編小説は?
そういった文章形態でも、だいたいは始めのほうに重要なことがらや人物などが書かれている。それでも、展開や話の落とし処を知るために必ず最終章は読むようにするといい。
長年ブックレビュ―を書き続けてきたが、ベストセラーと呼ばれる良書はたいがいこのパターンで書かれている。
あまりに長編過ぎて、助長性の高い小説などは、せめて「問題が勃発するところ」まで我慢して読んでみよう。
その場面が頭に残ってさえいれば、その続きも容易に読み進められるだろう。基本の読書法だとも言える。
わたしの読書法は「すべて読む=読了」に囚われない、「自由な読み方=斜め読み」で年間300冊を読み続けてきた。小さくタネ明かしをしたよ(笑)
● 年間300冊~どのような本を読んでいるのか
年間300冊の本について内容を書き表してみよう。
① 気に入った作家や気になる作家の本を借りられるだけ借りる(図書館で10冊程度+電子書籍2冊はWEBで借りる)
とにかく、ひとりの作家の作品をシャワーを浴びるように読み倒す。これは、もう完全な趣味の領域だ。
面白そうかどうか?とかはまったく気にせず、もちろん巷のブックレビューなどもまったく読まない。要するに読む前に評価を入れずに読む。
ハードカバーが気に入ったら、同じ作品を文庫でも借りる。編集が違うから、新たな書き下ろし文とかが「おまけ」でついてる場合もあって一粒で二度美味しいワケ。
この10冊借りるのは一年中、毎週一回続けている。
今は緊急事態宣言中で30冊借りられるから、夫とふたりで部屋の中はさしずめ図書館みたいだよ(笑)
10冊積んでどんどん片っ端から挑む読み方が大好きで辞められない。
② 表紙やタイトルがひっかかった本をまとめて5冊買う。
今なら、山やキャンプ、トレッキングなどアクティビティ関係が多し。まず、写真が美しいし、ライフスタイルに結びついているから、読んで見て心地よい癒しの時間が持てるのだ。
この場合は、意図的にジャンルをバラバラにして「よろず屋」的な読み方をして楽しんでいる。
③ 勤め先の出版物を読み込む。
これは、仕事だから読書ではない。事前に読んでおかなければ商談にならない。同僚もみんな、ちゃんと読んでいるのかな?謎。
④ 新聞やWEB上で記事になっている本を取り寄せる。
だいたいは、ブックレビューの記事が魅力的だった場合だ。ここで気をつけたいのが、ブックレビューを書いたライターさんの筆力がその本の著者より勝っている場合がある。
これ、実は大問題なのだ。だって売り込み文が本書より面白かったらど~なる?
(こういった内側の話は、もっともっと展開できるのだけど止めておこう)
まあ、真っすぐにこねくり回していない正当なブックレビューを読んで、それでも読みたい!と、思ったら迷わず購入だ。
⑤ amazonのレコメンドを見てついポチっちゃうのもある。
これは、Amazonだけでなく楽天ブックスでもあり。要するに溜まったポイントの端数を期限中に使い切る時に「本」がいい対象品となるから。まんまとAmazon楽天の営業戦略に載せられてしまってるの。電子書籍が多いかな。
● 何年も年間300冊を読み続けてわかったことが2つある
それは、ある日突然感じた感覚だった。
「言葉が次から次から溢れ出てくる」感覚。
どこかに何か書かなければ!という一種の焦りと書ける感覚がわかったから、衝動的に「ブログ」に手を出したのだ。
たぶん、ずっと書き続けられるだろうと踏んで。
まったく根拠のない自信を持っていたね。
その根拠のない自信は7年経った今も変わらず、こうして毎日文章をしたためられている。
つくづく読書の力の凄さを実感している最中だ。
もうひとつは、溢れる読書量があると、良い本に出会いやすくなるのだ。そもそも、良い本に出会うために読んでいるわけじゃあないのだけれど。それでも出会っちゃうのだ。
毎年300冊読んで、本当に心の底から「読んでよかった」と思える書籍は約30冊。10%の出会い。90%は無いものだ。それでも、まったくムダはないよ。
結局のところ、数の勝負を本気ですれば、「読む力」と「良い本に出会える力」とついでに「書く力」もついてくるのだ。
一生、挑戦できる「戦う読書」の醍醐味を知ったら、もう辞められない。
● 最後に
わたしは、若い頃目上の人や、音楽関連会社の社長などからおススメのビジネス本や小説を教えて頂き、すぐに書店で買ってすぐに読んで感想を電話で伝えていた。
たいがいは、「本当に読んだんだね~~」と喜んで下さり、感想を述べると、「そんな風に読んだのか!面白いね!」と、おススメ読書の話で盛り上がったんだ。
目上の人に「本」好きがいたら、聞いてみるといい。
「今、何を読んでいるのか?」
「これまでで良かった本を5冊教えて!」と、甘えてみよう。
きっと、一生懸命、考えて教えてくれるはずだ。
こんなやり取りは、好きじゃないとできないでしょ。
読書が日常の延長上にある人は、
複眼的な目線が得られるチャンスよ。
「読むほどに 気になる作品 芒種かな」 清流
芒種とはイネ科の穂先にある突起の事。24節気の一つで、この6日を境に梅雨の色合いが増す。言わば田植えのきっかけ。読書もこの出だしのアンテナ部分で読むに値するか判断できるよね。
年間300冊読んで、読んで良かった本は10%あればいいほう( ´艸`)